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鬼 VS おじいさん
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「あ、そうなんですか…実は頬にこぶができてしまいまして」
「!!」
一同が一斉に目を見開きました。
絵にも描けない美しさとも目をも開けていられない美麗さとも言える、これほどまでの状態でまさか、こぶがあるとは誰もが信じられません。
ですが、確かに膨らんでいます。
なんという憎きこぶなのでしょうか。
至高の美を損なうモノ許すまじ、一気に取るべしと怒りに満ちた親分の鬼がビヨンッと爪で風を立てました。
診察台に上がるまでもありません。
鬼の神通力でぽろっとこぶは取れてしまいました。
「えっ…」
「あっ…」
即座にその場がシーンと静まりかえりました。
なんてことをしてくれたのでしょうか。
興ざめです、興ざめです。
全くの興ざめです。
そんなことをしたらこの尊い時間が以上をもってして終了になってしまうじゃないですかと。
この場合はあんた、すぐに解決しないで少しでも引き延ばすべきだったでしょと。
そうは思っても誰も言えません。
なんせ、それをしたのが自分らの親父なわけですから言えるわけがありません。
格下げじゃねと思ってもできるわけがありません。
下っ端も兄貴も叔父貴も若頭もみんなしてションモリとしてしまいました。
そんな悲しみに暮れる兄弟や子分たちを目にして。
えっと、あの…ごめんと親父がここは素直に謝ろうかなと思ったその刹那です。
「すごい…気功の病院だったんですね」
おじいさんが頬をさすりながら感嘆の声を上げました。
「痛みもなく見事に取れてる…すごい腕ですね、ありがとうございます」
にっこりとおじいさんに微笑まれて。
オニーズ全員が感極まりました。
一点の悔いなしです。
さすがオレたちの親父だと失敗が成功にいきなり反転しました。
「えっと…お代はいくらですか?」
待合室に置かれた鏡を見て、もはやこれ以上の治療の必要はないと確信したおじいさんが尋ねます。
「あ、そ、それなんですけど…」
若頭の鬼がここはオレもと奮い立って口を開きました。
「じ、実はですね…お、お恥ずかしいことにあまりその…は、繁盛しておりませんでして」
じぃっと見つめてくる緑玉のような瞳に意識を奪われそうになりながらも若頭が踏ん張ります。
「そ、それでですね…せ、施術のですね…せ、成功例として…その…ア、アンケートといいますか…あの…か、感想といいますか…ちょっとだけ…お、お話を、さ、させてもらえれば…」
(若頭ーーーっ!!)
その時、若頭以外のオニーズ整形外科関係者の心の声が一致しました。
さすがです、さすがです。
実にさすがです。
だてに親分の補佐をしてはいません。
いざとなった時の若頭です。
「お、お代はいりませんので!!」
と続いた言葉を一同もまた大きな声で復唱しました。
「えっ、いいんですか」
「はいっ!!」
「でも、あまり長くなるのはちょっと…なんですけど」
「そんなにかかりません!!」
まだ目立った活躍をしていない叔父貴の鬼が自分、お紅茶を入れてきますとすかさず部屋を出て行きました。
「!!」
一同が一斉に目を見開きました。
絵にも描けない美しさとも目をも開けていられない美麗さとも言える、これほどまでの状態でまさか、こぶがあるとは誰もが信じられません。
ですが、確かに膨らんでいます。
なんという憎きこぶなのでしょうか。
至高の美を損なうモノ許すまじ、一気に取るべしと怒りに満ちた親分の鬼がビヨンッと爪で風を立てました。
診察台に上がるまでもありません。
鬼の神通力でぽろっとこぶは取れてしまいました。
「えっ…」
「あっ…」
即座にその場がシーンと静まりかえりました。
なんてことをしてくれたのでしょうか。
興ざめです、興ざめです。
全くの興ざめです。
そんなことをしたらこの尊い時間が以上をもってして終了になってしまうじゃないですかと。
この場合はあんた、すぐに解決しないで少しでも引き延ばすべきだったでしょと。
そうは思っても誰も言えません。
なんせ、それをしたのが自分らの親父なわけですから言えるわけがありません。
格下げじゃねと思ってもできるわけがありません。
下っ端も兄貴も叔父貴も若頭もみんなしてションモリとしてしまいました。
そんな悲しみに暮れる兄弟や子分たちを目にして。
えっと、あの…ごめんと親父がここは素直に謝ろうかなと思ったその刹那です。
「すごい…気功の病院だったんですね」
おじいさんが頬をさすりながら感嘆の声を上げました。
「痛みもなく見事に取れてる…すごい腕ですね、ありがとうございます」
にっこりとおじいさんに微笑まれて。
オニーズ全員が感極まりました。
一点の悔いなしです。
さすがオレたちの親父だと失敗が成功にいきなり反転しました。
「えっと…お代はいくらですか?」
待合室に置かれた鏡を見て、もはやこれ以上の治療の必要はないと確信したおじいさんが尋ねます。
「あ、そ、それなんですけど…」
若頭の鬼がここはオレもと奮い立って口を開きました。
「じ、実はですね…お、お恥ずかしいことにあまりその…は、繁盛しておりませんでして」
じぃっと見つめてくる緑玉のような瞳に意識を奪われそうになりながらも若頭が踏ん張ります。
「そ、それでですね…せ、施術のですね…せ、成功例として…その…ア、アンケートといいますか…あの…か、感想といいますか…ちょっとだけ…お、お話を、さ、させてもらえれば…」
(若頭ーーーっ!!)
その時、若頭以外のオニーズ整形外科関係者の心の声が一致しました。
さすがです、さすがです。
実にさすがです。
だてに親分の補佐をしてはいません。
いざとなった時の若頭です。
「お、お代はいりませんので!!」
と続いた言葉を一同もまた大きな声で復唱しました。
「えっ、いいんですか」
「はいっ!!」
「でも、あまり長くなるのはちょっと…なんですけど」
「そんなにかかりません!!」
まだ目立った活躍をしていない叔父貴の鬼が自分、お紅茶を入れてきますとすかさず部屋を出て行きました。
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