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逞しい腕に抱かれながらの梅酒タワー

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 謎の儀式合唱が続く中、おじいさんが先ほどまでリーダー格だったお地蔵さんに瓶を渡されました。

「えっ…」
「中身をこう…」
「こ、こうですか?」
「そうですそうです、そのままそのまま続けて下さい」

 おじいさんが言われたとおりに濁り酒を一番上のグラスに注ぎ続けると、チョロチョロ、チョロチョロと下の段のグラスへと流れていきます。

「わぁ…」

 とおばあさんが歓喜の声を上げました。
 床の上からの青白い光がガラスに入った液体にあたってキラキラと光を反射します。
 とてもきれいです。

 お上手ぅ~!!
 (お上手ぅ~!!)
 ハイハイ、ハイハイ
 (ハイハイ、ハイハイ)
 イケオジ、イケオジ
 (イケオジ、イケオジ)
 ハイハイ、ハイハイ
 (ハイハイ、ハイハイ)
 イケバァ、イケバァ
 (イケバァ、イケバァ)

 ジゾーズの応援歌に煽られるようにして。
 一本が注ぎ終わるとまた一本と。
 おじいさんもおばあさんも下の段にどんどんとお酒が流れていく様子に魅入ります。

「すごいね」
「ん…面白い」

 なんだか無性に楽しくなって、ふふっと互いに微笑み合いました。

「では、次はおばあさんの梅酒タワーです、イェーイ!!」
「イェーイ!!」
「ささ、おばあさん、こちらの中身を一番上のグラスに注いで下さい」

 今度はおばあさんが酒瓶を渡されました。

「でも、ちょっと背丈が足りないですよねぇ」
「えっ…」
「ですので、おじいさん、ここは…」
「あ、はい」

 促されて、おじいさんがひょいとおばあさんを両手で持ち上げました。

「ちょっ…おじいさん!!」
「そのまま注いでごらん」
「えっ…こ、こう?」
「そうそう、上手だよ、おばあさん」

 いかなる時も仲良しな二人の様子にジゾーズがさらに盛り上がります。

 ヒューッ、ラブラブぅ~!!
 (ヒューッ、ラブラブぅ~!!)
 ハイハイ、ハイハイ
 (ハイハイ、ハイハイ)
 ラブラブ、ラブラブ
 (ラブラブ、ラブラブ)
 ハイハイ、ハイハイ
 (ハイハイ、ハイハイ)
 パンパン、パンパン
 (パンパン、パンパン)

「えっ…」
「おばあさん、危ないよ」

 動揺したおばあさんの腰を片手ですぐさま抱え直して、おじいさんが瓶を持った手に自身の手を添えます。
 すごい力です。
 愛の力です。

 ヒューッ、ラブラブぅ~!!
 (ヒューッ、ラブラブぅ~!!)
 ハイハイ、ハイハイ
 (ハイハイ、ハイハイ)
 ラブラブ、ラブラブ
 (ラブラブ、ラブラブ)
 ハイハイ、ハイハイ
 (ハイハイ、ハイハイ)
 パンパン、パンパン
 (パンパン、パンパン)

 おじいさんの逞しい腕に抱かれながらの梅酒タワーに。
 頼もしさと楽しさを感じつつも、どうにもパンパン、パンパンという掛け声が気になります。
 単なる手拍子だよねとおばあさんは自分に言い聞かせました。

「乾杯をしようぜ~!!」
「オオッ~!!」

「ささ、どうぞ、こちらをお持ち下さい」

 おじいさんは青白い光に照らされたタワーから、おばあさんは薄桃色の光に照らされたタワーから一番上のグラスを手渡されてドキドキワクワクしながら前に掲げます。

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