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日乃本 義に手を出すな 番外篇
番外篇 壱 ソシャゲと例のスイッチ 後
しおりを挟む日乃本 義は長い脚を組み直して、「あー……、あれね」と言うと、柾彦のほうを向いて意味ありげに目を細めた。
「柾彦、知りたい?」
「気にはなるけど、お前には訊かない。
栗山さん、あの階川迎賓館…ってところ、起爆スイッチ、いくつあるんですか?」
「ひゃははははは」
突然、日乃本 義が大声で笑い出した。
「なんだよお前、突然。気持ち悪いな」
「柾彦…っ、一旦『起爆スイッチ』から離れよ?
僕、爆発するなんて一言も言ってないし」
「……は?」
腹を抱えながら笑う日乃本 義を見て、柾彦がポカンとしていると、「これは義様が悪いですよ」と栗山が声を掛けてきた。
「柾彦様からご質問を頂きましたので、回答致しますね。
まず、シャンデリアを落下させるスイッチとは、義様が仰っていたように、全てのシャンデリアを一気に地上から手の届く所まで落下…というよりは下降させる事ができるスイッチの事でしょうね。一気に、といっても、安全上ゆっくりと地面に向かって下降する仕様になっており、シャンデリアの定期清掃や点検の為に使用するものです。
ちなみに特定のシャンデリアだけを下降させるスイッチもございまして、こちらは電球の交換時に使用いたします。これらは会場の裏側にあり、ワイヤレスではございません。
間違っても爆発したり、いきなり天井から降ってきて粉々になるような事はございませんよ。
そして、テーブルの爆発物なんて大袈裟に仰ってましたが、おそらくこちらは仕掛けテーブルの中にプリセットされているパーティークラッカーの事だと思われます。スイッチを押すと、プレゼントと一緒にテーブルの下の隠し収納部分から出てくる、記念日等のサプライズ用の仕掛けの一部ですね。危ないので、紐を引かない限りは勝手に爆発したり致しません」
栗山の説明を聞いた柾彦は脱力した。
「なんだよ…それ……」
隣で「本当に起爆スイッチなんて仕掛けてたら、さすがに僕でも逮捕されちゃうよ」と呑気に笑う日乃本 義にじわじわと殺意が湧いてくる。
「お前な……ッ、起爆スイッチなんかが少なくとも二つは付いてる物騒な建物はあるわ、お前みたいな好色家がいるわで、東喬っておっかねー所だなって本気で思ってたんだぞ!」
柾彦は日乃本 義に怒鳴りつけた。
「僕は好色家じゃなくて好角家だよ」
「うまい事言ったつもりか?この変態」
日乃本 義は、笑みを浮かべながら柾彦の太腿に手を置くと、ゆっくりと撫でた。
「そんなに言うなら、柾彦専用の変態になってあげる」
柾彦は無言で日乃本 義の手を払いのけると、彼から少し距離を取ったところに座り直した。
日乃本 義は払いのけられた手を残念そうに一瞥すると、柾彦に視線を移し、口角を上げた。
「はは、今にも唾を吐きかけてきそうな顔をしているね」
――お望みなら、その通りにしてやるが?
番外篇 壱 終
完結後、多くの方に読んで頂いているようで非常に驚いています。
連載中からずっと読んで下さってる方も、今回初めて見つけて下さった方も、本当にありがとうございます…‼︎
ゲームの描写などは適当なので、深く突っ込まないで頂けますと助かります;
次は冒頭と最後にちょろっと名前だけ出てきた、長谷川が登場するお話をアップする予定です。
引き続き、楽しんで頂けましたら嬉しいです。
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