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2年生

第78話 弟子と彼女

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高嗣「鷹島さんがで、弟子ですか?」
太陽「あぁ。自分から頼んだ。」
高嗣「…ど、どうしてですか?」
太陽「やっぱり選手になるには一流の人から学ぶことが大事かな?って。」
佳宏「初めは対戦申し込んできたのかと思ったけどね。」
恭佑「勝負好きの太陽らしいな。」
太陽「だって本物を味わってみたいじゃん?」
恭佑「お前は刺激を求めすぎだな。」
太陽「コテンパンにやられても味わいたいんだよ、刺激を。」
佳宏「そんな太陽を俺は気に入っている。太陽、俺の弟子になってくれてありがとう。」
太陽「いやいや、俺逆に役に立ってるッスかね?」
佳宏「当たり前だよ。俺が作ったメニューは全部きっちりこなすし、運動神経は並外れてるし、自主練もちゃんとこなしてるし、ジムでの体づくりもバッチリだし。今の夏のオリンピックが終わったら試合に出てみるのもありだよ。」
恭佑「頑張ってるんだな、お前。」
太陽「当たり前だろ。だって俺は選手になる為にアメリカに戻ってきたんだ。絶対一流の選手になってやる!」
高嗣「が、頑張ってください。応援してます。」
太陽「あざーす!」
佳宏「それより」

コンコン

佳宏「ケイト?ここにいるんでしょ?」

ガチャ

ケイト「ヒロ!」

ケイトちゃんは急にヒロに抱きついた。

ケイト「あ、会いたかった。夢じゃないよね?」
佳宏「夢じゃないよ、現実だよ。ケイト?」
ケイト「う、うれしい。」

グスグスグスグス

ケイト「ごめんなさい。勝手にいなくなったりして。私、私、ヒロに会いたくて仕方なかったの。だから家出したの。…ほ、ホントはヒロと毎日一緒に過ごしたい。もう遠距離は限界だよ。お願い、ヒロ。私と同棲して?」
佳宏「…そうだな。俺もそうしたいが」
ケイト「もうパパとの約束なんてどうでもいいわ。ヒロ、駆け落ちして!」
佳宏「ケイト。落ち着け。まずお父さんを説得しよう。ケイトにとってお父さんは大事な人じゃないの?お父さんはケイトを男手1つで育ててくれた人だろ?」
ケイト「…そうだけど。パパは私たちの結婚に賛成してくれているけど、高校を卒業するまではパパの元にいるのが条件じゃない?私もう限界。」
佳宏「お父さんとの約束は守ろう。」
ケイト「じゃあ今すぐ別れて!」
佳宏「どうしてそうなる?」
ケイト「だってヒロはパパの意見に賛成なんでしょ?」
佳宏「賛成というか、お父さんとの関係もうまくやっていきたいからね、正直。」
ケイト「…じゃあ私アメリカの高校に編入するわ。フロリダの高校に編入する。寮に入る。そうすればヒロと会える時間が増える。」
佳宏「…考え直してくれたんだね、ありがとう。一緒にお父さんを説得しよう。」
ケイト「うん!お願いね。」
佳宏「任せろ。」
高嗣「い、今からイギリス行くんですか?」
佳宏「ううん。大会が終わってから。」
高嗣「…でも、それだとヒロ忙しくなりませんか?」
佳宏「だからお父さんにはそれまで待ってもらう。」
高嗣「お父さん待てますかね?」
佳宏「やればできる俺だ。タカ安心して。」
高嗣「自信満々ですね。」
佳宏「当たり前だよ。だって僕は生まれながら最強の美貌を持ち文武両道で人間付き合いがうまくて、お金があって失敗経験が少ないからね。だから大丈夫だよ。」
高嗣「美貌は関係ないような気が」
佳宏「あるよ!だって大抵の人間は俺に惚れるよ。今までそうだったもん。俺のバレンタインチョコの数聞きたい?」
高嗣「…結構です。」
佳宏「なんでー?!」
高嗣「ただのヒロの自慢話だからです。ヒロが調子に乗るからです。」
佳宏「ああそう。」
太陽「振られるンスか。あはは。」
高嗣「鷹島さん。ヒロに絶対こういう話禁句ですよ。」
太陽「え?」
高嗣「鷹島さんがつらくなるだけですよ。」
太陽「まあ俺はそういう話嫌いじゃないけどな。そもそも俺芸能人だったからそういうの慣れてるんだわ。」
高嗣「…嫌味ですね。」
太陽「なんでだよ?!つーか俺モテることに飽きたわ。」
高嗣「え?」
太陽「普通のファンはいいけどさ、行き過ぎたファンは嫌だわ、正直。昔色々あったんだよ。嫌なことが。」
高嗣「そうなんですか。」
太陽「だから芸能人辞めた。」
恭佑「でも、スポーツ選手も同じじゃないのか?」
太陽「たしかに似てるファンはいるかもしれない。けど、俺にとってスポーツ選手はチャンスだったんだ。だって俺頭悪いから普通の仕事就けないじゃん。でも、スポーツ選手や芸能人なら学歴不問の世界じゃん。だから俺は才能を活かした仕事がしたい!」
佳宏「太陽。芸能人やスポーツ選手は頭悪い人だけがいくらでもなれると思ってるの?それは大間違いだよ。芸能人やスポーツ選手になれるのは一握りの世界なんだよ。太陽は今までその世界の一握りになれたんだよ。だからスポーツ選手もきっと努力すれば活躍できるよ、きっと。応援してる。」
太陽「あざーす!」
佳宏「活躍したら人気は必ず出るよ。だからファンができることはちゃんと理解して。」
太陽「わかったス。
佳宏「今日はもう寝よう。朝になるよ。」
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