1 / 40
イケオジでしかないキングアルファなおじいさんと艶っぽさが微塵たりとも衰えぬ極上クィーンオメガなおばあさん
しおりを挟む
昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが仲良く暮らしていました。
二人はおじいさんとおばあさんといっても戸籍年齢と肉体年齢が見事に一致しない人たちでした。
だけど、そうはいっても所詮は爺さまと婆さまなわけでしょ――と思った方々はご自身のその感性に誇りを持って下さい。
日本昔話風のほのぼの爺さま婆さまの絵柄が炸裂するか、西洋のダンディズム混在画像が脳内に一気にはびこるか。
それらは生まれ育った環境がというよりは各々の嗜好が容赦なく決定づけるのですから、こればかりはどうしようもありません。
とにかくイケオジでしかないキングアルファなおじいさんと、艶っぽさが微塵たりとも衰えぬ極上クィーンオメガなおばあさんがいて。
二人のふさふさと豊かな髪は白髪というよりはむしろ、子供の頃からの揺るがない白金ヘアのようでした。
そして年齢を感じさせない肌質と肉体美はもはや違った意味での年齢詐称詐欺でした。
加えておじいさんの黄緑色の瞳とおばあさんの薄紫色の瞳といったら、もう生きた宝石でした。
このように両者ともに世界ギネス級のハーレムを作っていても何一つおかしくない美麗ぶりでしたが、互いを唯一無二の伴侶としてとてもとても愛しあっていたのです。
それはかつてビッチと紙一重だった総受けのおばあさんがあわやモブレかとなった時に、総攻めで名の知れたおじいさんが拳一つで助けに入って以来ずっとずっと恋しちゃってたからなのでした。
「ねぇ、おじいさん、こんな天気だから別に無理して出かけなくても」
おばあさんが心配そうにおじいさんに問いかけました。
今年もあと一日、明日はお正月です。
このまま二人でラブラブに過ごしたかったのです。
ですが、おじいさんはというと縦にやたらと長くて大きい箱型の鞄を背負っています。
おじいさんはおじいさんで心から愛するおばあさんに大晦日なのだから何か美味しいものを買ってきてあげたいと思っていました。
それなので大丈夫だよ、すぐに帰るからねと告げると両脇にも袋を抱えて雪が降る中を出かけていきました。
町に行く途中、道の傍らにお地蔵さんが五体立っていました。
「やぁ、みんな、今日も元気かい? 前を失礼」
キランと白い歯を見せておじいさんが笑いかけました。
ですが、すぐさま、ん?と首を傾げました。
見ると雪が頭の上に積もりに積もっているではありませんか。
「なんだか寒そうだね」
身も心も紛う方なきジェントルマンなおじいさんが大きな手で一つ一つの頭上の雪を優しく払ってあげました。
そしてまた歩き始めると目的地である町の市場へと着いたのでした。
ところがどういうわけだか、先ほどのお地蔵さんたちのことが気になって仕方ありません。
いつもなら、今晩もどうやっておばあさんをアンアンと泣かせてやろうかと考えているはずなのに。
おかしいなと首を傾げながらも、
(きっと冷えているに違いないだろうな…)
二人はおじいさんとおばあさんといっても戸籍年齢と肉体年齢が見事に一致しない人たちでした。
だけど、そうはいっても所詮は爺さまと婆さまなわけでしょ――と思った方々はご自身のその感性に誇りを持って下さい。
日本昔話風のほのぼの爺さま婆さまの絵柄が炸裂するか、西洋のダンディズム混在画像が脳内に一気にはびこるか。
それらは生まれ育った環境がというよりは各々の嗜好が容赦なく決定づけるのですから、こればかりはどうしようもありません。
とにかくイケオジでしかないキングアルファなおじいさんと、艶っぽさが微塵たりとも衰えぬ極上クィーンオメガなおばあさんがいて。
二人のふさふさと豊かな髪は白髪というよりはむしろ、子供の頃からの揺るがない白金ヘアのようでした。
そして年齢を感じさせない肌質と肉体美はもはや違った意味での年齢詐称詐欺でした。
加えておじいさんの黄緑色の瞳とおばあさんの薄紫色の瞳といったら、もう生きた宝石でした。
このように両者ともに世界ギネス級のハーレムを作っていても何一つおかしくない美麗ぶりでしたが、互いを唯一無二の伴侶としてとてもとても愛しあっていたのです。
それはかつてビッチと紙一重だった総受けのおばあさんがあわやモブレかとなった時に、総攻めで名の知れたおじいさんが拳一つで助けに入って以来ずっとずっと恋しちゃってたからなのでした。
「ねぇ、おじいさん、こんな天気だから別に無理して出かけなくても」
おばあさんが心配そうにおじいさんに問いかけました。
今年もあと一日、明日はお正月です。
このまま二人でラブラブに過ごしたかったのです。
ですが、おじいさんはというと縦にやたらと長くて大きい箱型の鞄を背負っています。
おじいさんはおじいさんで心から愛するおばあさんに大晦日なのだから何か美味しいものを買ってきてあげたいと思っていました。
それなので大丈夫だよ、すぐに帰るからねと告げると両脇にも袋を抱えて雪が降る中を出かけていきました。
町に行く途中、道の傍らにお地蔵さんが五体立っていました。
「やぁ、みんな、今日も元気かい? 前を失礼」
キランと白い歯を見せておじいさんが笑いかけました。
ですが、すぐさま、ん?と首を傾げました。
見ると雪が頭の上に積もりに積もっているではありませんか。
「なんだか寒そうだね」
身も心も紛う方なきジェントルマンなおじいさんが大きな手で一つ一つの頭上の雪を優しく払ってあげました。
そしてまた歩き始めると目的地である町の市場へと着いたのでした。
ところがどういうわけだか、先ほどのお地蔵さんたちのことが気になって仕方ありません。
いつもなら、今晩もどうやっておばあさんをアンアンと泣かせてやろうかと考えているはずなのに。
おかしいなと首を傾げながらも、
(きっと冷えているに違いないだろうな…)
0
あなたにおすすめの小説
星降る夜に ~これは大人の純愛なのか。臆病者の足踏みか。~
大波小波
BL
鳴滝 和正(なるたき かずまさ)は、イベント会社に勤めるサラリーマンだ。
彼はある日、打ち合わせ先の空き時間を過ごしたプラネタリウムで、寝入ってしまう。
和正を優しく起こしてくれたのは、そこのナレーターを務める青年・清水 祐也(しみず ゆうや)だった。
祐也を気に入った和正は、頻繁にプラネタリウムに通うようになる。
夕食も共にするほど、親しくなった二人。
しかし祐也は夜のバイトが忙しく、なかなかデートの時間が取れなかった。
それでも彼と過ごした後は、心が晴れる和正だ。
浮かれ気分のまま、彼はボーイズ・バーに立ち寄った。
そしてスタッフメニューの中に、祐也の姿を見つけてしまう。
彼の夜の顔は、風俗店で働く男娼だったのだ……。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
寡黙なオオカミαにストーカー気質のネコΩが嫁いだ話
かとらり。
BL
誰もがケモミミとバース性を持つ世界。
澪は猫種のΩだった。
引っ込み思案の澪は半ばストーカーのように密かに追いかけている憧れの人がいる。
狼種のαの慶斗だ。
そんな慶斗にいきなり嫁ぐことが決定した澪。話しかけるのも無理なのに結婚なんてできるの?
しかも慶斗は事情があるらしくー…
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる