59 / 67
59話 方位コンパス
しおりを挟む
「い、異世界だとぉ?」
亜人王が頓狂な声を上げる。
「いよいよもってわけがわからんぞ」
彼は天使のセンター長に向き直る。
「お前らは知ってんのか?」
「あ、あぁ、存在することは古くからの文献にも書いてある。しかし、実際に観測したことはなかった」
センター長はマジマジと黒猫を眺める。
「まぁ、アルゴン・クリプトン以降、俺が来るまで異世界から来た者などいなかっただろうからな」
黒猫は前足で頭を掻き回す。
「待ってくれ。お前が異世界から来て、賢者の石や魔神王のことを知っていたのならば、なんでもっと早くから話さなかった?」
イルヴァーナが冷ややかに問い詰める。
確かに。イースが魔神王復活を目論んでいることがわかっていたのなら、事前に僕らは彼の野望を阻止できていたかもしれない。
「あぁ、それなんだがな」
猫はバツが悪そうに眼を細めた。
「俺は魔神王が復活するまで普通の猫だったんだよ。皮肉なことにヤツによって魔力が増量したことで俺の本来の力を少し取り戻せたんだ」
「どういうこと?」
今度は僕が問いかけた。
「世界ってのは異物に対して敏感なんだよ。外から入り込んだ俺たちみたいなのには、制限が課されるんだ」
「制限?」
「あぁ、世界に対する影響度が強い程、受ける制限も大きくなる。まぁ、簡単に言えば強いヤツ程弱体化しちまうってことだ」
亜人王がボリボリと頭を掻きだした。
「なんだかよくわからん話だな。それは外部からやって来たヤツが世界をめちゃくちゃにしちまうのを防ぐ為か? そんな魔術があるわけか?」
黒猫は首を振って否定する。
「魔術じゃない。これはどの世界でも共通の法則ってヤツだ。アルゴン・クリプトンもその制限を受けていた。だからヤツは魔神王を倒しきれなかったんだ」
逆に言えば、本来の力を発揮できればアルゴン・クリプトンは魔神王を倒せたんだ。
「だけど、本物の賢者の石ならどうにかできたのだろ?」
イルヴァーナが小首を傾げる。
「あぁ、だけどその当時はまだ確信が持てなかったらしい。それにアルゴンが賢者の石を使った場合、悪い方に作用する可能性もあった。だから、その時は魔神王を封印し、その脅威を食い止めるに留めた」
「じゃあ、そのクリプトンが天使たちにアナフィリア王国を監視統制させたのか?」
イルヴァーナが再び問いかける。
そこにはアルゴン・クリプトンに対する非難が見て取れる。
「まぁ託したのは間違いない。だが、ヤツが想定していたのとは大分違っていたようだがな」
天使たちは気まずそうに眼を逸している。
「アレが最善だったんだ。魔神王を封じ続けるには犠牲を払う必要があった」
「……その犠牲を押し付けられたのが私たちというわけか?」
センター長とイルヴァーナが対峙するのを黒猫が止める。
「その責任の後始末は後にしようぜ。今は魔神王たちのことだ。えっと、そうそう、アルゴンはこの世界から去った後、賢者の石のこと十分に調べ、その安全な使用法を見つけ出した。だが、その頃、彼は別世界の大きな戦いに巻き込まれていてな。代わりにこの俺がこの世界にやって来たわけだ」
別世界の戦いだなんて想像もできない。それに今は僕らの世界のことで精一杯だ。
「だけども俺も世界の制限を受け、自由な行動ができないでいた。ミミを開放できたのはホント良かった」
黒猫は自分の背中に乗るミニミミを見やりながら言った。
「で、お前が賢者の石を使って魔神王をどうにかしてくれんのか?」
亜人王が問いかけると黒猫は否定した。
「いや、残念ながら俺ではない」
「じゃあ、誰が?」
今度はクイーナが問いかける。
「アイト、お前だ」
黒猫の言葉に、その場にいた者の視線がすべて僕に向けられる。
みな一様に驚きの表情を浮かべている。だが、一番驚いているのは他ならぬ僕だ。
「え、僕?」
「そうだ。お前だ」
黒猫は他のみんなを見回す。
「こいつは最近魔術の才能を開花させたばかりではあるが、その潜在能力はこの国一だと俺は考えている。お前はどうだイルヴァーナ?」
イルヴァーナはジッと僕のことを見てくる。
「そうだな……私も猫の意見には同意するよ。少し悔しいが、アイトくんが私の実力を超えていくのは時間の問題だったと思う」
僕は衝撃を受けた。
あのイルヴァーナさんが僕に魔術の才能があると認めてくれた。
古代樹で初めて会った時、こんな凄い魔術師がいるのだと僕は憧れの気持ちで彼女を見ていた。そんな彼女が僕を?
