底辺冒険者、ギルドを辞めて最強鬼畜魔神(美少女)とキャンピングカーで旅に出る

一本坂苺麿

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26話 アイトさん、魔神ミミですよー

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「ナナしゃん、久しぶりー。あと、えーと、うにゅは?」

 魔神ミミが僕の方を向いて尋ねてきた。

「僕はアイトだよ」
「アイトー、うにゅがナナしゃんを解放してくれたの?」

 解放?
 あぁ、ランプから出してあげたことか。

「うん、そうだよ」
「おぉ。アイトーは優しいんだねー」

 どこか間延びした言い方。
 ミミはナナさんやシシーとはまた違ったタイプの魔神のようだ。

 改めてミミを観察してみる。
 着ているローブはダボダボで、足下までスッポリと覆われている。

「ちょっといい加減に離れなよ!」

 ナナさんがミミを引き剥がす。

「何であんたがここにいるわけ?」
「んー? 何でだっけ?」

 ミミが首を傾げる。

「何でだっけって、あんたの物忘れの多さは相変わらずみたいね」

 ナナさんが呆れたように言う。

「ねぇ、ミミさん。君は誰に解放してもらったの?」

 ナナさんは僕に、シシーはイルヴァーナに解放された。きっとミミにも解放者がいるはずだが。

 僕が尋ねると、ミミは自らのローブを覗き込んだ。

「ミミを解放してくれたのはこの子だよー」

 彼女のローブの中から可愛らしい黒猫が頭を覗かせている。

「え、猫?」
「そうだよー」

 その意外すぎる解放者に唖然とする僕。

「まぁ、この娘はそんなものなんで、あまり深く考えない方がいいですよ」

 ナナさんはどうでもよさ気に言う。

 彼女がそう言うのだから、そんなものとして納得しておこう。

「あ、思い出した! ここにはイースに言われて来たんだよ」

 突然、ミミがポンと手を叩いて言った。
 すると、ナナさんの顔付きが険しくなる。

「……イースに?」

 彼女の顔には嫌悪感がありありと浮かんでいる。

「一体なんで……」

 と、彼女は僕にチラリと視線を向けて、言い淀む。
 その仕草で僕は察した。

「僕、もうちょっと街を探索してみるよ」
「え、アイトさん?」
「ほら、久しぶりに会ったんでしょ。積もる話もあるだろうからさ」

 僕は2人を残して街の探索を再開した。
 と、言っても何か見つかることを期待しているわけではない。

 ナナさんたち魔神にも何らかの事情があるのだろう。その事情に僕が首を突っ込むのは気がひける。
 もし、その気があるならば、彼女の方から話をしてくれるだろう。



 建物内を調べて外に出てみると、いきなり若い女性が走り寄って来た。

「助けて!」

 女性の背後から狼モンスターが迫って来ていた。

「僕の後ろに隠れて!」

 女性にそう言って僕は短剣を引き抜いた。
 これくらいのモンスターであればボウガンを使う必要はない。

 飛びかかって来たモンスターに短剣を突き刺す。
 怯んだところをさらに短剣を突き刺して息の根を止めた。

「大丈夫ですか?」

 女性に声を掛ける。
 彼女の肌は異常に白い。モンスターに襲われたショックと寒さのせいだろうか?
 だけど、その唇だけは鮮やかな赤色だった。

 怪しい。
 そもそもさっきまで人の気配なんてなかったはずだ。

 僕は警戒して後退った。
 と、急に後頭部に衝撃が走る。
 背後から何者かに殴られたらしい。

 僕は意識を失った。

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