滅びゆく王国と平等の国を築く王女

王族好きな鳥ちゃん

文字の大きさ
25 / 48

第24話:死の王令に抗う者たち

しおりを挟む
ルシャール侯爵の会議室の空気が緊張に包まれた。

侯爵の信頼する情報提供者の一人である使者が、息を切らし汗だくで駆け込んできた。
彼はヴァルデン国王の紋章が押された封筒を持っていた。

ルシャールはそれを開封し、重々しい声で読み上げた。

*「フェルダリスカの国王、ヴァルデン陛下の命により、元王女エヴリンはすべての王族の称号を剥奪され、王冠への反逆者として宣告される。彼女は国家の敵と共謀し、奴隷や犯罪者と交わり、我が高貴な王国を支える神聖な法に逆らおうとした。
また、彼女を助ける者は誰であれ、彼女と同じ運命を共有するものとする。彼女が捕らえられた場合、絞首刑による公開処刑が宣告され、国王陛下とその神聖な統治権に逆らう者たちの運命をすべての者が目撃するものとする」*

..........................


重い沈黙が続いた。三人の黒人の男たちは拳を握りしめ、目に怒りが閃いた。

しかし、エヴリンは動かず、その視線は鉄のように硬かった。

「そうか」
彼女はついに口を開き、声は冷静だが致命的だった。
「彼らは動いたわね」

「王ははっきりさせました——これはもはや奴隷を解放するだけの問題ではなくなったのです」
ルシャールが付け加えた。
「これは戦争ですぞ」

エヴリンの大義に最初に加わった黒人の男の一人であるマリクが鋭く息を吐いた。
「俺たちは王都には戻れない。変装してもだ。あいつらは俺たちを動物のように狩り出すだろう」

「王宮警備隊が道路を捜索してるだろう」
別の男が指摘した。
「これからどうやって進むんだ?」

エヴリンヌは一瞬目を閉じ、自分を落ち着かせた。

それから彼女は背筋を伸ばし、ホムンクルスとの戦いで彼らを率いた時と同じ声色、口調や威厳を放った。

「私たちは進む」
彼女は宣言した。

「父が私の『裏切り』を人々の前で見せびらかしている間、私たちは影に隠れて怯えるべきではない。あの男はすべての希望を打ち砕いたと思っているかもしれないが、男はただ私たちを強くしただけだ。今、この王国のすべての奴隷、すべての虐げられた人々が真実を見るだろう。あの愚王は人々の保護者ではない——変化を恐れる暴君だ」

黒人の男たちは互いを見つめ、新たな炎が彼らの中に燃え上がった。王女の言葉遣いはまるであの時のような別人格みたいに勇猛なる覇者になったのだから。

ルシャールは身を乗り出した。
「どうするおつもりですか、殿下?」

「私たちが先に打つ」
エヴリンヌは言い放った。

「まだ王都陥落の時ではない。でも、私たちは同盟を結ぶ必要がある——もっと多くの貴族、もっと多くの戦士、そして本当に自由を信じる人々にだ。エルフはすでに支援を約束してくれた。もし十分な力を集められれば、父だった男とあの忌まわしい王太子に対抗できる」

「もし失敗しましたら?」
一人の男が尋ねた。

エヴリンは笑みを浮かべ、目に確信の炎を燃やした。
「それなら、私たちは戦いながら倒れる。臆病者としてではなく、より良い世界を夢見た者としてだ」

部屋は賛同の声で沸き立った。彼らの歩むべき道と覚悟は既に決まった。もう後戻りはできない。

次のステップ:

国王の政策や決断に反対する貴族たちとの同盟を結ぶ。

傭兵や解放された者たちで軍事力を強化する。

王都との避けられない戦いに備える。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!

ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」 それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。 挙げ句の果てに、 「用が済んだなら早く帰れっ!」 と追い返されてしまいました。 そして夜、屋敷に戻って来た夫は─── ✻ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

処理中です...