2 / 53
2 中島さんは?
しおりを挟む
20分程で妹が到着。
可愛らしい白いアウターに、ヒラヒラと柄物のミニスカートが揺れている。
可愛い猫ポーチに、サンダルで大きく手を振る姿が、大学生と言うより小学生だなと頷いてしまう。
「あれ?中島さんらしき人がいないわねぇ……」
咲ちゃんから戸惑いの声が漏れる。
「確かに……」
駆けて来る妹の周辺に、中島さんらしき人はみあたらない。
やっぱりやめたか、駆ける速さに追い付けなかった……か?
「兄ちゃん、咲さん、お待たせっ!!」
「はい。元気があって、非常に宜しい……てか、中島さんは?」
こてん?と頭を傾げる妹。
えっ?!自分で言った事、忘れたの?!
まさか熱中症?! それよりも食料少な過ぎてアホの子になっちゃった?!
一気に心臓に来た。
「あっ!そっか、そっか!」
そう言うと妹はクルリと後ろを向き、振り向きながら、こう言った。
「コレが『中島』だよ!!」
妹の腰の辺りにさげられた虫ケース。
その中にいた、人指し指程の青虫が、
横たわっていた。
……横たわって……?!
「「「中島っっっ?!」」」
『中島』は妹の駆ける速さについて行けなかったらしい。
主に揺れ。
出会ってすぐにお別れの予感がプンプンします。
「妹よ……なぜ『中島』なのか……?」
「中島公園で捕まえたから『中島』だよ?」
「この兄妹のネーミングセンス……」
咲ちゃんが無言でコチラを責めている……
いや、ゲームのペット名の話?
今、関係ある?
ただ、馬にウマ子・ウマ美・ウマ菜って順番につけただけじゃ……
えっ?タメ息つかれたけど……えっ?
「と……とりあえず、中島を日陰で休ませようか?」
とりあえず移動して、一休みして中島を見る。
「ごめんね、兄ちゃん」
「はぁ……まさか中島が、そちら側だとは思わないよ……」
「そちら側って……ぶふっ」
咲ちゃん……好きなだけ吹き出しておくれ。
自分の1番苦手なモノなのだから仕方ないじゃないの。
苦手になったきっかけも妹だったのだが……
あれは自分が中学生の頃……
早起きが苦手になった、自分。
普通に起こされても起きれなかった、自分。
自分を起こす為に、妹が取った作戦は……
自分の顔にヤツを乗せる事だった……
「₲₨!?&∇¿%₰!?」
地獄の目覚めだった。
いや、その前にも……
1シーズン中に7回位、毛虫から成虫までのシーンを自宅で見せられた事とか……
捕まえて、育てて、還すの繰り返し。
自分は……白くなってた。
いや、更に前だな……
幼い妹が、ニコニコしながら近寄って来て
「にーちゃんイイものあげる!!」
差し出した手に乗せられたキアゲハの幼虫……他にもあったな。
アカン。ロクな思い出じゃない。
封印しとこ。
「兄ちゃん……中島の活きが悪い……」
お前のせいだと言いたいが、グッとこらえる。
「あ~……逃がしてあげた方がいいんじゃないか?」
てゆーか、逃がしてあげて。お願い。
「ここで逃がしたら、植生違うし生き残れないよ……」
「じゃぁ、もといた所に……」
「葉っぱまで戻る力がないから、置いてきたらすぐ食われちゃうよ……」
あ~っっ自然界の弱肉強食ぅっ!!
こっち(妹)が悪いから、リリースしても罪悪感が残るぅっっ!!
「はぁ~……仕方ない……中島、暑いのもあるかもしれないぞ?虫ケースの中、かなり暑いだろう?」
「確かに……」
「試しに水……は近場にないなぁ……ちょっと、このお茶少し入れてみな……」
笹から出来たお茶を1滴ケースに入れると……
中島は、ヨロヨロと水滴に近寄って来た。
そして、水滴がキレイにチューと消えたのである。
「あらぁ~青虫もお茶飲むのねぇ……」
「うん。中島、お茶もいけるんだねぇ」
「いや、危機迫った状態で、背に腹は変えられねぇって感じだと思うけど?」
もぅ、絶対にマネしちゃいけません。
新鮮な葉っぱあげてよね?
そう言うと、
「兄ちゃん、苦手な割に詳しいよね?」
と、ニコニコしてやがりました。
超苦手だけど、平気なフリしてないと、兄ちゃんいたぶられちゃうでしょ?
君達(母親と妹)の虫会話はちゃんと聞いてたよっ。
はぁ……
その後、元気を取り戻した中島ケースを前に抱えた妹が、出店を堪能して、1日は終わった。
咲ちゃんとの食い倒れデートは、まぁ楽しめたと言う感じだったので、良しとしよう。
可愛らしい白いアウターに、ヒラヒラと柄物のミニスカートが揺れている。
可愛い猫ポーチに、サンダルで大きく手を振る姿が、大学生と言うより小学生だなと頷いてしまう。
「あれ?中島さんらしき人がいないわねぇ……」
咲ちゃんから戸惑いの声が漏れる。
「確かに……」
駆けて来る妹の周辺に、中島さんらしき人はみあたらない。
やっぱりやめたか、駆ける速さに追い付けなかった……か?
「兄ちゃん、咲さん、お待たせっ!!」
「はい。元気があって、非常に宜しい……てか、中島さんは?」
こてん?と頭を傾げる妹。
えっ?!自分で言った事、忘れたの?!
まさか熱中症?! それよりも食料少な過ぎてアホの子になっちゃった?!
一気に心臓に来た。
「あっ!そっか、そっか!」
そう言うと妹はクルリと後ろを向き、振り向きながら、こう言った。
「コレが『中島』だよ!!」
妹の腰の辺りにさげられた虫ケース。
その中にいた、人指し指程の青虫が、
横たわっていた。
……横たわって……?!
「「「中島っっっ?!」」」
『中島』は妹の駆ける速さについて行けなかったらしい。
主に揺れ。
出会ってすぐにお別れの予感がプンプンします。
「妹よ……なぜ『中島』なのか……?」
「中島公園で捕まえたから『中島』だよ?」
「この兄妹のネーミングセンス……」
咲ちゃんが無言でコチラを責めている……
いや、ゲームのペット名の話?
今、関係ある?
ただ、馬にウマ子・ウマ美・ウマ菜って順番につけただけじゃ……
えっ?タメ息つかれたけど……えっ?
「と……とりあえず、中島を日陰で休ませようか?」
とりあえず移動して、一休みして中島を見る。
「ごめんね、兄ちゃん」
「はぁ……まさか中島が、そちら側だとは思わないよ……」
「そちら側って……ぶふっ」
咲ちゃん……好きなだけ吹き出しておくれ。
自分の1番苦手なモノなのだから仕方ないじゃないの。
苦手になったきっかけも妹だったのだが……
あれは自分が中学生の頃……
早起きが苦手になった、自分。
普通に起こされても起きれなかった、自分。
自分を起こす為に、妹が取った作戦は……
自分の顔にヤツを乗せる事だった……
「₲₨!?&∇¿%₰!?」
地獄の目覚めだった。
いや、その前にも……
1シーズン中に7回位、毛虫から成虫までのシーンを自宅で見せられた事とか……
捕まえて、育てて、還すの繰り返し。
自分は……白くなってた。
いや、更に前だな……
幼い妹が、ニコニコしながら近寄って来て
「にーちゃんイイものあげる!!」
差し出した手に乗せられたキアゲハの幼虫……他にもあったな。
アカン。ロクな思い出じゃない。
封印しとこ。
「兄ちゃん……中島の活きが悪い……」
お前のせいだと言いたいが、グッとこらえる。
「あ~……逃がしてあげた方がいいんじゃないか?」
てゆーか、逃がしてあげて。お願い。
「ここで逃がしたら、植生違うし生き残れないよ……」
「じゃぁ、もといた所に……」
「葉っぱまで戻る力がないから、置いてきたらすぐ食われちゃうよ……」
あ~っっ自然界の弱肉強食ぅっ!!
こっち(妹)が悪いから、リリースしても罪悪感が残るぅっっ!!
「はぁ~……仕方ない……中島、暑いのもあるかもしれないぞ?虫ケースの中、かなり暑いだろう?」
「確かに……」
「試しに水……は近場にないなぁ……ちょっと、このお茶少し入れてみな……」
笹から出来たお茶を1滴ケースに入れると……
中島は、ヨロヨロと水滴に近寄って来た。
そして、水滴がキレイにチューと消えたのである。
「あらぁ~青虫もお茶飲むのねぇ……」
「うん。中島、お茶もいけるんだねぇ」
「いや、危機迫った状態で、背に腹は変えられねぇって感じだと思うけど?」
もぅ、絶対にマネしちゃいけません。
新鮮な葉っぱあげてよね?
そう言うと、
「兄ちゃん、苦手な割に詳しいよね?」
と、ニコニコしてやがりました。
超苦手だけど、平気なフリしてないと、兄ちゃんいたぶられちゃうでしょ?
君達(母親と妹)の虫会話はちゃんと聞いてたよっ。
はぁ……
その後、元気を取り戻した中島ケースを前に抱えた妹が、出店を堪能して、1日は終わった。
咲ちゃんとの食い倒れデートは、まぁ楽しめたと言う感じだったので、良しとしよう。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる