20 / 40
さぁ悪いおじいさんの登場です
しおりを挟む
こうして――
鬼だろうと妖しげな整形外科医だろうとなんだろうと。
またしてもイチコロにしたおじいさんが笑みを浮かべながら質問に答えます。
至福の時ぃいぃと鬼たちは夢心地で過ごしました。
もっといて下さいよぉと必死で懇願すれば、妻が心配して待っていますのでと断られ、さらに妻に何かあった時はよろしくお願いしますと続けられて。
心よりお待ちしておりますと返すしかありません。
いつも通りにお金を一切使うことなく、おじいさんはおばあさんの元へと帰りました。
めでたしめでたし。
で終わるはずがなく。
この話はここから本当に意外な展開を見せたのです。
「マジか…」
端末画面を見ていた悪いおじいさんが呟きました。
場所は隣の…ではなくてキングアルファなおじいさんの村からやや離れた町にある、集合住宅の一室でした。
本音を言うと本家本元のおじいさんとおばあさんの住む村か、もしくは一番近い町に住みたかったのですが、あまりにも田舎でネットが繋がらないので断念しました。
さらに言えば、おじいさんの家へと容易に覗き見に行ける距離がよかったのですが、仮に行ったとしても文字通り鬼のような警備で迂闊には近寄れません。
そこをなんとかして侵入できたとしても凶悪な猛犬に襲われるか、おばあさんを狙った大罪で人知れず殺められて地面に埋められるかの世界です。
それほどまでの危険を冒すぐらいだったらと。
毎日毎分、安定したネット環境でぬくぬくと専用の掲示板を見てはおじいさんとおばあさんの情報をチェックしていたのです。
ですから、気持ちだけが隣の悪いおじいさんでした。
「みんな、すごい反応してるけどさ…」
その気持ちだけ隣の悪いおじいさんが掲示板を隅から隅まで眺めます。
キングアルファなおじいさんと極上グレートオメガなおばあさんの話題は書きこみの最大数をわずか半日たらずで越えてしまうため、常に複数の新しいスレッドがあがっているような人気ぶりでした。
もちろん当人たちは露とも知りません。
そして先ほど目にしたスレッドには森の中にある某整形外科に話題のおじいさんがどうやら行ったらしいとのことでした。
もしかして美容整形をしたのかと疑えば、同じように疑問に思った人がすぐさま質問し、小さなできものを取っただけらしいですよとレスがあります。
絶対にこの掲示板を作ったのは整形外科の関係者だなと悪いおじいさん、ワルオは確信しました。
病院の自作自演の可能性もあります。
なぜなら診察室におじいさんの来院写真が飾ってあったというのですから、いい宣伝も宣伝です。
「ほんとかなぁ…」
疑わしいと思っても、その来院写真をこの目で見たいという欲望がムクムクと湧き上がります。
見たいかと聞かれれば、もちのろんで見たいです。
とってもとってもとってもとってもとってもとっても、見たいのよ。
おじいさん、おじいさん、おじいさぁーん、りぃーん(りぃーん)。
そんな風に思わずノリのいい曲にしたくなるほど大スキでライバル視している存在なのです。
少し躊躇いましたが問い合わせをすると予約を最短で取りました。
鬼だろうと妖しげな整形外科医だろうとなんだろうと。
またしてもイチコロにしたおじいさんが笑みを浮かべながら質問に答えます。
至福の時ぃいぃと鬼たちは夢心地で過ごしました。
もっといて下さいよぉと必死で懇願すれば、妻が心配して待っていますのでと断られ、さらに妻に何かあった時はよろしくお願いしますと続けられて。
心よりお待ちしておりますと返すしかありません。
いつも通りにお金を一切使うことなく、おじいさんはおばあさんの元へと帰りました。
めでたしめでたし。
で終わるはずがなく。
この話はここから本当に意外な展開を見せたのです。
「マジか…」
端末画面を見ていた悪いおじいさんが呟きました。
場所は隣の…ではなくてキングアルファなおじいさんの村からやや離れた町にある、集合住宅の一室でした。
本音を言うと本家本元のおじいさんとおばあさんの住む村か、もしくは一番近い町に住みたかったのですが、あまりにも田舎でネットが繋がらないので断念しました。
さらに言えば、おじいさんの家へと容易に覗き見に行ける距離がよかったのですが、仮に行ったとしても文字通り鬼のような警備で迂闊には近寄れません。
そこをなんとかして侵入できたとしても凶悪な猛犬に襲われるか、おばあさんを狙った大罪で人知れず殺められて地面に埋められるかの世界です。
それほどまでの危険を冒すぐらいだったらと。
毎日毎分、安定したネット環境でぬくぬくと専用の掲示板を見てはおじいさんとおばあさんの情報をチェックしていたのです。
ですから、気持ちだけが隣の悪いおじいさんでした。
「みんな、すごい反応してるけどさ…」
その気持ちだけ隣の悪いおじいさんが掲示板を隅から隅まで眺めます。
キングアルファなおじいさんと極上グレートオメガなおばあさんの話題は書きこみの最大数をわずか半日たらずで越えてしまうため、常に複数の新しいスレッドがあがっているような人気ぶりでした。
もちろん当人たちは露とも知りません。
そして先ほど目にしたスレッドには森の中にある某整形外科に話題のおじいさんがどうやら行ったらしいとのことでした。
もしかして美容整形をしたのかと疑えば、同じように疑問に思った人がすぐさま質問し、小さなできものを取っただけらしいですよとレスがあります。
絶対にこの掲示板を作ったのは整形外科の関係者だなと悪いおじいさん、ワルオは確信しました。
病院の自作自演の可能性もあります。
なぜなら診察室におじいさんの来院写真が飾ってあったというのですから、いい宣伝も宣伝です。
「ほんとかなぁ…」
疑わしいと思っても、その来院写真をこの目で見たいという欲望がムクムクと湧き上がります。
見たいかと聞かれれば、もちのろんで見たいです。
とってもとってもとってもとってもとってもとっても、見たいのよ。
おじいさん、おじいさん、おじいさぁーん、りぃーん(りぃーん)。
そんな風に思わずノリのいい曲にしたくなるほど大スキでライバル視している存在なのです。
少し躊躇いましたが問い合わせをすると予約を最短で取りました。
0
あなたにおすすめの小説
星降る夜に ~これは大人の純愛なのか。臆病者の足踏みか。~
大波小波
BL
鳴滝 和正(なるたき かずまさ)は、イベント会社に勤めるサラリーマンだ。
彼はある日、打ち合わせ先の空き時間を過ごしたプラネタリウムで、寝入ってしまう。
和正を優しく起こしてくれたのは、そこのナレーターを務める青年・清水 祐也(しみず ゆうや)だった。
祐也を気に入った和正は、頻繁にプラネタリウムに通うようになる。
夕食も共にするほど、親しくなった二人。
しかし祐也は夜のバイトが忙しく、なかなかデートの時間が取れなかった。
それでも彼と過ごした後は、心が晴れる和正だ。
浮かれ気分のまま、彼はボーイズ・バーに立ち寄った。
そしてスタッフメニューの中に、祐也の姿を見つけてしまう。
彼の夜の顔は、風俗店で働く男娼だったのだ……。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
寡黙なオオカミαにストーカー気質のネコΩが嫁いだ話
かとらり。
BL
誰もがケモミミとバース性を持つ世界。
澪は猫種のΩだった。
引っ込み思案の澪は半ばストーカーのように密かに追いかけている憧れの人がいる。
狼種のαの慶斗だ。
そんな慶斗にいきなり嫁ぐことが決定した澪。話しかけるのも無理なのに結婚なんてできるの?
しかも慶斗は事情があるらしくー…
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる