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こりゃイケる

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 なんと既に三ヶ月待ちです。
 慢性の腰痛を患っていると偽りましたが、実際に病状があったら待てるはずがありません。
 ついでに隠れ宣伝ステマの売りこみでもしちゃおうかなと最初はほくそ笑んでいた、悪いおばあさんもマジで待てないと憤っています。

 実はこの悪いおじいさんワルオと悪いおばあさんワルコもまた。
 戸籍年齢と見た目年齢が見事に一致しない人たちでした。
 そして、それは正統派おじいさんとおばあさんと違った意味での年齢詐称詐欺でした。
 ワルコとワルオは成人したての、見た目も普通であれば中身も特に取り柄のない人間ベータでした。
 それなのに、なんとかしてバズりたいと。
 なんとかして有名人になりたいと。
 承認欲求だけは人一倍強い彼らはウケそうな動画を作ったり、過激なやらせをしたりとそれこそやみくもに売名行為に手を染めました。
 ですが既に激化した競争市場レッドオーシャンに企画力のない行き当たりばったりな彼らはお呼びでありませんでした。
 くっそぉ、なんで、オレの良さがわからないんだと世間に逆恨みをする日々。
 そんな時に目にしたのがおじいさんの人気です。
 確かにものすごくかっこいいけどよぉ、そりゃあんた、ちょっとずりぃんじゃねぇのと。
 ワルオは思いました。
 ネットでブログも動画もしてないくせに、年齢不相応に超絶若くて超絶美形なだけなのによぉと。
 その視野の狭さと自己愛の強さとアルファへの劣等感から一方的に妬み、匿名をいいことにSNSに批判的なアンチコメントも書きこんだこともありました。
 けれども倍になって叩かれ、無視ブロックされ、どうやっても天然のしかも無自覚の影響力インフルエンサーの偉大さを知らされるばかりです。

 そんなある日、ふと思ったのです。
 自分も老ければいいんじゃないかと。
 十代の自分が高齢を語れば、見た目すごい若いじゃん、信じられない、抗老化アンチエイジングがすごいねといった感じにウケるのではないかと。
 早速セフレのワルコを誘ってワ・ルーイおじいさんとおばあさんというキャラを特殊メイクで作り上げました。
 結果はそこそこの反応です。
 けれども今までで一番いい手応えです。
 年寄りに基本的に優しい社会だ、こりゃイケるとワルオは思いました。

(オレはもっともっと高みを目指す…)

 そのためには美高齢の最高神とも称されるおじいさんの人気に便乗して名をより売らなくてはいけません。
 気持ちはライバルですが、表だって競争なんてできるはずがありません。
 向こうにはそれこそ崇拝者が星の数ほどもいるのですから。
 そのガチファンをできる限り取りこむ必要があります。
 憧れの神おじいさんと神おばあさんを目標にして、普通ベータのジジイでもババァでも若く元気に長くがんばりますを独自設定コンセプトにしたのでした。

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