滅びゆく王国と平等の国を築く王女

第２２話：王太子の策略

王宮の広間は、磨かれた大理石を叩くブーツの音で響き渡っていた。

王太子、フレデリック・フォン・フェルダリスカは高い窓のそばに立ち、冷たい青い目で下の街を見下ろしていた。夕日が首都に金色の影を落とし、平和な光景を描いていた——しかし、それはすぐに打ち破られるだろう。

深紅のローブをまとった王宮の顧問が近づき、深くお辞儀をした。
「殿下、偵察者が戻りました」

フレデリックは鋭く振り向いた。
「話せ」

顧問はためらった。
「予想通り、姫君はあの男たち——三人の黒人の外国人——と共に行動しています。彼らはエルフと会い、どうやら彼らの支援を得たようです。また、姫君と男たちは強力な召喚精霊を手に入れたとの報告もあります」

王太子の顎が引き締まった。
「ならば、妹は公然と私に逆らっているということだな」

顧問はうなずいた。
「姫君とその『仲間』たちは、ルシャールの領地に戻る途中です」

フレデリックの指が拳に固く握りしめられた。
「愚かな妹め。...外国の汚物のために何世紀もの秩序を捨てようとしているなどとは愚の骨頂だ！」

彼は息を吐き、冷静さを取り戻した。
「余は妹が反逆者になるのを許さない」

彼は最も信頼する騎士、銀髪の男に振り向いた。
「王令を準備しろ」

騎士はお辞儀をした。
「何とお書きしましょうか、殿下？」

フレデリックの唇が知っているような笑みを浮かべた。
「まずは手を出さない。まだだ。代わりに、我が妹に寛大な招待状を送ろう」

顧問の目が理解を示して大きく見開かれた。
「罠ですか、殿下？」

フレデリックはうなずいた。
「彼女が拒否できないものだ…少なくとも、公然と反逆者と名乗らなければ」

—

王の召喚：

ルシャールの領地への帰り道の馬車の旅は平穏だったが、緊張が空気に漂っていた。

エヴリンと仲間たちは皆、彼らの行動が気づかれたことを知っていた。王太子は長く沈黙していないだろう。

領地の門に近づくと、王宮の騎士たちが待ち構えていた。王族の紋章を掲げた先頭の騎士が前に出て、巻物を広げた。

「王太子フレデリック・フォン・フェルダリスカ殿下の名において、エヴリン・フォン・フェルダリスカ姫君は、直ちに王宮に戻り、殿下と王国の事柄について話し合うよう召喚されます」

空気が静まり返った。

エヴリンの隣に立つジャヒが囁いた。
「罠だよー？」

エヴリンはゆっくりと息を吐き、鋭い頭脳を働かせていた。

フレデリックは彼女を試していた。

もし彼女が直接拒否すれば、それは反抗と見なされる。もし受け入れれば、彼女は毒蛇の巣に飛び込むことになる。

彼女は威厳を持って前に出て、騎士の視線を捉えた。
「兄に伝えてくれ。私は王国のためにここでやらなければならないことがあって忙しいので、今は戻れないと」

騎士は硬直した。
「姫君、これは直接の王令です。これに逆らうことは——」

「私はまだこの王国の王女だ」
エヴリンは遮り、声を強くした。

「必要な時に戻る。兄が本当に王国の未来について話し合いたいなら、彼自身が私のところに来るように伝えてくれ」

沈黙。

騎士はためらい、それから硬くお辞儀をした。「お言葉のままに、姫君」

騎士たちが去っていくと、アデムは低く口笛を吹いた。
「大胆だな」

マリクはうなずいた。
「王太子の顔に唾を吐いたようなものだ。彼は簡単には許さないだろう」

エヴリンの表情は読み取れなかった。
「わかってる。でも、これは力だけでなく知恵の戦いでもあるわ。兄はまだ私を敵と宣言する準備ができていない——彼はもう一度試すだろう。でも、すぐに彼は本心を表さざるを得なくなるはず」

ジャヒは腕を組んだ。
「じゃあ、どうするのー？」

エヴリンは彼らに向き直り、金色のハイヒールが石畳を軽く叩く音を立てた。
「今から、戦争の準備をしなくては！」