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流れ星が流れていく。庭の植木が闇に同化している。暗闇でお互いの顔が見えないのに、祐樹と両親の話し声が聞こえる。談笑をしているようだ。武藤の手のひらではポチが息遣いで動くふわふわの毛を感じる。ポチが隣にいて星を見ていた。武藤はポチにはわからないだろうなと思った。そんな夢を武藤は見ていたが、意識が浮上したように目が覚めた。
鈴虫が鳴っている。りんりんと羽のこすれる音が外から聞こえる。あべこべの世界の法則で、武藤の心が波紋のように影響して、化け物の世界で鈴虫が鳴いているのか。静かな夜に響く。
今、みんなはどうしているだろうか。母はこの世の終わりみたいな顔をしているのかも。祐樹は寝込んでいる。助けてくれる人はいない。
武藤は止められない思考の海に落ちるようだと思った。こういうとき、自分を責めてしまう。自分を責めて落ち着く。このような現状、白木の愛玩になった原因は、自分のせいだと思う。白木の気持ちを気がつかないで、武藤は白木に対して、愛玩になることへの恐れを忘れていた。ただ言われたとおりに、感情を与えていた。もし対策、誰かに相談していたら、変わっていた。しかし、武藤は周りを拒絶した。しかし、白木にも問題がある。武藤が白木の気持ちに見落とした理由は、白木が好きという気持ちを言葉として武藤に伝えなかったからだ。それだけずるいということなのだ。あえて好意を伝えなかったのか。
わなに引っかかる武藤だ。自分を責め立てるような思考は、意味がないと気がついた。しかし、自分を責めたい。
なぜ白木の気持ちに気がつかない。
なぜ白木の愛しいと思う視線を受け入れた。
それが自分だから仕方がないと言えばそうなのだろう。自分が思っているより、武藤は白木を利用しているのではと、とっさに思った。
自分の思考にぎょっとした。白木を利用して、自分をいじめているのでは。そうすれば楽になれる。なにから? と武藤は思った。
白木の気持ちに気がつかないことを自分で責めて、自分が愛玩になった、こうなった現状を受け入れるためでは。愛玩から逃げることを考えていない。現実逃避して、今を考えていない。
今までは武藤が自分の魅力があることを受け入れず、人を避ける。人を避けて、自らから孤独に生きている人間がなにを思うのか、武藤は自分に対して、批判をする。自分が人を渇望しているのはわかっている。人間とは社会で生きている。
それと武藤も白木も、武藤の自信がないことを利用している。
武藤はいじめにより自分の魅力がないと勝手に思い込み、化け物が見える自分に普通の人間ではないと自信がなく、人を避ける理由にしている。白木には武藤しかいないという言葉は、うそかも。白木は武藤に自信がないことを利用して、武藤の心に近づく、そうして愛玩にした。それなのに武藤は。武藤はそこまで考えてハッとした。
このまま流されていいのかと思った。宮古のことを思い出す。宮古は姫と呼ばれる化け物に愛玩された男だ。武藤が救えなかった人間だ。
宮古が愛玩になって幸せそうに姫の膝に顔をうずめる姿が脳裏に浮かぶ。
姫はそれでいいのかと、そのとき武藤は思った。愛玩にすれば、自分の思い通りにできる。それは人形と変わらないでは。人間の理屈なんか、化け物には通じないだろう。それでも、本当に宮古が無意識に姫と一緒にいたいと思ったから、新しい名前を姫に名付けられなかった、姫を服従させられなかった。普通の人間では無理だとわかっている。それだけ、姫の力が強いのだろう。それも姫に対する恐れがあった。
ここの世界はあべこべで、意思の力がそのとおりになると白木が言っていた。ならば、宮古の心の奥底がそれをしたかったのだろうか。ゆがんだ形で。
それは武藤にも言える。今、この世界で白木を拒絶すればできるのでは? しかし、武藤は白木を拒絶しない、無意識で愛玩になったことを受け入れた心があり、白木に対してなんらかの感情が生まれている。武藤は感情に流されている証拠だ。
「なんだ、起きているのか?」
唐突に声がした。白木の声だと脳が感知する前におびえていた武藤がいた。ここは化け物の世界である。それは確かだ。白木以外の化け物があらわれたと思って、武藤はおびえていたのだ。
子どもが親の保護を求めていることを白木にも求めているのかもと武藤は分析した。
白木は裸だった。なぜと武藤は思った。白木は自分の姿に気がついた。ああ、と白木は声を出した。
「おまえがそうさせた」
