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64 眠っていいですよ
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「え? でも、豆は送っていたはずだけど。……あ。手紙が届いていないなら、豆も届いていないの?」
だとしたら、王宮であずきが渡した豆だけで今まで凌いでいたのか。
こんな風に言うからには、もしかすると豆成分不足が限界ギリギリなのかもしれない。
「豆は届いていましたが。アズキから直接補給したいです」
なるほど。
豆だけよりも、あずきのほうが豆成分の補給効率がいいのだろう。
となれば、クライヴが羊羹男の歌を歌いだす前に、補給してもらったほうが良さそうだ。
「新鮮な豆成分ってことね? なら仕方ないけど。……でも、疲れるでしょう?」
「そう思うのなら、俺の首に手を回してもらえると助かります」
「やっぱり疲れるんじゃない。だったら、手を繋げばいいわ」
「嫌です」
「何でよ」
豆成分はあずきと手を繋げば補給できるのは、わかっている。
わざわざ苦痛を伴う方法を選ばなくてもいいだろうに。
「アズキが王宮を出て今日まで、ずっと心配していました。ようやく会えたんです。……離したくない」
ミントグリーンの瞳に至近距離で見つめられ、あずきの鼓動が大きく跳ねた。
これも、演技なのだろうか。
もう、よくわからない。
わかるのは、たとえ演技だとしても嬉しいと感じてしまっている自分の心だ。
クライヴが心配するのは、豆原あずきではなくて、豆の聖女。
勘違いをしてはいけない。
そう思うのに、甘い罠のようにクライヴの言葉があずきを捉えていく。
「ちょっとだけ、よ。あとはおろしてね」
自分に言い訳をしながらクライヴの首に手を回すと、ミントグリーンの瞳が楽し気に細められる。
必要以上にクライヴに接触しては、嫌な思いをさせてしまう。
そう思って腕に力を入れてできるだけ触れないようにしていたのだが、緊張は長くは続かない。
しかも暗い森の中をゆらゆらと揺れて移動しているせいで、だんだんと眠くなってきた。
「クライヴ」
「何ですか?」
「おろして」
「嫌ですよ」
笑顔で即答されたあずきは、小さく息を吐いた。
「あのね。ちょっと眠くなってきちゃったの。歩くから、おろして」
「眠っていいですよ」
「駄目よ。人は寝たら重くなるの。前にも言わなかった?」
「前にも言いましたよね。大丈夫だから、眠ってください」
頑として聞いてくれないクライヴに、あずきも呆れてしまう。
「頑固者」
「はい」
「豆馬鹿」
「はい」
「……助けに来てくれて、ありがとう」
「はい。おやすみなさい、アズキ」
優しい笑みを向けられて安心すると、さらなる眠気があずきを襲う。
もう駄目だ、目が開かない。
でも、こうしてクライヴに抱かれていると、何故だかとても落ち着く。
そのまま、あずきは夢の世界に旅立った。
次に気が付くと、目の前にクライヴの顔があった。
「――ぎゃあああ!」
「アズキ」
思わず絶叫して飛び起きようとすると、目が回ってしまい何かからずり落ちそうになる。
咄嗟にクライヴが手を伸ばして支えてくれたのだが、その結果あずきを抱きしめるような形になってしまい、さらなる悲鳴がこだまする。
「何? 何なの? ここ、どこ?」
羞恥と混乱からびくびくと震えていると、クライヴは苦笑しながらあずきの頭を撫でた。
「……馬車?」
どうやらここは馬車の中らしいが、一体どういうことだろう。
それに、何故クライヴの顔が目の前にあったのだろうか。
ようやく落ち着きを取り戻すと、横になった自分の目の前……というか上に、クライヴの顔があることに気付く。
これはつまり、膝枕というやつではないのだろうか。
驚いて飛び起きようとするあずきの額を、クライヴの指が押さえる。
上手く力が入らずそのまま頭をおろすと、金髪の美少年が満足そうに微笑んだ。
