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初めてだと武藤は自分の言葉を出した。初めてだ、こんなに苦しいのは。こんなにも、胸に来るものがあるなんてと武藤はつぶやいた。雨が降っている。しずくが落ちる音を聞いていた。
ここではなにもすることがない。窓から暗い空を見ていた武藤は、しばらくなにも言えない。白木はいない。座椅子に座る。とうでできたイス、銭湯にありそうな、夏に似合うものだ。座るところにクッションが置かれ、丸みを帯びた肘掛けがあり、背もたれも丸い。少しだけ高い円を描いだ台を載せていた。
昔、祖母の家にあったものだ。楽に座れ、自分でも不思議だと思った。祖母に会いたいと思った。結局、無条件にあまえられる対象がほしいのだろう。
「白木、相手をしくれたら嬉しい」
「俺はここにいる」
いつのまにか隣の座椅子に座っている白木がいた。肘掛けに腕をついて、頬を手のひらでささえている。その目は油断がなく動いている。雲の動きを見ているようだ。武藤はそれを見ていた。
「おまえは知っていたのか?」
「なにを?」
「俺が祐樹を好きなことに」
「ずっと武藤の感情を食べていた」
白木はそうつぶやいた。まるで感慨深いと言いたげな口振りだ。すべての元凶はここにいるのに、武藤は責めることができずにいた。弱虫なのだろうか。それとも、まだ感情を食べられているのか。武藤は気がついた。感情を食べられていないことに。なぜ感じたのか、それは自分の感情や感触を触れられるようになった。
そうして、自分が感情もなく生きていたことに気がついた。当たり前だ。白木に感情を食べさせた。そのフタにしていた感情が今、胸の中にうずいている。
「おまえは感情を食べなかったのか」
「当たり前だ。その話は終わった」
そうなのか、感情を食べていくのがどういうことなのか、わからない武藤には白木がなぜ食べるのをやめたのか、理解できずにいた。
雲の流れが早い。灰色の雲も柔らかそうな綿のようで、ふわふわしている。それが雲全体が流されている。目ではよく見ないと、流れていることに気がつかない。
穏やかな時間だ。
こんなことにも気がつかない。武藤はただ目の前にあるものを見ていた。静かな時間。思考が暴れ出すように考えにふけることもなく、ただ雲の流れを見ている。
「俺が祐樹のことを好きで白木は辛くなかったか?」
「武藤が祐樹を好きと意識していないのに、武藤は気がつくと思うか? 武藤を手に入れるために、愛玩にした」
それは、告白かと武藤はつぶやいていた。武藤のつぶやきに白木は目の前にある空を眺めながら、なにも言わない。
「なあ、白木。おまえはすごいのか?」
「すごいって?」
「だから、まあ、なんというか。ずる賢い」
「武藤の精神も限界だった。これ以上食べると、武藤が壊れる」
そういえばそんなことを言っていたなと武藤は思い出していた。実際には武藤にとって、白木はどういう感情を持っていたのか、わからない。自分が感じる前に白木が食べていた。そうすることでなんとか、自分を保つことができていたのか。
雨粒が落ちていく。涙のように。気がつけば会話は終わっていた。
感情を与えて、白木にも感情が生まれたのだろうか、想像をふくらませていた武藤は思う。白木が思っているより、武藤を思っているのではと思う。
「白木は、なぜ俺がいいんだ」
「おまえしか知らない」
それだけだった。なぜか、それだけで武藤はなにが言いたいのか、わからなかった。
「武藤と同じだ」
祐樹しか知らない。そうではないのに、そう言われた。その前に武藤しか、好きな人がいないと言いたいのだろうか。
「それは告白か?」
「事実だ」
めちゃくちゃだと武藤は言った。感情が乱れていることが武藤にはわかった。あんなに憎いと思った化け物に、好きと言われて嬉しいと感じている自分がおかしいと武藤は思う。それは、子供が大人に好きと言っていることに似ている。
「好きなことは認める。やり方が無理やりでは。俺に説明すれば、なんとかなる」
「愛玩にならない」
「まず自分の感情を受け取らない。そうしなければ、おまえはずっと祐樹を好きなことも知らない。愛玩にならないと、自分の気持ちに気がついて、前に進むことができず、ずっと停滞している」
「そっちの方がいいのでは?」
「そこにとどまれば汚れる。それはよどみになって、動けなくなる。俺も死ぬわけ」
白木の言葉に驚いた。なぜ白木が死ぬのか、わからない。
