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悪いおじいさんの悪だくみ発動
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ひたすら順番待ちです。
病院内の撮影や端末の使用を一切禁じますといった案内があるため、娯楽が全くない状態での待機です。
その間もしっかりと弁当売りや瓦版、魚売り、せともの売り、絵馬売りが売り歩きにやって来ます。
生きていくための商売根性だよなぁと。
どこか共感しながら、そして居眠りしながら待っているとようやく自分の番になりました。
気がつけば他には誰もいませんでした。
「ほんとにお待たせしてしまって、すみません」
夕方すぎになってしまったことを副院長の若頭ですと名乗ったごつい男が詫びました。
こんなに待たせておいて院長じゃないのかよとワルオは内心不服を感じながらもキョロキョロと診察室を見渡しました。
(あっ…)
ありました、ありました、おじいさんと病院スタッフの記念写真です。
壁にしっかりと飾られてました。
「わぁ、すごい」
根は純粋なファンでもあるワルオが思わず口に出して目を輝かせてしまいました。
ハッとして自制心を取り戻します。
「あ、これですか? えぇ、実はあのキングアルファで有名なおじいさんが当院にいらっしゃいましてねぇ」
待ってましたとばかりに若頭もフフッと目を細めます。
「そうなんですか、あのイケメンおじいさんがですか…それはすごいですねぇ」
ワルオもまたお約束とばかりの言葉で返しました。
「で、ど、どうだったんですか…本物のおじいさんは」
これは純粋な疑問です。
しかも嘘偽りのない高純度の純粋さです。
「いやぁ、どうって聞かれましてもねぇ…ほんとに…」
いつ思い出しても何度思い出してもいいとばかりに。
若頭が噛みしめました。
「控えめに言っても…地上の生きた美の至高神って言うんですか…ほんっっと次元が違いましたよ」
「生きた美の至高神!! そりゃ、すごいですねぇ!!」
この返事もまた不純物ゼロの純粋さで放たれた感嘆でした。
さすが、オレのおじいさんと。
やっぱり、オレの推しだけあるぜと。
誇りに思いながらも同時に妬みも発生します。
ちくしょう、オレも生おじいさんに会いたいと。
終わらない自慢話を聞きながら。
これだから個々の診察時間がえらく長かったんだなと頭の片隅で理解しながら。
ワルオの中でメラメラと欲求が湧き上がります。
(せめて…あの写真を…)
持って帰りたいと欲しました。
もちろん盗んだら一発でバレます。
だからやるのは盗み撮りです。
おそらくはネットへの拡散や商業利用を防ぐためにでしょう。
撮影絶対に禁止という貼り紙がうっとうしいくらいに壁を埋め尽くしている中、なんとかして撮ってやるとワルオが闘志を燃やしました。
「じゃ、そろそろ診察をしましょう。腰でしたよね」
診察台に俯せに寝るように促されて素直に従いました。
「あれ…問題ないんじゃないんですかねぇ」
「えぇ、そうなんですよ、おじいさんの尊い写真を見て、尊い話を聞いていたら調子よくなっちゃいました」
「皆さん、そう言うんですよねぇ」
つまりは大半がおじいさんの写真見たさの口実なわけです。
しょうがねぇ連中だよなぁと。
自分のことは横に置いて心の中でワルオがツッコみます。
その腰を揉みながら若頭が首を傾げました。
「なんか…意外と身体が若いですよねぇ」
病院内の撮影や端末の使用を一切禁じますといった案内があるため、娯楽が全くない状態での待機です。
その間もしっかりと弁当売りや瓦版、魚売り、せともの売り、絵馬売りが売り歩きにやって来ます。
生きていくための商売根性だよなぁと。
どこか共感しながら、そして居眠りしながら待っているとようやく自分の番になりました。
気がつけば他には誰もいませんでした。
「ほんとにお待たせしてしまって、すみません」
夕方すぎになってしまったことを副院長の若頭ですと名乗ったごつい男が詫びました。
こんなに待たせておいて院長じゃないのかよとワルオは内心不服を感じながらもキョロキョロと診察室を見渡しました。
(あっ…)
ありました、ありました、おじいさんと病院スタッフの記念写真です。
壁にしっかりと飾られてました。
「わぁ、すごい」
根は純粋なファンでもあるワルオが思わず口に出して目を輝かせてしまいました。
ハッとして自制心を取り戻します。
「あ、これですか? えぇ、実はあのキングアルファで有名なおじいさんが当院にいらっしゃいましてねぇ」
待ってましたとばかりに若頭もフフッと目を細めます。
「そうなんですか、あのイケメンおじいさんがですか…それはすごいですねぇ」
ワルオもまたお約束とばかりの言葉で返しました。
「で、ど、どうだったんですか…本物のおじいさんは」
これは純粋な疑問です。
しかも嘘偽りのない高純度の純粋さです。
「いやぁ、どうって聞かれましてもねぇ…ほんとに…」
いつ思い出しても何度思い出してもいいとばかりに。
若頭が噛みしめました。
「控えめに言っても…地上の生きた美の至高神って言うんですか…ほんっっと次元が違いましたよ」
「生きた美の至高神!! そりゃ、すごいですねぇ!!」
この返事もまた不純物ゼロの純粋さで放たれた感嘆でした。
さすが、オレのおじいさんと。
やっぱり、オレの推しだけあるぜと。
誇りに思いながらも同時に妬みも発生します。
ちくしょう、オレも生おじいさんに会いたいと。
終わらない自慢話を聞きながら。
これだから個々の診察時間がえらく長かったんだなと頭の片隅で理解しながら。
ワルオの中でメラメラと欲求が湧き上がります。
(せめて…あの写真を…)
持って帰りたいと欲しました。
もちろん盗んだら一発でバレます。
だからやるのは盗み撮りです。
おそらくはネットへの拡散や商業利用を防ぐためにでしょう。
撮影絶対に禁止という貼り紙がうっとうしいくらいに壁を埋め尽くしている中、なんとかして撮ってやるとワルオが闘志を燃やしました。
「じゃ、そろそろ診察をしましょう。腰でしたよね」
診察台に俯せに寝るように促されて素直に従いました。
「あれ…問題ないんじゃないんですかねぇ」
「えぇ、そうなんですよ、おじいさんの尊い写真を見て、尊い話を聞いていたら調子よくなっちゃいました」
「皆さん、そう言うんですよねぇ」
つまりは大半がおじいさんの写真見たさの口実なわけです。
しょうがねぇ連中だよなぁと。
自分のことは横に置いて心の中でワルオがツッコみます。
その腰を揉みながら若頭が首を傾げました。
「なんか…意外と身体が若いですよねぇ」
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