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5巻
強敵の魔術師
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レンと名乗るその男性の後ろの火の鳥は、レンが名乗った時に上に飛んでいき、すぐに見えなくなった。
マレン「魔法使い・・・?」
レン 「魔法使い?あはは、違うよ」
マレン「だって、あの鳥・・・」
レン 「あぁ、あれはただ、ちょっと演技をしただけ」
マレン「演技・・・」
私* 「・・・・・」
この時、私の脳内でレンと名乗るこの男性に対して、警報のようなものが鳴り響く。今にも気絶しそうなのに・・・
レン「んでさ?僕は、その子に用があるんだ。殺したりはしないから、どいてくれるかな」
ナル「・・・・・」
レンにそう言われたナルは、少しの間考える素振りを見せた。しかし・・・
ナル「・・・断る」
レン「・・・・・」
ナル「殺したりはしない。じゃあ何するんだ?回復でもしてくれるのか?」
レン「・・・そうだよ」
私*「うそ・・・」
ナル「っ!梨由!」
無意識にそう言っていた。確かめるよりも先にレンが嘘をついているというのが分かってしまった。何故だかは分からない。
レン「どうしてそう思うの?」
私*「それ・・・は・・・」
私は言葉に詰まる。レンが嘘をついていると断言した以上、理由を言わなければならないのだが、無い訳ではない。しかし、言葉にしにくい。悩んだ挙句、選んだ言葉は・・・
私*「勘・・・かな・・・」
レン「勘・・・」
私がその言葉を言った途端、レンが一瞬だけ表情を引き攣らせていたのが分かった。
レン「なるほどね!凄いね、君!」
私*「はぁ・・・はぁ・・・っ!?」
レンの笑った顔を見た瞬間、私の身体中が何かに締め付けられるような痛みを感じた。普通の状態なら、少し苦しい程度の強さなのだが、負傷を負っている今の状態では激痛だった。
マレン「梨由ちゃん!!」
レン 「君が何故、そこまでの負傷を負っているのにも関わらず、気絶しないか・・・知ってる?」
私* 「ぐっ・・・っ!」
レン 「それはね?」
レンはそう言うと、周りの粒子を集め始める。そして、その粒子は鎖の形に変形していくのが見えた。
レン「この僕が、君の従者を使えなくしてるからだよ」
龍牙「なっ!?」
レン「いやぁ、やっぱり半妖は面倒くさいね」
ナル「てめぇ・・・!」
龍牙「くそっ・・・!華菜!」
龍牙がそう叫ぶと、レンに向かって何本かの鋭い糸が張り巡らされた。
華菜「あの子を、解放しなさい。さもなければ、貴方を細切れにするわよ」
レン「おぉ、怖い怖い。でも・・・」
──スパーーーン──
華菜「っ!?」
レン「少しスピードが遅いかな」
レンは、一瞬で数本の糸を同時に切った。その様子に華菜は、驚きを隠せない様子だ。
華菜「な、何で・・・」
レン「さぁてと、遊んでる時間はもう無いかな」
レンは、そんな事を言うと手に持っていた光る鎖を私に投げてきた。
私*「っ!」
レン「これ以上、君を野放しにしとくのは不味いからね。僕達と一緒に来てもらうよ」
龍牙「お、おい!待て!梨由は・・・」
レン「大丈夫。殺したりはしないから♪」
そんな話をしている間に、私に当たった鎖は早いスピードで私の身体を拘束していった。そして、レンの言葉を聞いた時には、身動きができないくらいに鎖が巻かれてしまった。
私* 「くっ・・・」
ナル 「梨由!」
マレン「っ!梨由ちゃんを離せ!」
──ビリビリ!──
マレン「っ!?何で・・・」
シレ 「っ・・・」
マレン「っ!!」
──ドスっ!──
マレン「ぐはっ!」
ナル 「マレン!!」
私の鎖に目掛けて打ったマレンの雷は、見事に弾いてしまった。挙句、マレンはシレに不意をつかれ、腹部に蹴りを入れられた。
レン「それじゃ、僕達は帰るとするか!」
シレ「・・・えぇ」
ナル「待て!梨由をどうする・・・」
レン「この子を助けたかったら・・・僕達の所まで来ることだね」
龍牙「っ!」
レン「まぁ、助けに来た時にこの子が味方でいるかは・・・知らないけどね?」
龍牙「っ!?」
レンはそう言うと、私の方へ腕を出した。すると、私の身体はフワリと宙に浮きそのままシレが作ったゲートのようなものに入れられた。その瞬間、私は気を失った。
マレン「魔法使い・・・?」
レン 「魔法使い?あはは、違うよ」
マレン「だって、あの鳥・・・」
レン 「あぁ、あれはただ、ちょっと演技をしただけ」
マレン「演技・・・」
私* 「・・・・・」
この時、私の脳内でレンと名乗るこの男性に対して、警報のようなものが鳴り響く。今にも気絶しそうなのに・・・
レン「んでさ?僕は、その子に用があるんだ。殺したりはしないから、どいてくれるかな」
ナル「・・・・・」
レンにそう言われたナルは、少しの間考える素振りを見せた。しかし・・・
ナル「・・・断る」
レン「・・・・・」
ナル「殺したりはしない。じゃあ何するんだ?回復でもしてくれるのか?」
レン「・・・そうだよ」
私*「うそ・・・」
ナル「っ!梨由!」
無意識にそう言っていた。確かめるよりも先にレンが嘘をついているというのが分かってしまった。何故だかは分からない。
レン「どうしてそう思うの?」
私*「それ・・・は・・・」
私は言葉に詰まる。レンが嘘をついていると断言した以上、理由を言わなければならないのだが、無い訳ではない。しかし、言葉にしにくい。悩んだ挙句、選んだ言葉は・・・
私*「勘・・・かな・・・」
レン「勘・・・」
私がその言葉を言った途端、レンが一瞬だけ表情を引き攣らせていたのが分かった。
レン「なるほどね!凄いね、君!」
私*「はぁ・・・はぁ・・・っ!?」
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私* 「ぐっ・・・っ!」
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レンはそう言うと、周りの粒子を集め始める。そして、その粒子は鎖の形に変形していくのが見えた。
レン「この僕が、君の従者を使えなくしてるからだよ」
龍牙「なっ!?」
レン「いやぁ、やっぱり半妖は面倒くさいね」
ナル「てめぇ・・・!」
龍牙「くそっ・・・!華菜!」
龍牙がそう叫ぶと、レンに向かって何本かの鋭い糸が張り巡らされた。
華菜「あの子を、解放しなさい。さもなければ、貴方を細切れにするわよ」
レン「おぉ、怖い怖い。でも・・・」
──スパーーーン──
華菜「っ!?」
レン「少しスピードが遅いかな」
レンは、一瞬で数本の糸を同時に切った。その様子に華菜は、驚きを隠せない様子だ。
華菜「な、何で・・・」
レン「さぁてと、遊んでる時間はもう無いかな」
レンは、そんな事を言うと手に持っていた光る鎖を私に投げてきた。
私*「っ!」
レン「これ以上、君を野放しにしとくのは不味いからね。僕達と一緒に来てもらうよ」
龍牙「お、おい!待て!梨由は・・・」
レン「大丈夫。殺したりはしないから♪」
そんな話をしている間に、私に当たった鎖は早いスピードで私の身体を拘束していった。そして、レンの言葉を聞いた時には、身動きができないくらいに鎖が巻かれてしまった。
私* 「くっ・・・」
ナル 「梨由!」
マレン「っ!梨由ちゃんを離せ!」
──ビリビリ!──
マレン「っ!?何で・・・」
シレ 「っ・・・」
マレン「っ!!」
──ドスっ!──
マレン「ぐはっ!」
ナル 「マレン!!」
私の鎖に目掛けて打ったマレンの雷は、見事に弾いてしまった。挙句、マレンはシレに不意をつかれ、腹部に蹴りを入れられた。
レン「それじゃ、僕達は帰るとするか!」
シレ「・・・えぇ」
ナル「待て!梨由をどうする・・・」
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