「人は動く、季節も移ろう、水は流れる、ずっとそのままなんて無理なんだ。ときの前では」
武藤は自分が求めていたものが留まることだと気がついて、黙った。
雨の音が聞こえる。雨は雲の水分ででき、その水分は海にできている。
「ここは海があるのか?」
「さあな。あったら、どうする?」
武藤の唐突な言葉に白木は問いかけ、じっと武藤の長い髪を見つめていた。
「いや、見ていたい。海なんて子どもの頃にしか、行っていないから」
「じゃあ、武藤の世界の海が見たい」
白木の言葉に武藤は、自分の見たい海が見えた。波が寄せる。泡を立てて、砂を飲み込み、ぬらして、柔かそうな波が引き、また波となる。武藤の目の前には海が広がっていた。
「これは」
「武藤の心に反応したんだと思う。そういうあべこべの世界なんだ」
「思いが世界になる」
怖いなと武藤はつぶやいた。武藤の気持ちがおびえたからか、波は消えていた。広がるのは雨空だ。静かに武藤は見ている。
「もしかして、感じていたのは、白木の気持ちが反応していたのか」
「さあな。ただ、人間に作用されるらしい。化け物はどうなのか、わからない」
武藤は自分の気持ちが世界になるなら、祐樹を作り出すことはできるだろうか。そんなことを考える。しかし、それを考えて虚しい気持ちになった。祐樹を作り出しても、それは祐樹ではない。
「武藤は祐樹がほしいか」
「いや、現実の祐樹がほしい」
「俺が現実の海を見たいのと一緒だ」
「?」
「現実の武藤の方がいい」
告白かと武藤は思った。武藤はしばらく黙った。現実のものがいいという気持ちは確かだ。それはそうだ。今、祐樹がいたらなんというだろうか。さっさと白木を殺して戻ってこいだろうかとそんなことを考えている武藤に白木は目を細めて武藤を見つめていた。
「現実か。俺はもしかしたら、現実ではない方がよかった」と武藤はつぶやいた。
だから、ここにいるのかもと武藤は白木に笑いかけた。
「なんで、そんなことを言う?」
白木は心底、不思議そうな顔で言っていた。戸惑っているということがわかる。困惑している白木が珍しいから武藤は笑った。
「作家をしているのも、そういうところがあるからだ。現実で生きていけないから。夢想することにしている」
寂しいやつだと思えばいいのだ。白木はなにも言わない。白木の言葉を探していない。ただ、白木はじっと目で見つめている。
「それも生きるためだろう」
もっともな言葉を言われた。現実から逃げたのかも、ただ登場人物に自己投影していたのか。それとも、登場人物たちはただの人形だったのか。武藤にはわからない。武藤の書いた本の内容を思い出していた。
いつも気の強い性格の登場人物がいた。それは武藤には知らずしらずに祐樹を重ねていたのかも。武藤は生きているのだ。
「生きるためな。そうだといい。自分を守るためだと思う」
「俺はそこが愛しい」
そうかと武藤はつぶやいた。疲れた気分になった武藤がいた。深くイスに座る。頭を背もたれにあずけ、目が閉じる。
「初めてだよ。愛しいなんて」
親にも言われたことがない。言われたとしても記憶に残っていない。武藤が壊れたと思って毎日、泣いていた母がいたことを思い出す。壊したのは武藤だ。家族を。だから、夢想の世界に浸っていたのかも。
「憎まれて当たり前なのに」
罪悪感というものだろうか、そんなことを武藤は考える。武藤が存在していることで家族を苦しめたということが武藤の頭、記憶には強く残っている。そんな武藤を白木がいただけ。声を出すと、怖かったから、無視した。人間も化け物も無視していた。少しずつ人間にも慣れてきたのは大学に入ってからだ。
だめな人間でも受け入れてくれる人がいる。知らない顔をしてくれるというのがありがたい。自分は生きていた。それだけで誇れるだろうか。憂鬱の嵐の前では吹き飛ぶ言葉だ。耐えるくらいしか人間はできず、嵐が去ったあと、ようやく落ち着いてきた気持ちになれるのでは。
「なにを言い出すと思えば」と武藤はつぶやいた。
「おまえは存在していいんだ。だから、ここにいる。なにもしなくていいんだ。そこにいて俺の側にいろ」
武藤は言葉を失った。人間らしい。一番言ってほしい言葉なのかもと武藤は思った。
「ありがとう。あり方にもいろいろあるんだなと思う。そう言ってくれる人がいるから、俺は生きていける」
武藤はつぶやくように言った。白木が人間らしい感情を見せてくる。それはなぜだろう。それとも武藤が感知しなかっただけか。それとも化け物の世界にいるからそんなことを考えるのだろうか。
「紙とペンがあるか?」
武藤は唐突に白木に問いかけた。白木はニヤリと笑った。
「小説を書きたい」
そう言って武藤も笑った。
ここではなにもすることがない。窓から暗い空を見ていた武藤は、しばらくなにも言えない。白木はいない。座椅子に座る。とうでできたイス、銭湯にありそうな、夏に似合うものだ。座るところにクッションが置かれ、丸みを帯びた肘掛けがあり、背もたれも丸い。少しだけ高い円を描いだ台を載せていた。
昔、祖母の家にあったものだ。楽に座れ、自分でも不思議だと思った。祖母に会いたいと思った。結局、無条件にあまえられる対象がほしいのだろう。
「白木、相手をしくれたら嬉しい」
「俺はここにいる」
いつのまにか隣の座椅子に座っている白木がいた。肘掛けに腕をついて、頬を手のひらでささえている。その目は油断がなく動いている。雲の動きを見ているようだ。武藤はそれを見ていた。
「おまえは知っていたのか?」
「なにを?」
「俺が祐樹を好きなことに」
「ずっと武藤の感情を食べていた」
白木はそうつぶやいた。まるで感慨深いと言いたげな口振りだ。すべての元凶はここにいるのに、武藤は責めることができずにいた。弱虫なのだろうか。それとも、まだ感情を食べられているのか。武藤は気がついた。感情を食べられていないことに。なぜ感じたのか、それは自分の感情や感触を触れられるようになった。
そうして、自分が感情もなく生きていたことに気がついた。当たり前だ。白木に感情を食べさせた。そのフタにしていた感情が今、胸の中にうずいている。
「おまえは感情を食べなかったのか」
「当たり前だ。その話は終わった」
そうなのか、感情を食べていくのがどういうことなのか、わからない武藤には白木がなぜ食べるのをやめたのか、理解できずにいた。
雲の流れが早い。灰色の雲も柔らかそうな綿のようで、ふわふわしている。それが雲全体が流されている。目ではよく見ないと、流れていることに気がつかない。
穏やかな時間だ。
こんなことにも気がつかない。武藤はただ目の前にあるものを見ていた。静かな時間。思考が暴れ出すように考えにふけることもなく、ただ雲の流れを見ている。
「俺が祐樹のことを好きで白木は辛くなかったか?」
「武藤が祐樹を好きと意識していないのに、武藤は気がつくと思うか? 武藤を手に入れるために、愛玩にした」
それは、告白かと武藤はつぶやいていた。武藤のつぶやきに白木は目の前にある空を眺めながら、なにも言わない。
「なあ、白木。おまえはすごいのか?」
「すごいって?」
「だから、まあ、なんというか。ずる賢い」
「武藤の精神も限界だった。これ以上食べると、武藤が壊れる」
そういえばそんなことを言っていたなと武藤は思い出していた。実際には武藤にとって、白木はどういう感情を持っていたのか、わからない。自分が感じる前に白木が食べていた。そうすることでなんとか、自分を保つことができていたのか。
雨粒が落ちていく。涙のように。気がつけば会話は終わっていた。
感情を与えて、白木にも感情が生まれたのだろうか、想像をふくらませていた武藤は思う。白木が思っているより、武藤を思っているのではと思う。
「白木は、なぜ俺がいいんだ」
「おまえしか知らない」
それだけだった。なぜか、それだけで武藤はなにが言いたいのか、わからなかった。
「武藤と同じだ」
祐樹しか知らない。そうではないのに、そう言われた。その前に武藤しか、好きな人がいないと言いたいのだろうか。
「それは告白か?」
「事実だ」
めちゃくちゃだと武藤は言った。感情が乱れていることが武藤にはわかった。あんなに憎いと思った化け物に、好きと言われて嬉しいと感じている自分がおかしいと武藤は思う。それは、子供が大人に好きと言っていることに似ている。
「好きなことは認める。やり方が無理やりでは。俺に説明すれば、なんとかなる」
「愛玩にならない」
「まず自分の感情を受け取らない。そうしなければ、おまえはずっと祐樹を好きなことも知らない。愛玩にならないと、自分の気持ちに気がついて、前に進むことができず、ずっと停滞している」
「そっちの方がいいのでは?」
「そこにとどまれば汚れる。それはよどみになって、動けなくなる。俺も死ぬわけ」
白木の言葉に驚いた。なぜ白木が死ぬのか、わからない。
「人は動く、季節も移ろう、水は流れる、ずっとそのままなんて無理なんだ。ときの前では」
武藤は自分が求めていたものが留まることだと気がついて、黙った。
雨の音が聞こえる。雨は雲の水分ででき、その水分は海にできている。
「ここは海があるのか?」
