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4巻
弱い自分
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シレ「本当の力?何を言って・・・」
僕*『壱ノ術・・・風刺!』
紫色の粒子が散っている中、僕は「壱ノ術・風刺」を発動する。普通の風刺は、竜巻のような風が三つ出現し相手に放たれる。その風は切り味のいいナイフのように鋭い。そんな妖術。でも・・・
シレ「壱ノ術?あなた、私の事馬鹿にしてるの?」
僕*「・・・馬鹿にしてるのはどっちだろうね」
シレ「はぁ?・・・っ!」
僕が使った妖術は、そんな風が五つ、しかも威力や風の鋭さ、スピードが普通のものの約五倍。普通だったら、壱ノ術ではなく、弐ノ術でもいいくらいの妖術となっているのだ。
シレ「これが・・・壱ノ術・・・?」
僕*「そうだよ?これが僕にとっての壱ノ術」
シレ「君にとって?それって・・・」
僕*「さぁ、まだまだ行くよ?僕はまだ遊び足りないんだから」
僕は片手を前に出し、そして日本刀を出現させる。それを見た瞬間、シレの表情が一気に変わった。
シレ「その能力は・・・」
僕*「そう、僕の主・・・梨由の能力だよ」
シレ「何で君が・・・」
僕*「言ったよね?主から力を借りてるって」
シレ「・・・っ」
僕*「それじゃ、終わりにしようか」
僕は日本刀の先を下に向けて構える。多分、この妖術を使えばシレも気絶程度になると思う。その妖術とは・・・
僕*『弐ノ術・光幻刀』
シレ「っ!?」
「弐ノ術・光幻刀」。この妖術は、相手に向かって刀を構えて接近し、相手に刀が触れても触れなくても幻覚を見せるというもの。普通だったら、相手の脳に攻撃をするため、参ノ術くらいの威力があるが、主の力によって、僕が使うと弐ノ術となる。
僕が妖術を使うと、シレは刀を避けようとする。しかし、横に避けようとした直前にシレは目を見開いて横ではなく、後ろに飛んで回避した。
シレ「っ・・・」
僕*「どう?悟り能力者としてのその感覚は」
シレ「幻覚の妖術・・・」
僕*「流石は悟り能力者。妖術の内容が分かってるなんてね」
シレ「ふん・・・甘く見ないで・・・」
幻覚を見ているというのに、やけに落ち着いていた。いくら、幻覚を見ているということに気づいていても多少の焦りが出ているはず。しかし、シレにはその焦りが無いように見えた。
シレ「今回は、一時撤退するわ」
僕*「あれぇ?逃げるの?」
シレ「違うわ。戦略を立て直すだけ。それじゃ」
そう言うと、シレは赤也を宙に浮かせながら魔法陣を開きその中に入っていった。すると、その魔法陣はスゥっと消えてなくなった。
僕*「結局、逃げるんじゃん・・・っ!」
僕は突然、自分の体から力が抜けその場に崩れるようにして倒れた。
僕*「っ・・・そんなに使ってないのに・・・なんで・・・」
おかしい。いくら、主の力を借りたからと言って、僕は自分の体が倒れるまでは力を使っていない。せいぜい、四割程度。その程度の使用で、ここまで体に負担が来るのは明らかにおかしかった。
僕*「そんなに力は衰えてないと思うんだけど・・・」
僕はそう言いながら、仰向けになり一息つく。すると・・・
?*「ちょ、大丈夫!?」
僕*「・・・っ!?」
僕の横に僕の主、「林篠梨由」が心配そうに僕の事を見ていた。
何で?何で立ってられるの?普通なら、僕に力を分けた人は、二週間くらいは立つどころか、目が覚めるかどうかの問題なのに・・・
僕*「主・・・何で・・・」
梨由「私の力を借りるって、そういう事だったんだね」
僕*「・・・・・」
梨由「・・・無理しちゃ駄目だよ」
僕*「無理・・・?僕は無理なんか・・・」
主に反論しようと身体を起こそうとするが、力が入らず首しか動かなかった。
梨由「してないって言うの?」
僕*「・・・したのかな」
梨由「やっぱり・・・全く、無理しちゃ駄目でしょ?」
僕*「ごめん・・・」
梨由「まぁいいよ・・・無事だったなら」
僕*「・・・主」
やっぱり、僕は主には逆らえない。主は、こんな僕を・・・弱い僕を信じてくれている。僕は・・・その期待に答えなきゃならないんだ。主は、僕の事「最強な妖怪」って言っていたけれど・・・僕はそんなに強くない。むしろ、この世で一番弱い妖怪なんだと思う。それでも、僕は・・・
梨由「ん?おーい!優良ー?」
僕*「えっ?な、何?」
梨由「大丈夫?ぼーっとしてて・・・」
僕*「だ、大丈夫!ちょっと疲れただけだよ・・・」
梨由「それなら、私の身体に戻ったら?その方が休めるでしょ?」
僕*「う、うん・・・そうするよ」
そう言い、僕は梨由の身体へと戻っていく。そして、僕は何があろうと主・・・林城梨由の従者として付いていくと、そう決心した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
風夜「・・・早いお帰りだな」
シレ「・・・予想外な事が起きたからよ」
風夜「あ?予想外だ?」
月音「・・・彼女の能力ですか?」
風夜「月音」
シレ「えぇ、しかもあの吸血化け狐・・・彼女と契約を済ませてしまったわ」
風夜「はぁ!?おまっ、それやばい状況じゃねぇか!」
