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神殿編
2.
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「書けたよ」
記入済みの紙をノインくんに返す。
「ありがとうございます。ふむ。ロングヘアの長身スレンダー美人がお好みですね!」
うん。そうだけど、声に出して読まないでね。個人情報保護厳守でお願いします。
「話の合う人をご希望ですか。なるほど、これならピッタリの神がおります!交渉はすぐされますか?」
「そうなの? それは嬉しいな」
何だかんだ言ったけど、やっぱり美人さんとお話したい。
「では、すぐご案内しますね」
長い長い廊下をノインくんを連れて歩く。
どこまでも終わりが見えない。
「ねぇ、訊いてもいい?」
「はい、何かご不明な点がありますか? なんでもお聞きください」
「これって俺の夢だよね? 随分歩いたけど、一気に目的地まで行けたりしない?」
「夢ですか。ここは、牧野様の夢の世界ではありませんよ。案内係から説明しませんでしたか?」
「何も聞いてないけど……」
「そうですか、失礼しました。ーーここは、死後裁判非該当者のための神殿です」
「死後裁判非該当者?」
「通常、人間は死後、裁判を受け、天国または地獄に行きます。ですが、稀に様々な理由でその対象とならない死者がおりまして。例えば、見ず知らずの人間を庇って死亡したり、善行を重ね続けて老衰したり」
「つまり、良い人ってこと?」
「いえ、そうではありません。心根は関係ないのです。行いが結果として善かったものが選ばれるんです。なので時々、クズもいます」
「クズ……」
「はい!性格は最悪でも、善い行いをするものいますし、その逆も。後者は普通に死後裁判を受けてもらっています」
「結構辛辣だね。って、まさか俺も死んでるの?!」
「はい」
マジで?! 死んだの?
ここに来る前ってどうしてたっけ。
定時で上がって買い物して家に帰るところで……公園近くで子どもが飛び出して来て。
そっか、あの時死んだのか。
繁忙期、終わってて良かったな。
うん、と頷くとノインくんが呆れたような目でこちらを見上げて来る。
「やっとですか。もうお通夜もお葬式も終わって火葬も済んでいるみたいですよ」
「え、えぇ……もう全部終わってるじゃん」
お骨になっちゃったのかー。
「お悔やみ申し上げます」
「それ、笑顔で本人に言うセリフじゃないよね。ちなみにさ、俺以外のことも分かるの?」
「と、いうと?」
「俺が庇った子ども。生きてる、かな」
ちょっとドキドキしながら訊いてみる。
死んだのは仕方ないけど、無駄死には嫌だし、あんな小さいうちに死んでほしくない。
「はい。手足に少し怪我をしましたが、もう元気になってます。あなたのお葬式にお母さんと一緒に来てましたよ」
「そっか。なら良かった。ーーで、俺は異世界に転生すんのか?」
過去は過去。死んだものはもうしょうがない。
幸い、新しく貰える未来がある。
「牧野様の場合は、転移の予定です。生まれ直しはせずに、今のまま、異世界へ行って頂きます」
「転移かぁ。なら、ほぼこの身体のままで移動するってことか。どうせならイケメンに生まれ変わって見たかったな」
ザ・平均顔はもう飽きた。
「残念です」
「言ってみただけだよ。で、まだ着かないの」
「いいえ、ちょうど着きました。このドアの向こうに牧野様を担当する神がおります。では、私はここまでです」
「そうなの。なんか、寂しいな」
お喋り楽しかったのに。
「そう言ってもらえて嬉しいです。実り多き交渉を願っております」
「ありがとう。お仕事頑張ってね」
いいよ、このドアの向こうの!
ロングヘアの長身スレンダー美人の神様とご対面!
楽しいスキル&ギフト交渉!
ワクワクしながらドアをあけると。
「待っていたぞ」
銀髪イケメン様が不機嫌な顔で仁王立ちしていた。
率直に言って怖いっ
神様ってか魔王サマじゃない?
「すみません、部屋を間違えました」
パタンと開けたばかりのドアを閉じた。
ノインくーーーーん?!
お部屋間違えちゃったみたいだよ?
長い廊下を見てももうそこにノインくんの姿はなかった。
隣のドアを開けてみようか、元来た道を戻ろうか。
悩んでいると、閉じたはずのドアが開いた。
現れたのはもちろん、さっきの銀髪魔王サマ。
「げっ」
「なんだその反応は。お前は牧野友也だろう」
「俺をご存知なんですか?」
「当然だ。待っていたと行っただろう。お前の部屋はここで合ってる」
「嘘だ……」
「嘘じゃない。とにかく入れ」
イケメン魔王サマの肩に担ぎ上げられ、強引に部屋の中へ連れて入られた。
「うぅ……ノインくんの嘘つき……ロングヘアの長身スレンダー美人って言ったのに」
「人の部下を嘘つき呼ばわりするな。条件通りだろう」
ポンポンと尻を叩かれる。
「ロングヘアだけど!」
「背も高いぞ」
「そうですね!」
「胸はないし、太ってもいないな」
「そうですね!」
「美しくないか?」
「美しいですけど!!」
そう叫んだ途端、ドサリと降ろされた。
柔らかい感触に全身を受け止められる。
え、ベッド??
「なら問題ないな。交渉を始めるぞ」
そう言って魔王な神サマは俺の口をキスで塞いだ。
記入済みの紙をノインくんに返す。
「ありがとうございます。ふむ。ロングヘアの長身スレンダー美人がお好みですね!」
うん。そうだけど、声に出して読まないでね。個人情報保護厳守でお願いします。
「話の合う人をご希望ですか。なるほど、これならピッタリの神がおります!交渉はすぐされますか?」
「そうなの? それは嬉しいな」
何だかんだ言ったけど、やっぱり美人さんとお話したい。
「では、すぐご案内しますね」
長い長い廊下をノインくんを連れて歩く。
どこまでも終わりが見えない。
「ねぇ、訊いてもいい?」
「はい、何かご不明な点がありますか? なんでもお聞きください」
「これって俺の夢だよね? 随分歩いたけど、一気に目的地まで行けたりしない?」
「夢ですか。ここは、牧野様の夢の世界ではありませんよ。案内係から説明しませんでしたか?」
「何も聞いてないけど……」
「そうですか、失礼しました。ーーここは、死後裁判非該当者のための神殿です」
「死後裁判非該当者?」
「通常、人間は死後、裁判を受け、天国または地獄に行きます。ですが、稀に様々な理由でその対象とならない死者がおりまして。例えば、見ず知らずの人間を庇って死亡したり、善行を重ね続けて老衰したり」
「つまり、良い人ってこと?」
「いえ、そうではありません。心根は関係ないのです。行いが結果として善かったものが選ばれるんです。なので時々、クズもいます」
「クズ……」
「はい!性格は最悪でも、善い行いをするものいますし、その逆も。後者は普通に死後裁判を受けてもらっています」
「結構辛辣だね。って、まさか俺も死んでるの?!」
「はい」
マジで?! 死んだの?
ここに来る前ってどうしてたっけ。
定時で上がって買い物して家に帰るところで……公園近くで子どもが飛び出して来て。
そっか、あの時死んだのか。
繁忙期、終わってて良かったな。
うん、と頷くとノインくんが呆れたような目でこちらを見上げて来る。
「やっとですか。もうお通夜もお葬式も終わって火葬も済んでいるみたいですよ」
「え、えぇ……もう全部終わってるじゃん」
お骨になっちゃったのかー。
「お悔やみ申し上げます」
「それ、笑顔で本人に言うセリフじゃないよね。ちなみにさ、俺以外のことも分かるの?」
「と、いうと?」
「俺が庇った子ども。生きてる、かな」
ちょっとドキドキしながら訊いてみる。
死んだのは仕方ないけど、無駄死には嫌だし、あんな小さいうちに死んでほしくない。
「はい。手足に少し怪我をしましたが、もう元気になってます。あなたのお葬式にお母さんと一緒に来てましたよ」
「そっか。なら良かった。ーーで、俺は異世界に転生すんのか?」
過去は過去。死んだものはもうしょうがない。
幸い、新しく貰える未来がある。
「牧野様の場合は、転移の予定です。生まれ直しはせずに、今のまま、異世界へ行って頂きます」
「転移かぁ。なら、ほぼこの身体のままで移動するってことか。どうせならイケメンに生まれ変わって見たかったな」
ザ・平均顔はもう飽きた。
「残念です」
「言ってみただけだよ。で、まだ着かないの」
「いいえ、ちょうど着きました。このドアの向こうに牧野様を担当する神がおります。では、私はここまでです」
「そうなの。なんか、寂しいな」
お喋り楽しかったのに。
「そう言ってもらえて嬉しいです。実り多き交渉を願っております」
「ありがとう。お仕事頑張ってね」
いいよ、このドアの向こうの!
ロングヘアの長身スレンダー美人の神様とご対面!
楽しいスキル&ギフト交渉!
ワクワクしながらドアをあけると。
「待っていたぞ」
銀髪イケメン様が不機嫌な顔で仁王立ちしていた。
率直に言って怖いっ
神様ってか魔王サマじゃない?
「すみません、部屋を間違えました」
パタンと開けたばかりのドアを閉じた。
ノインくーーーーん?!
お部屋間違えちゃったみたいだよ?
長い廊下を見てももうそこにノインくんの姿はなかった。
隣のドアを開けてみようか、元来た道を戻ろうか。
悩んでいると、閉じたはずのドアが開いた。
現れたのはもちろん、さっきの銀髪魔王サマ。
「げっ」
「なんだその反応は。お前は牧野友也だろう」
「俺をご存知なんですか?」
「当然だ。待っていたと行っただろう。お前の部屋はここで合ってる」
「嘘だ……」
「嘘じゃない。とにかく入れ」
イケメン魔王サマの肩に担ぎ上げられ、強引に部屋の中へ連れて入られた。
「うぅ……ノインくんの嘘つき……ロングヘアの長身スレンダー美人って言ったのに」
「人の部下を嘘つき呼ばわりするな。条件通りだろう」
ポンポンと尻を叩かれる。
「ロングヘアだけど!」
「背も高いぞ」
「そうですね!」
「胸はないし、太ってもいないな」
「そうですね!」
「美しくないか?」
「美しいですけど!!」
そう叫んだ途端、ドサリと降ろされた。
柔らかい感触に全身を受け止められる。
え、ベッド??
「なら問題ないな。交渉を始めるぞ」
そう言って魔王な神サマは俺の口をキスで塞いだ。
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