リスタート 〜嫌いな隣人に構われています〜

黒崎サトウ

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番外編(3)

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 ぼすんとソファに寝かせると、千秋はきゅっと抱きついてきた。

「んー……」

 ぐりぐりと肩に頭を擦り付ける千秋。普段は絶対しないような甘えるような仕草に意味のわからない感情が湧いて出てきたが、とりあえず落ち着けと軽く深呼吸をした。

「まずはキス?」

「ん……」

 力の入ってない千秋を引き寄せて、赤くほてった唇にキスをする。千秋の唇たまらねえ、なんて変態じみたことを思うのも今回だけではない。間違えて口に出してしまったときには千秋にどんな目を向けられることか。

 そのままその感触を堪能していると、ぐいぐいと体を押される。

「……ん、どうした?」

 離れて顔をみると、少し息を荒くした千秋が「あ」と少し口を開けた。

 ……やばい、ダイレクトにきた。

「深いチューしたいの?」

「い、から……」

 今度はぐいぐいと引っ張られる。さすがに我慢できなくなって、その口に舌を忍び込ませた。千秋の好きなキスをしてやる。

「んぅ……は、あ……」

 そのまま、千秋のきているトレーナーをたくし上げていく。

「んっ……脱ぎますか?」

「じゃあ一回脱ぐか」

 頷いて、英司に体を預ける千秋。この千秋を脱がす行為は何度やっても飽きない。

 上も下も全て剥いでしまうと、部屋で一人、英司の下で千秋だけが何も纏わない姿になった。これが可愛い、興奮する。

「柳瀬さん……」

「千秋、触るぞ」

「ん……っ」

 ぷくっと控えめに突き出た乳首を愛でたり、至る箇所にキスを落としたり、普段は怒られるけどキスマークをつけたり。

 英司が触れていくたびに千秋の体が熱くなって、しばらくすればもうすっかり溶けてしまいそうな顔になっていた。

「千秋、指入れるぞ」

 熱帯びた体を抱き寄せて、そこにゆっくり指を入れていく。

「あ……っ」

 千秋のそこはいつもよりも熱くなっている。いつも期待するように吸い付いてくること、千秋は気付いているのだろうか。とにかく早く千秋が気持ちよがる顔が見たいと思って、指を撫でるように動かした。

「んっ、あ……」

 口をだらりと開けて、快感に身を委ね始める瞬間の千秋を見るのが好きだ。今日は指で一回いってもらいたい。

「あ……!や、そこ……」

「や?」

「ち、ちが……っ」

 支離滅裂になってしまう千秋。意地悪したい気持ちが芽生えてくるが、今日は千秋をどっぷり気持ち良くさせることが最優先だと自分を戒める。

「あっ、あ、んー……っ」

「きもちいいな?」

「ん、うんっ……」

 足をぐーっと伸ばして快感に耐える姿に、英司も自然と息を飲んだ。リミッターが外れて、いつもより大胆な感じ方になっている。

「も、い……あ……っ!」

 最後は、背中をそらしていってしまった。肩で息しながら、ぼーっと宙を見つめる千秋にキスを落とす。

「ん……」

 英司に気づいて焦点を合わせると、甘えるように唇を這わせてきた。

「千秋、まだがんばれる?」

「うん……」

 潤んだ目でじっと見つめられて、自分もさすがに限界であることを悟る。

 体勢を整えて、自身のものをあてがうと、まだいれてないうちに千秋が少し喘いだ。

 その声に完全に煽られて、英司はずぶずぶと腰を沈めていく。

「はあ……千秋、平気か?」

「あ……だめ、きもち、です……っ」

 さっきいったばかりで辛いかと思ったが、敏感になってるせいで中の収縮が激しい。熱くて、避け切っているようだった。これはまずい、もたないかもしれない。

「動くぞ」

「ん、あ……っ、んん……」

 正面から抱きしめると、千秋の体が熱くて肌が心地よくてとんでもなく満たされた。いつも英司のために料理をつくってくれるその手が体にしがみつく。

「あー……っ、も、だめ、えーしくん……」

「っ……千秋」

 たまのたまに、ほんのたまに、中学の頃のように英司くんと呼ばれると、どうもたまらない気持ちになる。舌足らずな言い方余計それを助長させていると思う。

「また、いっちゃ、あ……っ」

「うん、俺ももうもたない……」

 お互いこれでもかというほど抱き合って、お互いだけを感じる。

 二人して達してしまうと、冬だというのに暖房の効いた部屋では汗だくになっていた。

 名残惜しくてまたキスを繰り返していると、

「柳瀬さん、もう一回……」

 とレアな千秋からの誘い。

 達した後の千秋はものすごく可愛くて、ただでさえ毎回ここで終わることができない。なのに千秋からねだられたとなれば、甘く甘く愛でてやりたいのにもう手加減はできなくなるだろう。

 英司は収まるはずのない興奮を落ち着かせるために、一度長く息を吐いた。

 ……本当に、千秋は俺を困らせる天才だ。
 






 ────翌日、目覚めた千秋が真っ赤に顔を染めて、しばらく布団から出てこなかったことは言うまでもない。


【番外編・完】
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