シレ「えぇ、こうなった以上・・・」
シレ『生かしておくわけにはいかないわね』
僕*『壱ノ術・・・風刺!』
紫色の粒子が散っている中、僕は「壱ノ術・風刺」を発動する。普通の風刺は、竜巻のような風が三つ出現し相手に放たれる。その風は切り味のいいナイフのように鋭い。そんな妖術。でも・・・
シレ「壱ノ術?あなた、私の事馬鹿にしてるの?」
僕*「・・・馬鹿にしてるのはどっちだろうね」
シレ「はぁ?・・・っ!」
僕が使った妖術は、そんな風が五つ、しかも威力や風の鋭さ、スピードが普通のものの約五倍。普通だったら、壱ノ術ではなく、弐ノ術でもいいくらいの妖術となっているのだ。
シレ「これが・・・壱ノ術・・・?」
僕*「そうだよ?これが僕にとっての壱ノ術」
シレ「君にとって?それって・・・」
僕*「さぁ、まだまだ行くよ?僕はまだ遊び足りないんだから」
僕は片手を前に出し、そして日本刀を出現させる。それを見た瞬間、シレの表情が一気に変わった。
シレ「その能力は・・・」
僕*「そう、僕の主・・・梨由の能力だよ」
シレ「何で君が・・・」
僕*「言ったよね?主から力を借りてるって」
シレ「・・・っ」
僕*「それじゃ、終わりにしようか」
僕は日本刀の先を下に向けて構える。多分、この妖術を使えばシレも気絶程度になると思う。その妖術とは・・・
僕*『弐ノ術・光幻刀』
シレ「っ!?」
「弐ノ術・光幻刀」。この妖術は、相手に向かって刀を構えて接近し、相手に刀が触れても触れなくても幻覚を見せるというもの。普通だったら、相手の脳に攻撃をするため、参ノ術くらいの威力があるが、主の力によって、僕が使うと弐ノ術となる。
僕が妖術を使うと、シレは刀を避けようとする。しかし、横に避けようとした直前にシレは目を見開いて横ではなく、後ろに飛んで回避した。
シレ「っ・・・」
僕*「どう?悟り能力者としてのその感覚は」
シレ「幻覚の妖術・・・」
僕*「流石は悟り能力者。妖術の内容が分かってるなんてね」
シレ「ふん・・・甘く見ないで・・・」
幻覚を見ているというのに、やけに落ち着いていた。いくら、幻覚を見ているということに気づいていても多少の焦りが出ているはず。しかし、シレにはその焦りが無いように見えた。
シレ「今回は、一時撤退するわ」
僕*「あれぇ?逃げるの?」
シレ「違うわ。戦略を立て直すだけ。それじゃ」
そう言うと、シレは赤也を宙に浮かせながら魔法陣を開きその中に入っていった。すると、その魔法陣はスゥっと消えてなくなった。
僕*「結局、逃げるんじゃん・・・っ!」
僕は突然、自分の体から力が抜けその場に崩れるようにして倒れた。
僕*「っ・・・そんなに使ってないのに・・・なんで・・・」
おかしい。いくら、主の力を借りたからと言って、僕は自分の体が倒れるまでは力を使っていない。せいぜい、四割程度。その程度の使用で、ここまで体に負担が来るのは明らかにおかしかった。
僕*「そんなに力は衰えてないと思うんだけど・・・」
僕はそう言いながら、仰向けになり一息つく。すると・・・
?*「ちょ、大丈夫!?」
僕*「・・・っ!?」
僕の横に僕の主、「林篠梨由」が心配そうに僕の事を見ていた。
何で?何で立ってられるの?普通なら、僕に力を分けた人は、二週間くらいは立つどころか、目が覚めるかどうかの問題なのに・・・
僕*「主・・・何で・・・」
梨由「私の力を借りるって、そういう事だったんだね」
僕*「・・・・・」
梨由「・・・無理しちゃ駄目だよ」
僕*「無理・・・?僕は無理なんか・・・」
主に反論しようと身体を起こそうとするが、力が入らず首しか動かなかった。
梨由「してないって言うの?」
僕*「・・・したのかな」
梨由「やっぱり・・・全く、無理しちゃ駄目でしょ?」
僕*「ごめん・・・」
梨由「まぁいいよ・・・無事だったなら」
僕*「・・・主」
やっぱり、僕は主には逆らえない。主は、こんな僕を・・・弱い僕を信じてくれている。僕は・・・その期待に答えなきゃならないんだ。主は、僕の事「最強な妖怪」って言っていたけれど・・・僕はそんなに強くない。むしろ、この世で一番弱い妖怪なんだと思う。それでも、僕は・・・
梨由「ん?おーい!優良ー?」
僕*「えっ?な、何?」
梨由「大丈夫?ぼーっとしてて・・・」
僕*「だ、大丈夫!ちょっと疲れただけだよ・・・」
梨由「それなら、私の身体に戻ったら?その方が休めるでしょ?」
僕*「う、うん・・・そうするよ」
そう言い、僕は梨由の身体へと戻っていく。そして、僕は何があろうと主・・・林城梨由の従者として付いていくと、そう決心した。
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風夜「・・・早いお帰りだな」
シレ「・・・予想外な事が起きたからよ」
風夜「あ?予想外だ?」
月音「・・・彼女の能力ですか?」
風夜「月音」
シレ「えぇ、しかもあの吸血化け狐・・・彼女と契約を済ませてしまったわ」
風夜「はぁ!?おまっ、それやばい状況じゃねぇか!」
シレ「えぇ、こうなった以上・・・」
シレ『生かしておくわけにはいかないわね』
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