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5:非道な霊託と淫毒を刺された身体と
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「なんじゃぁ、処女はどこじゃぁ~?」
「おらんじゃぁ~?」
「テセウス、お前が貢ぎ物じゃぁ~?」
太い幹から自由自在に伸びる枝の先に、下半身を繋げた状態で。
灰色のボロボロの衣を身に着けた三体の小柄な老婆が。入れ替わり立ち替わりして接近してくる。ボッサボサの白髪としなびた手を揺らしながら。
大樹を本体とした化け物なのか。鞭のようにしなる長い枝と繋がった下部には、おそらくは足といった物は持ち合わせていないだろう。
けれども、それ以上に異様なのは面相だ。二体の顔が頬から額までが岩のように腫れ上がり、目と口が本来ある場所は横一文字に凹んで、皺がくしゃっと寄っている。あるべきものがないのだ。
そして残りの一体はというと、同じ土気色の顔つきでありながらも。顔面の中央には大きな一つ目と黄ばんだ歯が生えた口を持っている。
「お前でも悪くなさそうじゃぁ。ヤられにヤられててもえぇじゃぁ~ ヒヒヒ・・・」
「若けじゃぁ、未通女でなくてもえぇじゃぁ~ ケケケ・・・」
品定めでもされているかのような、その内容の失礼さは完全に無視をして。そうか。モゴモゴと聞きづらい時は歯なしがしゃべっている時かと認識を深める。
「貢ぎ物は持ってきている。ハデスから託された。お前たちが切望してやまないモノだ」
「切望してやまないモノじゃぁ!?」
三体から喜びの気配が湧き上がる。革の袋から箱を取り出して見せた。
「箱を持ってじゃぁ・・・ということはのぅ・・・例のアレじゃぁ?」
目ありの老婆が他の二体に教え、目なしたちが頷く。
「そうじゃ、きっと例のアレじゃぁ・・・アレを持たせじゃぁ」
「そうじゃ、アレに決まってじゃぁ。寄こすじゃぁ~ テセウス~ それを早く渡すじゃぁ~」
両手を前にして。ヒューーッと上空から飛びかかってきた老婆をヒラリとかわした。
「冥府の王ハデスの妻ペルセフォネの行方をきちんと霊託すると約束しろ。でないと、渡せない」
「おう、おう、そうじゃ、そうじゃ、それじゃぁ。約束してやじゃぁ」
「そうじゃ、そうじゃぁ。それがもらえじゃぁ、ちゃんと視てやじゃぁ」
「だから、早く寄こすじゃぁ~」
「霊示は全てを包み隠さず告げろ。聞き終えたら、この場を去る。オレが無事にこの結界から出られたら、近くで待機している仲間が残りの箱を投げて渡す段取りだ。わかったか?」
「なんと、残りの箱があるじゃぁ!?」
「もしやアレもじゃぁ? アレも持ってきじゃぁ?」
「さすがは冥府の王じゃぁ・・・ケケケ・・・よほどじゃぁ」
「いやいや、わからんじゃぁ。一つの箱に一つずつかもじゃぁ」
「そうじゃ、わからんじゃぁ。早く開けさせじゃぁ~」
「テセウス。約束すじゃぁ、今すぐ投げじゃぁ~」
「よし。いいだろ」
目と歯がある一体に向かって箱を投げる。パシッと受け取るや否や、他の二体がビュンッとそこに集まった。
「開けじゃ、ディノー、早く開けじゃぁ!!」
「早う、早う!!」
「わかってじゃぁ、わかってじゃぁ。ハデスの箱、グライアイの三姉妹じゃぁ、開くじゃぁ~」
目と口のついた老婆が告げると同時に、パァァッと箱が紫色の光を四方へ発した。ふわんと浮かび上がって、パカッと蓋が開く。
「オオッ!!」
老婆たちが嬉々とした声を発した。
「おらんじゃぁ~?」
「テセウス、お前が貢ぎ物じゃぁ~?」
太い幹から自由自在に伸びる枝の先に、下半身を繋げた状態で。
灰色のボロボロの衣を身に着けた三体の小柄な老婆が。入れ替わり立ち替わりして接近してくる。ボッサボサの白髪としなびた手を揺らしながら。
大樹を本体とした化け物なのか。鞭のようにしなる長い枝と繋がった下部には、おそらくは足といった物は持ち合わせていないだろう。
けれども、それ以上に異様なのは面相だ。二体の顔が頬から額までが岩のように腫れ上がり、目と口が本来ある場所は横一文字に凹んで、皺がくしゃっと寄っている。あるべきものがないのだ。
そして残りの一体はというと、同じ土気色の顔つきでありながらも。顔面の中央には大きな一つ目と黄ばんだ歯が生えた口を持っている。
「お前でも悪くなさそうじゃぁ。ヤられにヤられててもえぇじゃぁ~ ヒヒヒ・・・」
「若けじゃぁ、未通女でなくてもえぇじゃぁ~ ケケケ・・・」
品定めでもされているかのような、その内容の失礼さは完全に無視をして。そうか。モゴモゴと聞きづらい時は歯なしがしゃべっている時かと認識を深める。
「貢ぎ物は持ってきている。ハデスから託された。お前たちが切望してやまないモノだ」
「切望してやまないモノじゃぁ!?」
三体から喜びの気配が湧き上がる。革の袋から箱を取り出して見せた。
「箱を持ってじゃぁ・・・ということはのぅ・・・例のアレじゃぁ?」
目ありの老婆が他の二体に教え、目なしたちが頷く。
「そうじゃ、きっと例のアレじゃぁ・・・アレを持たせじゃぁ」
「そうじゃ、アレに決まってじゃぁ。寄こすじゃぁ~ テセウス~ それを早く渡すじゃぁ~」
両手を前にして。ヒューーッと上空から飛びかかってきた老婆をヒラリとかわした。
「冥府の王ハデスの妻ペルセフォネの行方をきちんと霊託すると約束しろ。でないと、渡せない」
「おう、おう、そうじゃ、そうじゃ、それじゃぁ。約束してやじゃぁ」
「そうじゃ、そうじゃぁ。それがもらえじゃぁ、ちゃんと視てやじゃぁ」
「だから、早く寄こすじゃぁ~」
「霊示は全てを包み隠さず告げろ。聞き終えたら、この場を去る。オレが無事にこの結界から出られたら、近くで待機している仲間が残りの箱を投げて渡す段取りだ。わかったか?」
「なんと、残りの箱があるじゃぁ!?」
「もしやアレもじゃぁ? アレも持ってきじゃぁ?」
「さすがは冥府の王じゃぁ・・・ケケケ・・・よほどじゃぁ」
「いやいや、わからんじゃぁ。一つの箱に一つずつかもじゃぁ」
「そうじゃ、わからんじゃぁ。早く開けさせじゃぁ~」
「テセウス。約束すじゃぁ、今すぐ投げじゃぁ~」
「よし。いいだろ」
目と歯がある一体に向かって箱を投げる。パシッと受け取るや否や、他の二体がビュンッとそこに集まった。
「開けじゃ、ディノー、早く開けじゃぁ!!」
「早う、早う!!」
「わかってじゃぁ、わかってじゃぁ。ハデスの箱、グライアイの三姉妹じゃぁ、開くじゃぁ~」
目と口のついた老婆が告げると同時に、パァァッと箱が紫色の光を四方へ発した。ふわんと浮かび上がって、パカッと蓋が開く。
「オオッ!!」
老婆たちが嬉々とした声を発した。
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