「そんなわけがない」
「いいよ。ようやくやる気になったか。嬉しいぞ」
「だから」
「俺が言うのか?」
「は?」
武藤はおびえた。傷つく、自分が聞きたくない事実を言われるのではないかと気がついたからだ。
「やめろ」と武藤は叫んでいた。
「あっ」と白木は声を出した。白木に腕をつかまれたのだ。白木の声は弱々しい声だった。武藤の体に傷ができている、すり傷のように赤くなり、血が出ていると白木が言った。ようやく、体の痛みが武藤の肌に走った。
「自分をいじめたのか」
白木の問いかけに武藤はなにが言いたいのが、わからなかった。武藤はしばらく痛みにこらえている。
「俺は武藤を傷つくことをのぞんでいない」
と、白木はつぶやいた。武藤は目を細めた。白木が武藤に対してあきれているのかと武藤は思った。
「人間は傷ついたときに手当をする」
明かりがつく。武藤の産まれときの姿のままだ。痛いと思う部位を見れば赤く血がにじんでいる。白木はどこから出したか、わからないが、脱脂綿を取り出して、それに消毒液らしきものをつける。
ふわふわの綿を見ると祐樹を思い出す。いつもいじめられて、体に傷を作ったときに保健室でこうしてくれた。先生が心配してくれて、泣きそうになった武藤を祐樹は黙って見ていた。夕日が差し込み、誰もいない、消毒液のにおいが充満する保健室で静かに、しかることもせずに、祐樹は消毒液で傷を手当てするだけだった。消毒液のにおいが鼻にツンと刺激するのか、誰もいないことで感情がゆるむことにむりやり、ポチの話して隠す。手当なんて一人でもできる。武藤が周りの同情を引きたいために、祐樹にさせているといじめた人間が言っていた。おもりはかわいそうだと。
「武藤は自分を優しくしないと」
なにが言いたいとは武藤は言わなかった。祐樹の思い出が心を乱していることは確かで、ただの思い出したくないと脳にあらがっている武藤がいた。武藤にとって、祐樹が光だと思っていた。そう信じていた。
「苦しいのか?」
「俺は祐樹に嫉妬していた」
「ふうん」
「見下されているのでは。そんなことは当時、思わなかった」
「また傷がついている」
今度は皮膚に切り傷ができている。赤い血がたれそうになる。
脱脂綿でそのまま、白木は止血する。強い力で痛いくらいだ。武藤は自分が子どもに戻った気分になった。それは怖かったからだ。白木が。風船のように、ヒモを離せば簡単に空へ帰っていく。祐樹もそうだった。武藤は手放せば簡単に離れていく。今まで一緒にいても、すれ違っても話しかけない。祐樹と武藤のお互いに住む世界が違う。
武藤の世界が孤独なら、祐樹がいる世界は光に満ちている。
いきなり、白木が武藤の手をにぎった。
「俺は絶対に武藤から離れない」
「困った」
嬉しかったのか、と武藤はにじむ視界で思う。なぜ、自分が言ってほしい言葉を与えてくる化け物に、心を許そうとする。武藤が白木を憎く思わないためとわかる。武藤の血は止まったが、脱脂綿で傷口を当てて、テープで止める。優しくされたと武藤は思った。白木の思い通りにさせるのかと武藤は思う。
「白木」と武藤は白木を呼んだ。
「なんだ」
「ここはあべこべなんだろう?」
「抱いてくれなんて言うな」
なぜか白木が泣きそうになる。白木のことがわからないから武藤は困惑する。さっきは抱こうとしていたのではないか。
「それは、自分を傷つける」
忘れるために存在しているわけではないと言われた。白木が言っていること。祐樹を忘れるために、抱かれることは許さないと言いたいのだろうか。今からつらいことから逃げるために、白木を使うことを拒絶されたのだ。
白木の手が伸びる。ゆっくりと武藤の髪を触る、長い髪は受け入れて、皮膚に触れる。顔に触れる。丸くもない。乾燥した皮膚に吸い付くように白木の手が滑る。優しくて、勘違いしそうになる。白木が優しく、なだめるように触る。忘れそうになる。本当は忘れていたい自分がいることに気がついた。
「おまえの目を見せなくていいのか」
「必要がない」
白木が答える。白木の目はなにかを忘れさせるためのものだと解釈している。黒い目に閉じ込められて、どんな自分も受け入れていられるらなにもなく、有と無もない世界に閉じ込められるのだ。武藤は悲しいのだ。そうかと武藤はつぶやく。
「苦しい」
武藤は皮膚になにかをかけられた。白木が服を出した。どこから出したのか。いつも不思議に思う。悲しい気持ちになるのに、なぜか、武藤は笑った。
「魔法みたいだな」
「化け物だからな」