嬉しさよりも、やはり驚きのほうが大きい。
「で、使用者はいいとして、肝心の石はどこにあるんだよ?」
亜人王が先を促す。
「あぁ、それならアルゴンがこの世界から立ち去る際に誰にも見つからないように隠したんだぜ」
「おいおい、今からその場所を探さなきゃなんねぇなんて言うんじゃないだろうな?」
「大丈夫だ。アルゴンはヒントを残していった。隠し場所ならすぐにわかるさ」
黒猫は僕を見上げる。
「アイト、これまでの旅でお前はいくつかのアルゴンの所持品を見つけてきたんじゃないのか?」
黒猫の指摘に僕はハッとする。
そうだ。確かに僕らは古代樹から始まり、行く先々で彼の所持品を発見してきた。
「あとカルネスト湖のモノで全部揃う。ナナ?」
「命令すんなバカネコ!」
ミニナナさんが僕に向き直る。
「アイトさん、Nanazonを使いたいって魔力を込めて念じてください」
僕はナナさんの言う通りにしてみた。
すると、僕の手元に彼女がいつも使っていた専用端末が現れた。
「これでカルネスト湖から持ってこられるリストを見てください。クリプトンの野郎の持ち物があるはずです」
彼女の言う通り探してみると、確かにあった。
【アルゴン・クリプトンの壊れた方位コンパス】
それを選択すると僕の手の平の上に丸い金属製のコンパスが現れた。
ただし、そのコンパスには針がついていない。
「これってもしかして?」
今度はボックス・ディメンションを開き、浮遊島の鳥人からもらった羽ペンを取り出す。
この羽ペンの中には方位コンパスの針が隠されていた。
みんなが見守る中、僕は針をコンパスに戻した。
「……あれ?」
何も起こらない?
「おいアイト、アルゴンの所持品はまだあっただろ?」
黒猫の言葉に僕は思い出した。
「クイーナ、君が持っているペンダントだ!」
亜人の姫君はペンダントを取り出した。
「これが賢者の石への鍵だったのか……」
亜人王が呟くように言った。
そのペンダントは亜人たちの間で受け継がれてきたモノだった。全てはこの時のために。
「はめ込まれている宝石がいるんだ」
黒猫の指示でペンダントから外された宝石を、今度は方位コンパスの裏面の窪みにはめ込んだ。
僕の手の上でそれは激しく揺れ動き、針がグルグルと回っている。
「ここはデーモン・ディメンションだから正しく機能していないが、元の世界に戻れば賢者の石の在処を示してくれるんだぜ」
亜人王が頓狂な声を上げる。
「いよいよもってわけがわからんぞ」
彼は天使のセンター長に向き直る。
「お前らは知ってんのか?」
「あ、あぁ、存在することは古くからの文献にも書いてある。しかし、実際に観測したことはなかった」
センター長はマジマジと黒猫を眺める。
「まぁ、アルゴン・クリプトン以降、俺が来るまで異世界から来た者などいなかっただろうからな」
黒猫は前足で頭を掻き回す。
「待ってくれ。お前が異世界から来て、賢者の石や魔神王のことを知っていたのならば、なんでもっと早くから話さなかった?」
イルヴァーナが冷ややかに問い詰める。
確かに。イースが魔神王復活を目論んでいることがわかっていたのなら、事前に僕らは彼の野望を阻止できていたかもしれない。
「あぁ、それなんだがな」
猫はバツが悪そうに眼を細めた。
「俺は魔神王が復活するまで普通の猫だったんだよ。皮肉なことにヤツによって魔力が増量したことで俺の本来の力を少し取り戻せたんだ」
「どういうこと?」
今度は僕が問いかけた。
「世界ってのは異物に対して敏感なんだよ。外から入り込んだ俺たちみたいなのには、制限が課されるんだ」
「制限?」
「あぁ、世界に対する影響度が強い程、受ける制限も大きくなる。まぁ、簡単に言えば強いヤツ程弱体化しちまうってことだ」
亜人王がボリボリと頭を掻きだした。
「なんだかよくわからん話だな。それは外部からやって来たヤツが世界をめちゃくちゃにしちまうのを防ぐ為か? そんな魔術があるわけか?」
黒猫は首を振って否定する。
「魔術じゃない。これはどの世界でも共通の法則ってヤツだ。アルゴン・クリプトンもその制限を受けていた。だからヤツは魔神王を倒しきれなかったんだ」
逆に言えば、本来の力を発揮できればアルゴン・クリプトンは魔神王を倒せたんだ。
「だけど、本物の賢者の石ならどうにかできたのだろ?」
イルヴァーナが小首を傾げる。
「あぁ、だけどその当時はまだ確信が持てなかったらしい。それにアルゴンが賢者の石を使った場合、悪い方に作用する可能性もあった。だから、その時は魔神王を封印し、その脅威を食い止めるに留めた」
「じゃあ、そのクリプトンが天使たちにアナフィリア王国を監視統制させたのか?」
イルヴァーナが再び問いかける。
そこにはアルゴン・クリプトンに対する非難が見て取れる。
「まぁ託したのは間違いない。だが、ヤツが想定していたのとは大分違っていたようだがな」
天使たちは気まずそうに眼を逸している。
「アレが最善だったんだ。魔神王を封じ続けるには犠牲を払う必要があった」
