私の居場所

AKO

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022 10年後の再会の後

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再会は普通に果たせたが、翌朝、こうちゃんには異変が起きた。

胸が苦しい。
呼吸が整わない。
何が原因なのか、直接的にはわからない。

みーたんに会ったことで、封印された記憶の扉が少し開きかけたのかもしれない。
いや、そうに違いない。

こうちゃんには記憶がないので自覚もあるわけがないが、医学に頼らずに精神力のみで乗り越えた、あれだけの強烈な鬱病。
正確には診断を受けていないとはいえ、いつ自殺してもおかしくなかった。
良く耐えた。

あの時、彼を表で支えたのは、卒業後に知り合った人たちであった。彼の過去を一切知らない人たちに囲まれたおかげであった。
地元にいなかったことも奏功したのであろう。

しかし今は彼らもいない。

こうちゃんは考えた。

「やはり会ってはいけなかったのか。でも止められないこの気持ちをどうすれば。」

教えてもらったメールアドレスに連絡をした。
いや、してしまった。

「もし2人で会ってくれるなら、万難を廃して時間を作ります。」

みーたんから返信が来るまで、何百回とメールチェックをした。

返信が来た。

「久しぶりに連絡が取れて嬉しいです。とても懐かしかった。幸せになっていて良かった。現実世界に戻り、またあのような機会を楽しみましょう。」

どちらとも取れる内容に、こうちゃんは悩んだ。
相当悩んだ。

「会いたい」という強い気持ちが自身の中に強く沸き上がるのを感じた。
どんどん息苦しくなってくる。

1人の時間で良かった。
家族に見られたら、何事かと思われるほどに震えた。

目が覚めた。
気を失っていたようだ。

彼の精神力か、彼の防御本能かはわからないが、「返信しない」という選択をすることができた。

しかし彼は、次の再会が楽しみな反面、恐さも知ることとなった。
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