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洋吉は自分の行動を振り返っていた。火鉢で暖められた部屋でぼんやりと本を広げていたが、彼の思考は止まっているようで、その内面は激しく動いていた。彼はなにも言わなかった。
ううとかああとかうめき声はあげない。しかし心の中では自分のしたことに対して苦々しく思っていた。
庸子を責めるようなことを考える一方で、また彼は自分を責めていた。苦しみながら、頭を抱える洋吉がいた。下を向ければ書物の文字がある。
はっとした彼はまるで夢から覚めたように本をむさぼるように読み始めていた。月見が始まる。寒いときに。
白い綿が出てきた薄を飾る奥さんを頭で浮かべ、餅つきを奥さんの亭主と洋吉と神川ですることになると想像した洋吉がいた。
「よいっしょ」と廊下から神川の声が聞こえてきた。
「あっ神川。君、遅いじゃないか」
「家庭教師のアルバイトでね。弱ったことに帰りに知り合いのお嬢さんと話していたんだよ」
「相変わらず女性には不便をしないんだな」
「いや。そういう話じゃないんだが。洋吉君、なにかいやなことがあったかい」
洋吉がぎょっとしていると神川はほんのりと、笑みを浮かべた。彼自身、その笑みはあまいなど知らないだろうと洋吉は考えていた。
「女将さんが心配していたよ」
「子供ではないんだがね」
神川は自分の部屋に戻っていく。そんな彼の背中を見ていると「洋吉君の部屋に行ってもいいかな。大福をもらったんだ」と神川がいう。後ろに目があるのではと洋吉は考えていた。
「ご馳走じゃないか」
「そうだね」
どんな手を使って神川がこれを手にいれたのか洋吉には想像すらできずにいた。彼は人の良さそうな神川をなせる技と勝手に解釈をした。
窓の外は雨が降っているようで、天井に雨粒が落ちる音が聞こえてきた。寒い空気が一気に押し寄せるように窓側は冷えていた。
黒いペンキを刷毛で塗ったような闇の中、光の反射で白い雨が一つ一つと早く下に落ちる。幸い風はない。
洋吉と神川は火鉢に手をあぶりながら、大福を温めていた。餅が焼ける匂いがしたら、手で触る。やけどしないように右手、左手で飛ぶように持ち手を変えていた。
食べるとアツアツのあんこの甘さががつんとくる。餅が気持ちよく伸びていく。うまいうまいと洋吉の体は言っているのがわかる。
「あーうまい」
洋吉はそう言葉に出していた。彼の中にあった憂鬱な気持ちは天気と裏腹に晴れ間を見せているようだった。神川はそんな洋吉を眺めていた。大福を食べていた。
「それにしても、なんで君が大福をもらったんだい」
「お嬢さん。まあ、家庭教師をしているのは知っているよね。お嬢さんが倒れそうになったのを助けただけだよ」
「へえ」
「実は大滝さんからの紹介なんだよ」
洋吉はびっくりした顔をした。
「そりゃあ、なにかあるね」
「だろう。まあ、探偵ではないから私にはさっぱりだ。でもお嬢さんの体調があまりよくないんだ」
「よくないってなんで」
「急に気を失うんだ。だから貧血くらいしか家の人間は思っていないようだ」
「女性はつきものがあるからな」
「おや、知っているね」
クスクスと神川はからかうように笑っている。洋吉はムッとした顔を隠さなかった。
「大滝さんにいうと気をつけろよと言われたよ」
「その理由は」
「まあ、引きつけるからだ。よくないものまで」
「わからないな。確かに女性を引きつけるが」
「まあ、せいぜい気をつけるよ」
神川はそう言って外を見ていた。女将さんがみんなでラジオを聞きませんかと呼んでくれたのでその話はお開きになった。