「疲れているんですよ。このまま、休んでください」
そうは言っても、クライヴに膝枕をされているのだから体は休めても心が休めない。
「でも……あれ? 神殿に向かっていなかった?」
「一度は戻りましたよ? ですが、着替えをして、すぐに出発しています」
「着替え?」
自分の体を見てみれば、ワンピースから真っ白な神官服に変わっていた。
「え? 誰が着替えさせたの?」
「もちろん、女性神官ですよ」
それはそうか。
一瞬でもクライヴが着替えさせたのかと思った自分が恥ずかしい。
いや、女性神官でも恥ずかしいことには変わりはないのだが、恥ずかしさの質が違う。
「アズキ、これを」
そう言って手に渡されたのは、黄緑色の豆ケースだった。
「あ、私の。拾ってくれたの? ありがとう」
「俺からのプレゼントですから。神殿に置いては行けません」
「そうだ。ポリーに聞いたんだけど、豆ケースって普通はあまりプレゼントしないんでしょう? 意外と便利だし可愛いけど、誤解されるようなことは控えたほうがいいと思うよ」
ただでさえクライヴは容姿に恵まれている王子様だ。
何もしなくても勘違いされかねないので、用心したほうがいいだろう。
「ナディア嬢のことは関係ない、と説明しましたよね?」
「そうじゃなくて。親しい人や家族や恋人に贈るものなんでしょう? それこそナディアさんみたいに誤解されないように、気を付けたほうがいいわ」
「アズキだから、大丈夫です」
頭上から眩い笑顔を返されるが、そういえば膝枕されているのだった。
もう一度体を起こそうと試みるが、クライヴの指一本であえなく元の体勢に戻った。
「いや。そりゃあ、私は豆の聖女ってことで特別扱いされるかもしれないけど」
「違いますよ。アズキなら、誤解されてもかまわないという意味です」
「……はい?」
何を言われているのかわからず聞き返すが、ミントグリーンの瞳は細められたままだ。
「まだ時間がかかりますから、もう少し眠っていてください」
そう言って、クライヴの手のひらがあずきの視界を覆う。
不思議とあっという間に眠くなったあずきは、そのまま意識が遠のいていった。
だとしたら、王宮であずきが渡した豆だけで今まで凌いでいたのか。
こんな風に言うからには、もしかすると豆成分不足が限界ギリギリなのかもしれない。
「豆は届いていましたが。アズキから直接補給したいです」
なるほど。
豆だけよりも、あずきのほうが豆成分の補給効率がいいのだろう。
となれば、クライヴが羊羹男の歌を歌いだす前に、補給してもらったほうが良さそうだ。
「新鮮な豆成分ってことね? なら仕方ないけど。……でも、疲れるでしょう?」
「そう思うのなら、俺の首に手を回してもらえると助かります」
「やっぱり疲れるんじゃない。だったら、手を繋げばいいわ」
「嫌です」
「何でよ」
豆成分はあずきと手を繋げば補給できるのは、わかっている。
わざわざ苦痛を伴う方法を選ばなくてもいいだろうに。
「アズキが王宮を出て今日まで、ずっと心配していました。ようやく会えたんです。……離したくない」
ミントグリーンの瞳に至近距離で見つめられ、あずきの鼓動が大きく跳ねた。
これも、演技なのだろうか。
もう、よくわからない。
わかるのは、たとえ演技だとしても嬉しいと感じてしまっている自分の心だ。
クライヴが心配するのは、豆原あずきではなくて、豆の聖女。
勘違いをしてはいけない。
そう思うのに、甘い罠のようにクライヴの言葉があずきを捉えていく。
「ちょっとだけ、よ。あとはおろしてね」
自分に言い訳をしながらクライヴの首に手を回すと、ミントグリーンの瞳が楽し気に細められる。
必要以上にクライヴに接触しては、嫌な思いをさせてしまう。
そう思って腕に力を入れてできるだけ触れないようにしていたのだが、緊張は長くは続かない。
しかも暗い森の中をゆらゆらと揺れて移動しているせいで、だんだんと眠くなってきた。
「クライヴ」
「何ですか?」
「おろして」
「嫌ですよ」
笑顔で即答されたあずきは、小さく息を吐いた。
「あのね。ちょっと眠くなってきちゃったの。歩くから、おろして」
「眠っていいですよ」
「駄目よ。人は寝たら重くなるの。前にも言わなかった?」
「前にも言いましたよね。大丈夫だから、眠ってください」
頑として聞いてくれないクライヴに、あずきも呆れてしまう。
「頑固者」
「はい」
「豆馬鹿」
「はい」
「……助けに来てくれて、ありがとう」
「はい。おやすみなさい、アズキ」
優しい笑みを向けられて安心すると、さらなる眠気があずきを襲う。
もう駄目だ、目が開かない。
でも、こうしてクライヴに抱かれていると、何故だかとても落ち着く。
そのまま、あずきは夢の世界に旅立った。
次に気が付くと、目の前にクライヴの顔があった。
「――ぎゃあああ!」
「アズキ」
思わず絶叫して飛び起きようとすると、目が回ってしまい何かからずり落ちそうになる。
咄嗟にクライヴが手を伸ばして支えてくれたのだが、その結果あずきを抱きしめるような形になってしまい、さらなる悲鳴がこだまする。
「何? 何なの? ここ、どこ?」
羞恥と混乱からびくびくと震えていると、クライヴは苦笑しながらあずきの頭を撫でた。
「……馬車?」
どうやらここは馬車の中らしいが、一体どういうことだろう。
それに、何故クライヴの顔が目の前にあったのだろうか。
ようやく落ち着きを取り戻すと、横になった自分の目の前……というか上に、クライヴの顔があることに気付く。
これはつまり、膝枕というやつではないのだろうか。
驚いて飛び起きようとするあずきの額を、クライヴの指が押さえる。
上手く力が入らずそのまま頭をおろすと、金髪の美少年が満足そうに微笑んだ。
「疲れているんですよ。このまま、休んでください」
そうは言っても、クライヴに膝枕をされているのだから体は休めても心が休めない。
「でも……あれ? 神殿に向かっていなかった?」
「一度は戻りましたよ? ですが、着替えをして、すぐに出発しています」
「着替え?」
自分の体を見てみれば、ワンピースから真っ白な神官服に変わっていた。
「え? 誰が着替えさせたの?」
「もちろん、女性神官ですよ」
それはそうか。
一瞬でもクライヴが着替えさせたのかと思った自分が恥ずかしい。
いや、女性神官でも恥ずかしいことには変わりはないのだが、恥ずかしさの質が違う。
「アズキ、これを」
そう言って手に渡されたのは、黄緑色の豆ケースだった。
「あ、私の。拾ってくれたの? ありがとう」
「俺からのプレゼントですから。神殿に置いては行けません」
「そうだ。ポリーに聞いたんだけど、豆ケースって普通はあまりプレゼントしないんでしょう? 意外と便利だし可愛いけど、誤解されるようなことは控えたほうがいいと思うよ」
ただでさえクライヴは容姿に恵まれている王子様だ。
何もしなくても勘違いされかねないので、用心したほうがいいだろう。
「ナディア嬢のことは関係ない、と説明しましたよね?」
「そうじゃなくて。親しい人や家族や恋人に贈るものなんでしょう? それこそナディアさんみたいに誤解されないように、気を付けたほうがいいわ」
「アズキだから、大丈夫です」
頭上から眩い笑顔を返されるが、そういえば膝枕されているのだった。
もう一度体を起こそうと試みるが、クライヴの指一本であえなく元の体勢に戻った。
「いや。そりゃあ、私は豆の聖女ってことで特別扱いされるかもしれないけど」
「違いますよ。アズキなら、誤解されてもかまわないという意味です」
「……はい?」
何を言われているのかわからず聞き返すが、ミントグリーンの瞳は細められたままだ。
「まだ時間がかかりますから、もう少し眠っていてください」
そう言って、クライヴの手のひらがあずきの視界を覆う。
不思議とあっという間に眠くなったあずきは、そのまま意識が遠のいていった。
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