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2章 亜人の国
11話 ユリア
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「この国は大半が森と険しい峡谷で構成されていますからね。人間の体じゃ通行は困難でしょう」
先頭を歩く案内人オーフェルがコチラを振り返りながら陽気に言う。
翌朝、俺たち一行はこのオーフェルの案内に従って亜人の国へと入国した。
俺たちは鹿に似た動物ヤークの背に乗っていたが、オーフェルは徒歩で進んでいる。大樹の根があちこちに隆起している歩行困難な土地だが、獣人と呼ばれる種族のオーフェルは全く苦もなく歩いていた。
獣人とは、人型でありながら獣の特徴を備えた亜人種のことだ。オーフェルの耳は頭の上に付いているし、臀部の上辺りからは尻尾が覗いていた。
「一番大きな集落まで頼むぞ。治癒の術を受けたいのでな」
「ならば、エルフの森ですね。彼らは比較的人間にも友好的ですから」
亜人の国は十二の種族で構成されている。その中でエルフ族は人間に対して友好的であり、独自の治癒の技術を有する。ということで俺たち一行はエルフの森を目指している。
オーフェルはなるべく森の住民を避けるルートを選択してくれたので、俺たちは何の苦労もなく進むことができた。
だが――
「マズいですねぇ」
オーフェルが立ち止まった。しきりに周囲を嗅ぎまわる。
「獣人族の群れが迫っています」
それを証明するかのように、何かが森を駆け抜ける音が聞こえてきた。
「獣人の……群れ」
レイナが呟くように言う。その顔から血の気が失せていた。
それも無理はない。基本的に獣人は好戦的な事で有名だ。今迫っている連中が何者か知らないが、友好目的でないことだけは確かだろう。
「群れでここまで来るのは珍しいです。私から話を通してみますが、もしもの場合は――」
俺はコクリと頷いた。
オーフェルは俺の事をアルタイア王国の一貴族程度と認識している。(まぁ、俺たちがそう印象付けさせたわけだが……)
獣人族が金品を要求してきたら素直に渡せと言ってきたのだ。それなら命まで奪われる心配はない、と。
俺たちも無論それに従うつもりだ。面倒事に構っている暇はない。
ただ、獣人たちがソレ以上に要求してきたら、精霊魔法を叩き込んでやれ、と兵士たちには伝えてあった。
「来ます」
オーフェルの言葉と同時に横合いの木々から厳つい体の男たちが飛び出して来た。その誰もが獣毛に覆われ、鋭い目つきと口から牙を覗かせている。
オーフェルがぎこちなく彼らに近づき話しかける。獣人の1人がそれに応え、彼らはいくつか言葉のやり取りを行った。
やがて、オーフェルが戸惑いがちにコチラを振り向いた。
「あの、彼らはあなたにフードを取るように要求しています」
「なに?」
これは非常に厄介だ。俺の顔を見て、アルタイアの王子であると気づかれないだろうか?
この苦し紛れのフードもいずれは取る事になると思っていたが、こんなに早くだとは思っていなかった。
配下の兵士たちが緊張した面持ちで俺を見つめている。いつでも精霊の力を発揮できる状態だ。
さて、どうしようか?
指示通りにするのも、対抗するのも、どっちにしても悩ましい。
しかし、俺のそんな悩みを切り裂くようにして突如、矢が空を切って飛んできた。その矢は獣人の眉間へと見事に命中してその場にくずおれさせた。
一瞬、為朝かと思ったが、あの威力程ではない。じゃあ誰が?
不意の攻撃に呆気に取られていた獣人たちだったが、怒りの唸り声を上げながら俺たちに襲い掛かって来た。
「下がりなさい」
背後から凛とした力強い女性の声。それと同時に鼻先を矢が通り過ぎていき、迫っていた獣人に突き刺さった。
俺たち一行の脇をすり抜けて何者かたちが駆け抜け、獣人たちへと襲い掛かる。
それから一分もかからない内に獣人たちは全て始末されてしまった。後に残ったのは呆気に取られている俺たちと物言わぬ獣人たちの死体、そして彼らを始末した者たちが数人その場に立っていた。長い豊かな金髪に白い肌、特徴的な尖った耳とくればそれがエルフ族である事は明らかだ。
「怪我はない?」
先程のエルフの女性が問い掛けてきた。彼女はちょうど俺の真正面に立っていた。
とても綺麗な女性だ。スラリとした長身に腰まで伸びた金髪を後ろで束ねている。深い緑色の眼をジッと俺たちに向けている。その眼が俺たちの素性が何者か問い掛けているように感じた。
「えぇ、お陰様でね。助けてくれてありがとうございます」
俺は女性に向かって頭を下げた。
彼女の手には弓が握られている。獣人を射た矢は彼女が放ったのだろう。他の者たちもそれぞれ武器を手にして体を革の鎧で包んでいる。
「礼はいいわよ。あの獣人たちは私たちを追っていたの。むしろこっちが礼を言わなきゃ。お陰で不意を突く事ができたから」
「おい、ユリア!」
すぐ側にいた男のエルフが非難の眼差しを向けた。なるほど、この女エルフの名はユリアと言うらしい。
そのユリアが男の方に向けて肩を竦めた。
「別にいいじゃない? 見たところ、彼らは妖霊使いではないみたいだし……あなた、左肩を怪我しているわね」
ユリアは俺の左肩を指し示した。
「えぇ、暴漢に襲われましてね。あまりに酷い怪我なので、こうして遥々治癒してもらいに来たのです」
俺の話を聞いたユリアは再び男エルフに顔を向ける。男エルフは相槌を打つ代わりに俺に質問してきた。
「怪我なら、なぜ妖霊使いに治してもらわない?」
「妖霊使いとは、つまりアルタイア兵の事ですね? それはできない事なのです。精霊魔法は王族が独占している。我々には何の恩恵ももたらされないのです」
チラッと背後を見やれば、レイナの眼に微かに動揺の色が浮かんでいた。しかし、それは一瞬の事だったが。
「だから、優れた治癒術を持つエルフに会いに密かにこの国に入ってくる者たちがいる。そうよね?」
ユリアの言葉に相槌を打つ。
「ふむ、ならちょうどいいじゃない。私たちもエルフの森に向かっているところだったの。一緒に行きましょう」
「えっ!?」
彼女の言葉には俺たちだけでなく、他のエルフたちも驚いているようだった。
「おいユリア!」
男エルフが叫んだ。
「何よ?」
「何よ、ではない。素性も知れぬ者たちと行動できるか!」
まったくその通りだ。
彼女たちは何らかのトラブルに巻き込まれている事は明らか。わざわざ面倒事に関わる必要はない。
「でも、彼らは私たちの所為で襲われそうだった。その責任を感じない?」
ユリアは引き下がらない。
正確に言えば、襲われそうだったわけではなく、顔を確かめられそうになっただけなのだが……。
「だからと言って顔を隠しているような相手と行動を共にする気にはなれない。そもそも我々の森に入れる事も遠慮願いたいところだ」
男エルフは俺に視線を向けた。
「せめて顔を見せてもらおうか」
結局こうなるのか。
俺たち一行に緊張が走る。どうするか?
「別にいいじゃない、そんなこと」
このユリアの一言によってなし崩し的に俺たちの同行は決定した。
どうにもこの女のペースに乗せられてしまう。助けられた情のせいだ。
「じゃあ……あ、まだ名前を聞いていなかったわね。それくらいは教えてくださいな?」
ユリアが俺に尋ねてきた。もちろん、本名は言えない。
「アルゴン……」
咄嗟に答えた。自分の名に近い言葉で思い浮かんだ偽名がコレだ。とすると、家名は……。
「アルゴン・クリプトンです」
「アルゴンねぇ。変わった名前ね」
俺は曖昧に笑った。
まさか元素名の偽名を付けるなんて。センスの欠片もありゃしない。
「それじゃあ改めて、アルゴン、行きましょうか?」
こうして俺たち一行は獣人に追われるエルフたちと行動を共にすることになった。
先頭を歩く案内人オーフェルがコチラを振り返りながら陽気に言う。
翌朝、俺たち一行はこのオーフェルの案内に従って亜人の国へと入国した。
俺たちは鹿に似た動物ヤークの背に乗っていたが、オーフェルは徒歩で進んでいる。大樹の根があちこちに隆起している歩行困難な土地だが、獣人と呼ばれる種族のオーフェルは全く苦もなく歩いていた。
獣人とは、人型でありながら獣の特徴を備えた亜人種のことだ。オーフェルの耳は頭の上に付いているし、臀部の上辺りからは尻尾が覗いていた。
「一番大きな集落まで頼むぞ。治癒の術を受けたいのでな」
「ならば、エルフの森ですね。彼らは比較的人間にも友好的ですから」
亜人の国は十二の種族で構成されている。その中でエルフ族は人間に対して友好的であり、独自の治癒の技術を有する。ということで俺たち一行はエルフの森を目指している。
オーフェルはなるべく森の住民を避けるルートを選択してくれたので、俺たちは何の苦労もなく進むことができた。
だが――
「マズいですねぇ」
オーフェルが立ち止まった。しきりに周囲を嗅ぎまわる。
「獣人族の群れが迫っています」
それを証明するかのように、何かが森を駆け抜ける音が聞こえてきた。
「獣人の……群れ」
レイナが呟くように言う。その顔から血の気が失せていた。
それも無理はない。基本的に獣人は好戦的な事で有名だ。今迫っている連中が何者か知らないが、友好目的でないことだけは確かだろう。
「群れでここまで来るのは珍しいです。私から話を通してみますが、もしもの場合は――」
俺はコクリと頷いた。
オーフェルは俺の事をアルタイア王国の一貴族程度と認識している。(まぁ、俺たちがそう印象付けさせたわけだが……)
獣人族が金品を要求してきたら素直に渡せと言ってきたのだ。それなら命まで奪われる心配はない、と。
俺たちも無論それに従うつもりだ。面倒事に構っている暇はない。
ただ、獣人たちがソレ以上に要求してきたら、精霊魔法を叩き込んでやれ、と兵士たちには伝えてあった。
「来ます」
オーフェルの言葉と同時に横合いの木々から厳つい体の男たちが飛び出して来た。その誰もが獣毛に覆われ、鋭い目つきと口から牙を覗かせている。
オーフェルがぎこちなく彼らに近づき話しかける。獣人の1人がそれに応え、彼らはいくつか言葉のやり取りを行った。
やがて、オーフェルが戸惑いがちにコチラを振り向いた。
「あの、彼らはあなたにフードを取るように要求しています」
「なに?」
これは非常に厄介だ。俺の顔を見て、アルタイアの王子であると気づかれないだろうか?
この苦し紛れのフードもいずれは取る事になると思っていたが、こんなに早くだとは思っていなかった。
配下の兵士たちが緊張した面持ちで俺を見つめている。いつでも精霊の力を発揮できる状態だ。
さて、どうしようか?
指示通りにするのも、対抗するのも、どっちにしても悩ましい。
しかし、俺のそんな悩みを切り裂くようにして突如、矢が空を切って飛んできた。その矢は獣人の眉間へと見事に命中してその場にくずおれさせた。
一瞬、為朝かと思ったが、あの威力程ではない。じゃあ誰が?
不意の攻撃に呆気に取られていた獣人たちだったが、怒りの唸り声を上げながら俺たちに襲い掛かって来た。
「下がりなさい」
背後から凛とした力強い女性の声。それと同時に鼻先を矢が通り過ぎていき、迫っていた獣人に突き刺さった。
俺たち一行の脇をすり抜けて何者かたちが駆け抜け、獣人たちへと襲い掛かる。
それから一分もかからない内に獣人たちは全て始末されてしまった。後に残ったのは呆気に取られている俺たちと物言わぬ獣人たちの死体、そして彼らを始末した者たちが数人その場に立っていた。長い豊かな金髪に白い肌、特徴的な尖った耳とくればそれがエルフ族である事は明らかだ。
「怪我はない?」
先程のエルフの女性が問い掛けてきた。彼女はちょうど俺の真正面に立っていた。
とても綺麗な女性だ。スラリとした長身に腰まで伸びた金髪を後ろで束ねている。深い緑色の眼をジッと俺たちに向けている。その眼が俺たちの素性が何者か問い掛けているように感じた。
「えぇ、お陰様でね。助けてくれてありがとうございます」
俺は女性に向かって頭を下げた。
彼女の手には弓が握られている。獣人を射た矢は彼女が放ったのだろう。他の者たちもそれぞれ武器を手にして体を革の鎧で包んでいる。
「礼はいいわよ。あの獣人たちは私たちを追っていたの。むしろこっちが礼を言わなきゃ。お陰で不意を突く事ができたから」
「おい、ユリア!」
すぐ側にいた男のエルフが非難の眼差しを向けた。なるほど、この女エルフの名はユリアと言うらしい。
そのユリアが男の方に向けて肩を竦めた。
「別にいいじゃない? 見たところ、彼らは妖霊使いではないみたいだし……あなた、左肩を怪我しているわね」
ユリアは俺の左肩を指し示した。
「えぇ、暴漢に襲われましてね。あまりに酷い怪我なので、こうして遥々治癒してもらいに来たのです」
俺の話を聞いたユリアは再び男エルフに顔を向ける。男エルフは相槌を打つ代わりに俺に質問してきた。
「怪我なら、なぜ妖霊使いに治してもらわない?」
「妖霊使いとは、つまりアルタイア兵の事ですね? それはできない事なのです。精霊魔法は王族が独占している。我々には何の恩恵ももたらされないのです」
チラッと背後を見やれば、レイナの眼に微かに動揺の色が浮かんでいた。しかし、それは一瞬の事だったが。
「だから、優れた治癒術を持つエルフに会いに密かにこの国に入ってくる者たちがいる。そうよね?」
ユリアの言葉に相槌を打つ。
「ふむ、ならちょうどいいじゃない。私たちもエルフの森に向かっているところだったの。一緒に行きましょう」
「えっ!?」
彼女の言葉には俺たちだけでなく、他のエルフたちも驚いているようだった。
「おいユリア!」
男エルフが叫んだ。
「何よ?」
「何よ、ではない。素性も知れぬ者たちと行動できるか!」
まったくその通りだ。
彼女たちは何らかのトラブルに巻き込まれている事は明らか。わざわざ面倒事に関わる必要はない。
「でも、彼らは私たちの所為で襲われそうだった。その責任を感じない?」
ユリアは引き下がらない。
正確に言えば、襲われそうだったわけではなく、顔を確かめられそうになっただけなのだが……。
「だからと言って顔を隠しているような相手と行動を共にする気にはなれない。そもそも我々の森に入れる事も遠慮願いたいところだ」
男エルフは俺に視線を向けた。
「せめて顔を見せてもらおうか」
結局こうなるのか。
俺たち一行に緊張が走る。どうするか?
「別にいいじゃない、そんなこと」
このユリアの一言によってなし崩し的に俺たちの同行は決定した。
どうにもこの女のペースに乗せられてしまう。助けられた情のせいだ。
「じゃあ……あ、まだ名前を聞いていなかったわね。それくらいは教えてくださいな?」
ユリアが俺に尋ねてきた。もちろん、本名は言えない。
「アルゴン……」
咄嗟に答えた。自分の名に近い言葉で思い浮かんだ偽名がコレだ。とすると、家名は……。
「アルゴン・クリプトンです」
「アルゴンねぇ。変わった名前ね」
俺は曖昧に笑った。
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