「……その犠牲を押し付けられたのが私たちというわけか?」
センター長とイルヴァーナが対峙するのを黒猫が止める。
「その責任の後始末は後にしようぜ。今は魔神王たちのことだ。えっと、そうそう、アルゴンはこの世界から去った後、賢者の石のこと十分に調べ、その安全な使用法を見つけ出した。だが、その頃、彼は別世界の大きな戦いに巻き込まれていてな。代わりにこの俺がこの世界にやって来たわけだ」
別世界の戦いだなんて想像もできない。それに今は僕らの世界のことで精一杯だ。
「だけども俺も世界の制限を受け、自由な行動ができないでいた。ミミを開放できたのはホント良かった」
黒猫は自分の背中に乗るミニミミを見やりながら言った。
「で、お前が賢者の石を使って魔神王をどうにかしてくれんのか?」
亜人王が問いかけると黒猫は否定した。
「いや、残念ながら俺ではない」
「じゃあ、誰が?」
今度はクイーナが問いかける。
「アイト、お前だ」
黒猫の言葉に、その場にいた者の視線がすべて僕に向けられる。
みな一様に驚きの表情を浮かべている。だが、一番驚いているのは他ならぬ僕だ。
「え、僕?」
「そうだ。お前だ」
黒猫は他のみんなを見回す。
「こいつは最近魔術の才能を開花させたばかりではあるが、その潜在能力はこの国一だと俺は考えている。お前はどうだイルヴァーナ?」
イルヴァーナはジッと僕のことを見てくる。
「そうだな……私も猫の意見には同意するよ。少し悔しいが、アイトくんが私の実力を超えていくのは時間の問題だったと思う」
僕は衝撃を受けた。
あのイルヴァーナさんが僕に魔術の才能があると認めてくれた。
古代樹で初めて会った時、こんな凄い魔術師がいるのだと僕は憧れの気持ちで彼女を見ていた。そんな彼女が僕を?
嬉しさよりも、やはり驚きのほうが大きい。
「で、使用者はいいとして、肝心の石はどこにあるんだよ?」
亜人王が先を促す。
「あぁ、それならアルゴンがこの世界から立ち去る際に誰にも見つからないように隠したんだぜ」
「おいおい、今からその場所を探さなきゃなんねぇなんて言うんじゃないだろうな?」
「大丈夫だ。アルゴンはヒントを残していった。隠し場所ならすぐにわかるさ」
黒猫は僕を見上げる。
「アイト、これまでの旅でお前はいくつかのアルゴンの所持品を見つけてきたんじゃないのか?」
黒猫の指摘に僕はハッとする。
そうだ。確かに僕らは古代樹から始まり、行く先々で彼の所持品を発見してきた。
「あとカルネスト湖のモノで全部揃う。ナナ?」
「命令すんなバカネコ!」
ミニナナさんが僕に向き直る。
「アイトさん、Nanazonを使いたいって魔力を込めて念じてください」
僕はナナさんの言う通りにしてみた。
すると、僕の手元に彼女がいつも使っていた専用端末が現れた。
「これでカルネスト湖から持ってこられるリストを見てください。クリプトンの野郎の持ち物があるはずです」
彼女の言う通り探してみると、確かにあった。
【アルゴン・クリプトンの壊れた方位コンパス】
それを選択すると僕の手の平の上に丸い金属製のコンパスが現れた。
ただし、そのコンパスには針がついていない。
「これってもしかして?」
今度はボックス・ディメンションを開き、浮遊島の鳥人からもらった羽ペンを取り出す。
この羽ペンの中には方位コンパスの針が隠されていた。
みんなが見守る中、僕は針をコンパスに戻した。
「……あれ?」
何も起こらない?
「おいアイト、アルゴンの所持品はまだあっただろ?」
黒猫の言葉に僕は思い出した。
「クイーナ、君が持っているペンダントだ!」
亜人の姫君はペンダントを取り出した。
「これが賢者の石への鍵だったのか……」
亜人王が呟くように言った。
そのペンダントは亜人たちの間で受け継がれてきたモノだった。全てはこの時のために。
「はめ込まれている宝石がいるんだ」
黒猫の指示でペンダントから外された宝石を、今度は方位コンパスの裏面の窪みにはめ込んだ。
僕の手の上でそれは激しく揺れ動き、針がグルグルと回っている。
「ここはデーモン・ディメンションだから正しく機能していないが、元の世界に戻れば賢者の石の在処を示してくれるんだぜ」
0
あなたにおすすめの小説
【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。
大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。
そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。
しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。
戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。
「面白いじゃん?」
アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる