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第三章 糸を束ねる者たち
噂一つで百の商い
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「……ふぅ、これでしばらくは安泰だな」
王子仮病作戦が無事スタートし、倫太郎は倫太郎の姿でほっと息をついた。
「これなら堂々とギルドにも行けるし、王城の連中も疑わない……完璧!」
胸を張っていると――。
「倫太郎様ぁぁぁ!!!」
ドタドタと廊下を駆けてくる足音。
勢いよく扉が開き、ミラが半泣きで飛び込んできた。
「ど、どうしたんだよ!? 俺の仮病、もうバレたのか!?」
「ち、違いますっ! あの、噂が……!」
渚も後ろから静かに入ってきて、扉を閉める。
「倫太郎さん、落ち着いて聞いてください」
ミラは息を切らせながら叫んだ。
「王子様が……“病で声が出なくなった”って噂が広まってますっ!」
「声ぇ!? 俺、普通に喋ってるだろ今!!」
倫太郎は素で叫んでしまい、渚に口を押さえられた。
「しーっ……! さらに尾ひれがついています。“声を失った王子様は、目で全てを語る”と」
「なんだそのポエム!!」
倫太郎が机に突っ伏すと、ミラはさらに畳み掛ける。
「そ、それだけじゃなくて……“王子様の声を取り戻すのは真実の愛のキスだけ”って……」
「それラブコメだろ!! どこから出てきたんだそんな設定ぇぇ!!!」
渚はこめかみを押さえ、小さくため息をつく。
「……安泰どころか、ますます斜め上ですね」
倫太郎は頭を抱えながら叫んだ。
「俺の仮病、なんでロマンス方向に進化してんだよぉぉ!!」
ギルドの壁にまで、倫太郎の悲鳴が響いた。
王城・執務室
机の上に積まれた書類を前に、執事ギルバートは額を押さえていた。
「……“声を失った王子様は目で全てを語る”……?」
侍女たちの報告を聞いた彼は、思わず書類を落とす。
「ば、馬鹿な……昨日まで普通に話しておられたのに!?
それに……愛のキスで声が戻るとは……なんという、なんという荒唐無稽な……!」
部屋の外からは侍女たちのざわめきが聞こえてくる。
「きっと真実の愛があれば……」
「もしかして運命の人は私……?」
「いえいえ、王子様はきっとお美しい渚様の……!」
「やめなさい! 廊下でそのような不敬を……っ!」
ギルバートは慌てて扉を閉め、机に突っ伏した。
「……なぜこうも噂は斜め上へ行くのだ……!?
どうして恋愛劇になるのだ……!!」
胃を押さえ、重々しくため息を吐く。
「……これはもう、胃薬では済まぬかもしれん……」
ギルド本部の一室
巽が机に突っ伏し、頭を抱えていた。
「……なんでそーなるんだよ!? なんで“愛のキスで治る”にすり替わってんだ!?」
理人も額を押さえて苦笑する。
「ほんと、誰が尾ひれつけてんだか……。
声を失った王子が目で語るって、ポエムかよ」
ユリウスとセリナ、ガルドは顔を見合わせ、肩を震わせていた。
「で、でも……ちょっとロマンチックじゃないか……?」
「……ユリウス、笑いを堪えきれてないわよ」
その頃、ギルドの外
門のそばで、凌 玉蓮がしたり顔で立っていた。
「ほっほ……噂は商売の肥やし。
さあさあ、“声を失った王子と真実の愛”! 恋愛小説をおひとつどうですかな!」
通りかかる冒険者や商人が、半ば呆れながらも手に取っていく。
「ちょっと読んでみるか……」
「表紙がやたらキラキラしてるんだけど……」
ギルドの窓辺で、静香が小冊子を手にしていた。
ページをめくりながら、淡々と呟く。
「……なるほど。噂の拡散速度はこうして庶民の娯楽へと変換されていくのですね」
隣で理人が二度見した。
「……隊長、それ買ったんですか!?」
静香は平然と頷く。
「情報収集の一環です」
巽は机に頭を打ち付けながら叫んだ。
「絶対ちょっとは楽しんでるだろおお!!!」
王城の夜。
闇に紛れて忍び込む影――暗殺者。
狙うは病床にあると噂されるアレクシス王子。
「……ここまで来れば……」
カチリ。
次の瞬間。
「ぐわあああ!? な、なんだこれ!? 床が……回って……!」
暗殺者は床ごと回転し、壁に張り付くように固定されてしまった。
別の夜。
「ふふ……前の奴の失敗は見た。慎重に……」
だが廊下の先で小さな人形が立っていた。
「……ただの人形?」
触れた途端、煙がぶわっと噴き出し――。
「げほっ、ごほっ!? 目がっ、目がぁぁぁ!!」
そのまま衛兵に取り押さえられた。
翌日
「……また暗殺者が捕まったそうです」
渚の報告に倫太郎は目を丸くした。
「また!? でもどうして、俺の部屋まで来れてないんだ?」
そこへ、したり顔の凌 玉蓮が現れる。
「ほっほ、それはこのわたくしが王城に納めました“護城アイテム一式”の成果でございますな!」
「護城アイテム?」
ミラが首を傾げる。
玉蓮は背負い袋から小さな人形を取り出し、胸を張った。
「“魔煙くん”でございます! 触れた者を煙で目潰し!
他にも“逆回転床くん”“つるつる廊下さん”と、バリエーション豊富に取り揃えておりますぞ!」
倫太郎は絶句した。
「……おい、それただの悪ふざけアイテムだろ!」
「いえいえ、実際に役立っておりますゆえ!」
玉蓮は胸を叩いて豪笑する。
「暗殺者を捕らえるたび、追加注文が入るんですわ。まさに商売繁盛!」
渚は額に手を当て、深いため息をついた。
「……王城の警備が、妙な方向に発展していきますね」
倫太郎は頭を抱えた。
「……これでまた変な噂が広まるんだろうなぁ……」
王子仮病作戦が無事スタートし、倫太郎は倫太郎の姿でほっと息をついた。
「これなら堂々とギルドにも行けるし、王城の連中も疑わない……完璧!」
胸を張っていると――。
「倫太郎様ぁぁぁ!!!」
ドタドタと廊下を駆けてくる足音。
勢いよく扉が開き、ミラが半泣きで飛び込んできた。
「ど、どうしたんだよ!? 俺の仮病、もうバレたのか!?」
「ち、違いますっ! あの、噂が……!」
渚も後ろから静かに入ってきて、扉を閉める。
「倫太郎さん、落ち着いて聞いてください」
ミラは息を切らせながら叫んだ。
「王子様が……“病で声が出なくなった”って噂が広まってますっ!」
「声ぇ!? 俺、普通に喋ってるだろ今!!」
倫太郎は素で叫んでしまい、渚に口を押さえられた。
「しーっ……! さらに尾ひれがついています。“声を失った王子様は、目で全てを語る”と」
「なんだそのポエム!!」
倫太郎が机に突っ伏すと、ミラはさらに畳み掛ける。
「そ、それだけじゃなくて……“王子様の声を取り戻すのは真実の愛のキスだけ”って……」
「それラブコメだろ!! どこから出てきたんだそんな設定ぇぇ!!!」
渚はこめかみを押さえ、小さくため息をつく。
「……安泰どころか、ますます斜め上ですね」
倫太郎は頭を抱えながら叫んだ。
「俺の仮病、なんでロマンス方向に進化してんだよぉぉ!!」
ギルドの壁にまで、倫太郎の悲鳴が響いた。
王城・執務室
机の上に積まれた書類を前に、執事ギルバートは額を押さえていた。
「……“声を失った王子様は目で全てを語る”……?」
侍女たちの報告を聞いた彼は、思わず書類を落とす。
「ば、馬鹿な……昨日まで普通に話しておられたのに!?
それに……愛のキスで声が戻るとは……なんという、なんという荒唐無稽な……!」
部屋の外からは侍女たちのざわめきが聞こえてくる。
「きっと真実の愛があれば……」
「もしかして運命の人は私……?」
「いえいえ、王子様はきっとお美しい渚様の……!」
「やめなさい! 廊下でそのような不敬を……っ!」
ギルバートは慌てて扉を閉め、机に突っ伏した。
「……なぜこうも噂は斜め上へ行くのだ……!?
どうして恋愛劇になるのだ……!!」
胃を押さえ、重々しくため息を吐く。
「……これはもう、胃薬では済まぬかもしれん……」
ギルド本部の一室
巽が机に突っ伏し、頭を抱えていた。
「……なんでそーなるんだよ!? なんで“愛のキスで治る”にすり替わってんだ!?」
理人も額を押さえて苦笑する。
「ほんと、誰が尾ひれつけてんだか……。
声を失った王子が目で語るって、ポエムかよ」
ユリウスとセリナ、ガルドは顔を見合わせ、肩を震わせていた。
「で、でも……ちょっとロマンチックじゃないか……?」
「……ユリウス、笑いを堪えきれてないわよ」
その頃、ギルドの外
門のそばで、凌 玉蓮がしたり顔で立っていた。
「ほっほ……噂は商売の肥やし。
さあさあ、“声を失った王子と真実の愛”! 恋愛小説をおひとつどうですかな!」
通りかかる冒険者や商人が、半ば呆れながらも手に取っていく。
「ちょっと読んでみるか……」
「表紙がやたらキラキラしてるんだけど……」
ギルドの窓辺で、静香が小冊子を手にしていた。
ページをめくりながら、淡々と呟く。
「……なるほど。噂の拡散速度はこうして庶民の娯楽へと変換されていくのですね」
隣で理人が二度見した。
「……隊長、それ買ったんですか!?」
静香は平然と頷く。
「情報収集の一環です」
巽は机に頭を打ち付けながら叫んだ。
「絶対ちょっとは楽しんでるだろおお!!!」
王城の夜。
闇に紛れて忍び込む影――暗殺者。
狙うは病床にあると噂されるアレクシス王子。
「……ここまで来れば……」
カチリ。
次の瞬間。
「ぐわあああ!? な、なんだこれ!? 床が……回って……!」
暗殺者は床ごと回転し、壁に張り付くように固定されてしまった。
別の夜。
「ふふ……前の奴の失敗は見た。慎重に……」
だが廊下の先で小さな人形が立っていた。
「……ただの人形?」
触れた途端、煙がぶわっと噴き出し――。
「げほっ、ごほっ!? 目がっ、目がぁぁぁ!!」
そのまま衛兵に取り押さえられた。
翌日
「……また暗殺者が捕まったそうです」
渚の報告に倫太郎は目を丸くした。
「また!? でもどうして、俺の部屋まで来れてないんだ?」
そこへ、したり顔の凌 玉蓮が現れる。
「ほっほ、それはこのわたくしが王城に納めました“護城アイテム一式”の成果でございますな!」
「護城アイテム?」
ミラが首を傾げる。
玉蓮は背負い袋から小さな人形を取り出し、胸を張った。
「“魔煙くん”でございます! 触れた者を煙で目潰し!
他にも“逆回転床くん”“つるつる廊下さん”と、バリエーション豊富に取り揃えておりますぞ!」
倫太郎は絶句した。
「……おい、それただの悪ふざけアイテムだろ!」
「いえいえ、実際に役立っておりますゆえ!」
玉蓮は胸を叩いて豪笑する。
「暗殺者を捕らえるたび、追加注文が入るんですわ。まさに商売繁盛!」
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