少しだけなら白木を信じてみたいと武藤は思った。それとも、武藤に白木が子どものように見えた。なぜか。泣きそうな白木に昔の祐樹を見た。いつも保健室に行くとき、泣きそうになる武藤に悲しみを感じ、耐えてくれていた祐樹に。
鈴虫が鳴っている。りんりんと羽のこすれる音が外から聞こえる。あべこべの世界の法則で、武藤の心が波紋のように影響して、化け物の世界で鈴虫が鳴いているのか。静かな夜に響く。
今、みんなはどうしているだろうか。母はこの世の終わりみたいな顔をしているのかも。祐樹は寝込んでいる。助けてくれる人はいない。
武藤は止められない思考の海に落ちるようだと思った。こういうとき、自分を責めてしまう。自分を責めて落ち着く。このような現状、白木の愛玩になった原因は、自分のせいだと思う。白木の気持ちを気がつかないで、武藤は白木に対して、愛玩になることへの恐れを忘れていた。ただ言われたとおりに、感情を与えていた。もし対策、誰かに相談していたら、変わっていた。しかし、武藤は周りを拒絶した。しかし、白木にも問題がある。武藤が白木の気持ちに見落とした理由は、白木が好きという気持ちを言葉として武藤に伝えなかったからだ。それだけずるいということなのだ。あえて好意を伝えなかったのか。
わなに引っかかる武藤だ。自分を責め立てるような思考は、意味がないと気がついた。しかし、自分を責めたい。
なぜ白木の気持ちに気がつかない。
なぜ白木の愛しいと思う視線を受け入れた。
それが自分だから仕方がないと言えばそうなのだろう。自分が思っているより、武藤は白木を利用しているのではと、とっさに思った。
自分の思考にぎょっとした。白木を利用して、自分をいじめているのでは。そうすれば楽になれる。なにから? と武藤は思った。
白木の気持ちに気がつかないことを自分で責めて、自分が愛玩になった、こうなった現状を受け入れるためでは。愛玩から逃げることを考えていない。現実逃避して、今を考えていない。
今までは武藤が自分の魅力があることを受け入れず、人を避ける。人を避けて、自らから孤独に生きている人間がなにを思うのか、武藤は自分に対して、批判をする。自分が人を渇望しているのはわかっている。人間とは社会で生きている。
それと武藤も白木も、武藤の自信がないことを利用している。
武藤はいじめにより自分の魅力がないと勝手に思い込み、化け物が見える自分に普通の人間ではないと自信がなく、人を避ける理由にしている。白木には武藤しかいないという言葉は、うそかも。白木は武藤に自信がないことを利用して、武藤の心に近づく、そうして愛玩にした。それなのに武藤は。武藤はそこまで考えてハッとした。
このまま流されていいのかと思った。宮古のことを思い出す。宮古は姫と呼ばれる化け物に愛玩された男だ。武藤が救えなかった人間だ。
宮古が愛玩になって幸せそうに姫の膝に顔をうずめる姿が脳裏に浮かぶ。
姫はそれでいいのかと、そのとき武藤は思った。愛玩にすれば、自分の思い通りにできる。それは人形と変わらないでは。人間の理屈なんか、化け物には通じないだろう。それでも、本当に宮古が無意識に姫と一緒にいたいと思ったから、新しい名前を姫に名付けられなかった、姫を服従させられなかった。普通の人間では無理だとわかっている。それだけ、姫の力が強いのだろう。それも姫に対する恐れがあった。
ここの世界はあべこべで、意思の力がそのとおりになると白木が言っていた。ならば、宮古の心の奥底がそれをしたかったのだろうか。ゆがんだ形で。
それは武藤にも言える。今、この世界で白木を拒絶すればできるのでは? しかし、武藤は白木を拒絶しない、無意識で愛玩になったことを受け入れた心があり、白木に対してなんらかの感情が生まれている。武藤は感情に流されている証拠だ。
「なんだ、起きているのか?」
唐突に声がした。白木の声だと脳が感知する前におびえていた武藤がいた。ここは化け物の世界である。それは確かだ。白木以外の化け物があらわれたと思って、武藤はおびえていたのだ。
子どもが親の保護を求めていることを白木にも求めているのかもと武藤は分析した。
白木は裸だった。なぜと武藤は思った。白木は自分の姿に気がついた。ああ、と白木は声を出した。
「おまえがそうさせた」
「そんなわけがない」
「いいよ。ようやくやる気になったか。嬉しいぞ」
「だから」
「俺が言うのか?」
「は?」
武藤はおびえた。傷つく、自分が聞きたくない事実を言われるのではないかと気がついたからだ。
「やめろ」と武藤は叫んでいた。