洋吉は神川と一緒にラジオを聞いていた。自分もラジオはほしいなと思っている洋吉には神川が言っていたことを忘れていた。
寒さひとしおに身がしみる。大学の帰り道、市場からサツマイモを買う洋吉がいた。三津堂と一緒に焼き芋にしていいし、蒸かして食べるのもいいだろうと彼は考えた。
意外と人ごみ、それこそ芋を洗うような気持ちに洋吉はなっていた。彼の目の前には曇り空が広がっている。どんよりとした重い空が今にも雨を降るか降らないか迷っているようである。本当に迷っているのは人間であるが。
気がつけば万華鏡商店街に向かっていた。万華鏡商店街は相変わらず人が多い。雨がその頃には降っているので慌てて、洋吉は古本屋朝霧に入る。
「こんにちは」
「あーやめてくださいよ」
手ぬぐいを渡しながら洋吉を入れた三津堂がいう。彼の特徴のない顔が歪む。
「本は湿気が大敵なんですよ」
「すまん。お土産」
「おや。洋吉さんは珍しいものを持ってきた」
面白がるように三津堂がいう。人が悪いと洋吉は思った。
「私はお土産くらい持ってくるよ」
「そうですか」
「蒸かしてくれないかい」
「おや」
三津堂は鍋に入れて、ぐつぐつと煮出していた。洋吉は寒いのかこたつに入った。三津堂はぼんやりしながら「いやですね、雨」と言った。
「まったくだ」
洋吉の同意に三津堂はニヤリと笑っていた。洋吉には見えなかった。火がぐつぐつと水を沸かして、サツマイモを柔らかくする。三津堂は蓋をしてぼんやりしている。何十分してから芋が煮える甘い匂いがした。三津堂は「できましたよ」とほかほかと湯気が出るサツマイモを出した。サツマイモの煮汁もついで。
「なんの用ですかな」
甘く煮たのサツマイモを食べている洋吉に対して三津堂が優しく言った。面白がる彼にしては珍しい口調である。
「神川のことだ」
「おや、神川さん」
「なんだ、違うのか」
「いえいえ。三津堂のことは気にせず、神川さんはどうしましたか」
洋吉は一瞬だけ考えていたがやめて、洋吉が神川から聞いた話を語った。
「おやまあ。でも大滝さんもわかっているくせに。思わせぶりな」
「君、わかったのか」
「現代人の洋吉さんにはわかりませんよ。だって呪詛ですから」
「呪詛?」
「呪詛とは呪い。お嬢さんが誰かに呪われているんですよ」
「まさか」
三津堂は例のニタニタと笑った顔を作っていた。洋吉は眉をひそめた。
「呪詛なんて関係ない」
「だから三津堂は『洋吉さんにはわかりません』と言ったんですよ」
洋吉はばかばかしくなった。そんな洋吉を面白がっている三津堂がいた。
「では、お嬢さん。助けに行きますか」
「冗談じゃない。僕は部外者だ」
「本当に」
三津堂の言葉に洋吉はうなずく。三津堂の言葉を洋吉は信じていない。それが三津堂にはわかるのかそれ以上なにも言わないでいる。
「なんだ。君」
思わず洋吉がいうと三津堂はにんまりと笑う。
「三津堂はなにも知りません」
「知っているような口振りじゃないか」
「知りませんったら知りません」
三津堂を見つめていた洋吉はサツマイモを食べている。煮汁を飲む。甘い味がした。
「三津堂、はっきり言わなきゃ私はわからないよ」
弱りきった洋吉の言葉に三津堂は「もしも、洋吉さんとの結ぶ縁が見えたらと言ったらどうします」と尋ねていた。洋吉は笑い出していた。
「君、冗談がキツいよ」
「じゃあ、あなた」
「三津堂。いるか。いるか。三津堂」
声が聞こえてきた。三津堂はこたつから立ち上がり、頭にこたつを突っ込んで火を消した。三津堂の行動に戸惑いを隠せない洋吉に三津堂は笑いかけた。
「三津堂は出かけなければなりません」
はっきりと洋吉には三津堂の言葉が聞き取れた。
「一緒に行く」
自然と洋吉は三津堂に言っていた。彼はこうして自ら動いた。その理由はきっと三津堂が助けを呼んでいるように見えたからだ。それは洋吉の第六感がなせる技か、思い込みの力かわからなかった。
車が用意されていた。洋吉は驚いていると「早く」と三津堂に短く言われた。濡れたまま車内に入る。先客がいた。大滝だ。
彼は苦々しいといわんばかりに顔をゆがめていた。
「あのお嬢さんが倒れたって」
「庸子君だ。危ないぞ」
「庸子?」
「知り合いかい」
えっと違いますと洋吉がいうと大滝はふんっと怒ったような顔をした。洋吉はなんでこんなにも大滝がピリピリしているのか理解できなかった。
彼の認識と大滝の認識は違っていることにようやく気がついた。
部外者がのこのこと、ついてきたのはよくなかったようだ。
車は走りつづけ、閑静な住宅街に入る。新しく作られた街は、まだまだ周囲には異質のように洋吉には思えた。細い街路樹に、はらはらと銀杏の葉が落ちている。
屋敷につくと洋吉から先に降りた。ぞくぞく人が来たことに使用人達は困惑した様子だった。
「お医者様ではないんですか」
「まあね」
大滝は大股で屋敷に入っていく。調度品など目もくれず、ある一点に向かっているようで、洋吉達はついていくばかりである。
「神川は大丈夫か」
真っ青な顔をした神川がいた。彼は大丈夫と言いたげにうなずいた。
「あれを探してみたんですが、見つからないんです」
「だろうな。天井は」
「探しましたが、見つからないんです」
「厄介だな」
「神川」
洋吉に気がついた神川は弱々しい笑みを浮かべていた。
「なんで、君が」
「お嬢さんの顔を見せてほしいです」
洋吉がなにかいう前に三津堂が言った。三津堂の言葉に従うように大滝と三津堂は奥の部屋に進む。洋吉も神川を支えながら歩いた。
ベッドの上に載っていたのは、少女だった。近くメガネもある。それはまぎれもない洋吉の知っている庸子だった。
ううとかああとかうめき声はあげない。しかし心の中では自分のしたことに対して苦々しく思っていた。
庸子を責めるようなことを考える一方で、また彼は自分を責めていた。苦しみながら、頭を抱える洋吉がいた。下を向ければ書物の文字がある。
はっとした彼はまるで夢から覚めたように本をむさぼるように読み始めていた。月見が始まる。寒いときに。
白い綿が出てきた薄を飾る奥さんを頭で浮かべ、餅つきを奥さんの亭主と洋吉と神川ですることになると想像した洋吉がいた。
「よいっしょ」と廊下から神川の声が聞こえてきた。
「あっ神川。君、遅いじゃないか」
「家庭教師のアルバイトでね。弱ったことに帰りに知り合いのお嬢さんと話していたんだよ」
「相変わらず女性には不便をしないんだな」
「いや。そういう話じゃないんだが。洋吉君、なにかいやなことがあったかい」
洋吉がぎょっとしていると神川はほんのりと、笑みを浮かべた。彼自身、その笑みはあまいなど知らないだろうと洋吉は考えていた。
「女将さんが心配していたよ」
「子供ではないんだがね」
神川は自分の部屋に戻っていく。そんな彼の背中を見ていると「洋吉君の部屋に行ってもいいかな。大福をもらったんだ」と神川がいう。後ろに目があるのではと洋吉は考えていた。
「ご馳走じゃないか」
「そうだね」
どんな手を使って神川がこれを手にいれたのか洋吉には想像すらできずにいた。彼は人の良さそうな神川をなせる技と勝手に解釈をした。
窓の外は雨が降っているようで、天井に雨粒が落ちる音が聞こえてきた。寒い空気が一気に押し寄せるように窓側は冷えていた。
黒いペンキを刷毛で塗ったような闇の中、光の反射で白い雨が一つ一つと早く下に落ちる。幸い風はない。
洋吉と神川は火鉢に手をあぶりながら、大福を温めていた。餅が焼ける匂いがしたら、手で触る。やけどしないように右手、左手で飛ぶように持ち手を変えていた。
食べるとアツアツのあんこの甘さががつんとくる。餅が気持ちよく伸びていく。うまいうまいと洋吉の体は言っているのがわかる。
「あーうまい」
洋吉はそう言葉に出していた。彼の中にあった憂鬱な気持ちは天気と裏腹に晴れ間を見せているようだった。神川はそんな洋吉を眺めていた。大福を食べていた。
「それにしても、なんで君が大福をもらったんだい」
「お嬢さん。まあ、家庭教師をしているのは知っているよね。お嬢さんが倒れそうになったのを助けただけだよ」
「へえ」
「実は大滝さんからの紹介なんだよ」
洋吉はびっくりした顔をした。
「そりゃあ、なにかあるね」
「だろう。まあ、探偵ではないから私にはさっぱりだ。でもお嬢さんの体調があまりよくないんだ」
「よくないってなんで」
「急に気を失うんだ。だから貧血くらいしか家の人間は思っていないようだ」
「女性はつきものがあるからな」
「おや、知っているね」
クスクスと神川はからかうように笑っている。洋吉はムッとした顔を隠さなかった。
「大滝さんにいうと気をつけろよと言われたよ」
「その理由は」
「まあ、引きつけるからだ。よくないものまで」
「わからないな。確かに女性を引きつけるが」
「まあ、せいぜい気をつけるよ」
神川はそう言って外を見ていた。女将さんがみんなでラジオを聞きませんかと呼んでくれたのでその話はお開きになった。
洋吉は神川と一緒にラジオを聞いていた。自分もラジオはほしいなと思っている洋吉には神川が言っていたことを忘れていた。
寒さひとしおに身がしみる。大学の帰り道、市場からサツマイモを買う洋吉がいた。三津堂と一緒に焼き芋にしていいし、蒸かして食べるのもいいだろうと彼は考えた。
意外と人ごみ、それこそ芋を洗うような気持ちに洋吉はなっていた。彼の目の前には曇り空が広がっている。どんよりとした重い空が今にも雨を降るか降らないか迷っているようである。本当に迷っているのは人間であるが。
気がつけば万華鏡商店街に向かっていた。万華鏡商店街は相変わらず人が多い。雨がその頃には降っているので慌てて、洋吉は古本屋朝霧に入る。
「こんにちは」
「あーやめてくださいよ」
手ぬぐいを渡しながら洋吉を入れた三津堂がいう。彼の特徴のない顔が歪む。
「本は湿気が大敵なんですよ」
「すまん。お土産」
「おや。洋吉さんは珍しいものを持ってきた」
面白がるように三津堂がいう。人が悪いと洋吉は思った。
「私はお土産くらい持ってくるよ」
「そうですか」
「蒸かしてくれないかい」
「おや」
三津堂は鍋に入れて、ぐつぐつと煮出していた。洋吉は寒いのかこたつに入った。三津堂はぼんやりしながら「いやですね、雨」と言った。
「まったくだ」
洋吉の同意に三津堂はニヤリと笑っていた。洋吉には見えなかった。火がぐつぐつと水を沸かして、サツマイモを柔らかくする。三津堂は蓋をしてぼんやりしている。何十分してから芋が煮える甘い匂いがした。三津堂は「できましたよ」とほかほかと湯気が出るサツマイモを出した。サツマイモの煮汁もついで。
「なんの用ですかな」
甘く煮たのサツマイモを食べている洋吉に対して三津堂が優しく言った。面白がる彼にしては珍しい口調である。
「神川のことだ」
「おや、神川さん」
「なんだ、違うのか」
「いえいえ。三津堂のことは気にせず、神川さんはどうしましたか」
洋吉は一瞬だけ考えていたがやめて、洋吉が神川から聞いた話を語った。
「おやまあ。でも大滝さんもわかっているくせに。思わせぶりな」
「君、わかったのか」
「現代人の洋吉さんにはわかりませんよ。だって呪詛ですから」
「呪詛?」
「呪詛とは呪い。お嬢さんが誰かに呪われているんですよ」
「まさか」
三津堂は例のニタニタと笑った顔を作っていた。洋吉は眉をひそめた。
「呪詛なんて関係ない」
「だから三津堂は『洋吉さんにはわかりません』と言ったんですよ」
洋吉はばかばかしくなった。そんな洋吉を面白がっている三津堂がいた。
「では、お嬢さん。助けに行きますか」
「冗談じゃない。僕は部外者だ」
「本当に」
三津堂の言葉に洋吉はうなずく。三津堂の言葉を洋吉は信じていない。それが三津堂にはわかるのかそれ以上なにも言わないでいる。
「なんだ。君」
思わず洋吉がいうと三津堂はにんまりと笑う。
「三津堂はなにも知りません」
「知っているような口振りじゃないか」
「知りませんったら知りません」
三津堂を見つめていた洋吉はサツマイモを食べている。煮汁を飲む。甘い味がした。
「三津堂、はっきり言わなきゃ私はわからないよ」
弱りきった洋吉の言葉に三津堂は「もしも、洋吉さんとの結ぶ縁が見えたらと言ったらどうします」と尋ねていた。洋吉は笑い出していた。
「君、冗談がキツいよ」
「じゃあ、あなた」
「三津堂。いるか。いるか。三津堂」
声が聞こえてきた。三津堂はこたつから立ち上がり、頭にこたつを突っ込んで火を消した。三津堂の行動に戸惑いを隠せない洋吉に三津堂は笑いかけた。
「三津堂は出かけなければなりません」
はっきりと洋吉には三津堂の言葉が聞き取れた。
「一緒に行く」
自然と洋吉は三津堂に言っていた。彼はこうして自ら動いた。その理由はきっと三津堂が助けを呼んでいるように見えたからだ。それは洋吉の第六感がなせる技か、思い込みの力かわからなかった。
車が用意されていた。洋吉は驚いていると「早く」と三津堂に短く言われた。濡れたまま車内に入る。先客がいた。大滝だ。
彼は苦々しいといわんばかりに顔をゆがめていた。
「あのお嬢さんが倒れたって」
「庸子君だ。危ないぞ」
「庸子?」
「知り合いかい」
えっと違いますと洋吉がいうと大滝はふんっと怒ったような顔をした。洋吉はなんでこんなにも大滝がピリピリしているのか理解できなかった。
彼の認識と大滝の認識は違っていることにようやく気がついた。
部外者がのこのこと、ついてきたのはよくなかったようだ。
車は走りつづけ、閑静な住宅街に入る。新しく作られた街は、まだまだ周囲には異質のように洋吉には思えた。細い街路樹に、はらはらと銀杏の葉が落ちている。
屋敷につくと洋吉から先に降りた。ぞくぞく人が来たことに使用人達は困惑した様子だった。
「お医者様ではないんですか」
「まあね」
大滝は大股で屋敷に入っていく。調度品など目もくれず、ある一点に向かっているようで、洋吉達はついていくばかりである。
「神川は大丈夫か」
真っ青な顔をした神川がいた。彼は大丈夫と言いたげにうなずいた。
「あれを探してみたんですが、見つからないんです」
「だろうな。天井は」
「探しましたが、見つからないんです」
「厄介だな」
「神川」
洋吉に気がついた神川は弱々しい笑みを浮かべていた。
「なんで、君が」
「お嬢さんの顔を見せてほしいです」
洋吉がなにかいう前に三津堂が言った。三津堂の言葉に従うように大滝と三津堂は奥の部屋に進む。洋吉も神川を支えながら歩いた。
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