「さあな。あったら、どうする?」
武藤の唐突な言葉に白木は問いかけ、じっと武藤の長い髪を見つめていた。
「いや、見ていたい。海なんて子どもの頃にしか、行っていないから」
「じゃあ、武藤の世界の海が見たい」
白木の言葉に武藤は、自分の見たい海が見えた。波が寄せる。泡を立てて、砂を飲み込み、ぬらして、柔かそうな波が引き、また波となる。武藤の目の前には海が広がっていた。
「これは」
「武藤の心に反応したんだと思う。そういうあべこべの世界なんだ」
「思いが世界になる」
怖いなと武藤はつぶやいた。武藤の気持ちがおびえたからか、波は消えていた。広がるのは雨空だ。静かに武藤は見ている。
「もしかして、感じていたのは、白木の気持ちが反応していたのか」
「さあな。ただ、人間に作用されるらしい。化け物はどうなのか、わからない」
武藤は自分の気持ちが世界になるなら、祐樹を作り出すことはできるだろうか。そんなことを考える。しかし、それを考えて虚しい気持ちになった。祐樹を作り出しても、それは祐樹ではない。
「武藤は祐樹がほしいか」
「いや、現実の祐樹がほしい」
「俺が現実の海を見たいのと一緒だ」
「?」
「現実の武藤の方がいい」
告白かと武藤は思った。武藤はしばらく黙った。現実のものがいいという気持ちは確かだ。それはそうだ。今、祐樹がいたらなんというだろうか。さっさと白木を殺して戻ってこいだろうかとそんなことを考えている武藤に白木は目を細めて武藤を見つめていた。
「現実か。俺はもしかしたら、現実ではない方がよかった」と武藤はつぶやいた。
だから、ここにいるのかもと武藤は白木に笑いかけた。
「なんで、そんなことを言う?」
白木は心底、不思議そうな顔で言っていた。戸惑っているということがわかる。困惑している白木が珍しいから武藤は笑った。
「作家をしているのも、そういうところがあるからだ。現実で生きていけないから。夢想することにしている」
寂しいやつだと思えばいいのだ。白木はなにも言わない。白木の言葉を探していない。ただ、白木はじっと目で見つめている。
「それも生きるためだろう」
もっともな言葉を言われた。現実から逃げたのかも、ただ登場人物に自己投影していたのか。それとも、登場人物たちはただの人形だったのか。武藤にはわからない。武藤の書いた本の内容を思い出していた。
いつも気の強い性格の登場人物がいた。それは武藤には知らずしらずに祐樹を重ねていたのかも。武藤は生きているのだ。
「生きるためな。そうだといい。自分を守るためだと思う」
「俺はそこが愛しい」
そうかと武藤はつぶやいた。疲れた気分になった武藤がいた。深くイスに座る。頭を背もたれにあずけ、目が閉じる。
「初めてだよ。愛しいなんて」
親にも言われたことがない。言われたとしても記憶に残っていない。武藤が壊れたと思って毎日、泣いていた母がいたことを思い出す。壊したのは武藤だ。家族を。だから、夢想の世界に浸っていたのかも。
「憎まれて当たり前なのに」
罪悪感というものだろうか、そんなことを武藤は考える。武藤が存在していることで家族を苦しめたということが武藤の頭、記憶には強く残っている。そんな武藤を白木がいただけ。声を出すと、怖かったから、無視した。人間も化け物も無視していた。少しずつ人間にも慣れてきたのは大学に入ってからだ。
だめな人間でも受け入れてくれる人がいる。知らない顔をしてくれるというのがありがたい。自分は生きていた。それだけで誇れるだろうか。憂鬱の嵐の前では吹き飛ぶ言葉だ。耐えるくらいしか人間はできず、嵐が去ったあと、ようやく落ち着いてきた気持ちになれるのでは。
「なにを言い出すと思えば」と武藤はつぶやいた。
「おまえは存在していいんだ。だから、ここにいる。なにもしなくていいんだ。そこにいて俺の側にいろ」
武藤は言葉を失った。人間らしい。一番言ってほしい言葉なのかもと武藤は思った。
「ありがとう。あり方にもいろいろあるんだなと思う。そう言ってくれる人がいるから、俺は生きていける」
武藤はつぶやくように言った。白木が人間らしい感情を見せてくる。それはなぜだろう。それとも武藤が感知しなかっただけか。それとも化け物の世界にいるからそんなことを考えるのだろうか。
「紙とペンがあるか?」
武藤は唐突に白木に問いかけた。白木はニヤリと笑った。
「小説を書きたい」
そう言って武藤も笑った。
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