「あっ」と白木は声を出した。白木に腕をつかまれたのだ。白木の声は弱々しい声だった。武藤の体に傷ができている、すり傷のように赤くなり、血が出ていると白木が言った。ようやく、体の痛みが武藤の肌に走った。
「自分をいじめたのか」
白木の問いかけに武藤はなにが言いたいのが、わからなかった。武藤はしばらく痛みにこらえている。
「俺は武藤を傷つくことをのぞんでいない」
と、白木はつぶやいた。武藤は目を細めた。白木が武藤に対してあきれているのかと武藤は思った。
「人間は傷ついたときに手当をする」
明かりがつく。武藤の産まれときの姿のままだ。痛いと思う部位を見れば赤く血がにじんでいる。白木はどこから出したか、わからないが、脱脂綿を取り出して、それに消毒液らしきものをつける。
ふわふわの綿を見ると祐樹を思い出す。いつもいじめられて、体に傷を作ったときに保健室でこうしてくれた。先生が心配してくれて、泣きそうになった武藤を祐樹は黙って見ていた。夕日が差し込み、誰もいない、消毒液のにおいが充満する保健室で静かに、しかることもせずに、祐樹は消毒液で傷を手当てするだけだった。消毒液のにおいが鼻にツンと刺激するのか、誰もいないことで感情がゆるむことにむりやり、ポチの話して隠す。手当なんて一人でもできる。武藤が周りの同情を引きたいために、祐樹にさせているといじめた人間が言っていた。おもりはかわいそうだと。
「武藤は自分を優しくしないと」
なにが言いたいとは武藤は言わなかった。祐樹の思い出が心を乱していることは確かで、ただの思い出したくないと脳にあらがっている武藤がいた。武藤にとって、祐樹が光だと思っていた。そう信じていた。
「苦しいのか?」
「俺は祐樹に嫉妬していた」
「ふうん」
「見下されているのでは。そんなことは当時、思わなかった」
「また傷がついている」
今度は皮膚に切り傷ができている。赤い血がたれそうになる。
脱脂綿でそのまま、白木は止血する。強い力で痛いくらいだ。武藤は自分が子どもに戻った気分になった。それは怖かったからだ。白木が。風船のように、ヒモを離せば簡単に空へ帰っていく。祐樹もそうだった。武藤は手放せば簡単に離れていく。今まで一緒にいても、すれ違っても話しかけない。祐樹と武藤のお互いに住む世界が違う。
武藤の世界が孤独なら、祐樹がいる世界は光に満ちている。
いきなり、白木が武藤の手をにぎった。
「俺は絶対に武藤から離れない」
「困った」
嬉しかったのか、と武藤はにじむ視界で思う。なぜ、自分が言ってほしい言葉を与えてくる化け物に、心を許そうとする。武藤が白木を憎く思わないためとわかる。武藤の血は止まったが、脱脂綿で傷口を当てて、テープで止める。優しくされたと武藤は思った。白木の思い通りにさせるのかと武藤は思う。
「白木」と武藤は白木を呼んだ。
「なんだ」
「ここはあべこべなんだろう?」
「抱いてくれなんて言うな」
なぜか白木が泣きそうになる。白木のことがわからないから武藤は困惑する。さっきは抱こうとしていたのではないか。
「それは、自分を傷つける」
忘れるために存在しているわけではないと言われた。白木が言っていること。祐樹を忘れるために、抱かれることは許さないと言いたいのだろうか。今からつらいことから逃げるために、白木を使うことを拒絶されたのだ。
白木の手が伸びる。ゆっくりと武藤の髪を触る、長い髪は受け入れて、皮膚に触れる。顔に触れる。丸くもない。乾燥した皮膚に吸い付くように白木の手が滑る。優しくて、勘違いしそうになる。白木が優しく、なだめるように触る。忘れそうになる。本当は忘れていたい自分がいることに気がついた。
「おまえの目を見せなくていいのか」
「必要がない」
白木が答える。白木の目はなにかを忘れさせるためのものだと解釈している。黒い目に閉じ込められて、どんな自分も受け入れていられるらなにもなく、有と無もない世界に閉じ込められるのだ。武藤は悲しいのだ。そうかと武藤はつぶやく。
「苦しい」
武藤は皮膚になにかをかけられた。白木が服を出した。どこから出したのか。いつも不思議に思う。悲しい気持ちになるのに、なぜか、武藤は笑った。
「魔法みたいだな」
「化け物だからな」
少しだけなら白木を信じてみたいと武藤は思った。それとも、武藤に白木が子どものように見えた。なぜか。泣きそうな白木に昔の祐樹を見た。いつも保健室に行くとき、泣きそうになる武藤に悲しみを感じ、耐えてくれていた祐樹に。
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