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競い合うオス

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 なんということでしょう。
 なんという展開になってしまったのでしょう。
 抱かれたいかと聞かれれば、もちのろんで抱かれたいです。
 けれども見たいかと聞かれれば、もちのろんで見たくもあるのです。
 隣の激しさに切にそう思います。

「まずいって…聞こえちゃうって…」

 加えて声を抑える自信もありません。

「関係ねぇよ、向こうだってヤリ部屋に泊まってることくらい、わかってるだろ」

 お互い様だろとばかりに。
 ワルコが鯉口シャツを頭から脱ぎ捨てました。
 あぁ、いつの間にこれほどまでにアルファに限りなく近いワイルドなベータになってしまったのでしょうか。

「ほら、誘ってみろよ」

 ギラついたオスの瞳で命じられて。
 ワルオがいつもの通りにふんどしを外して、おずおずと股を開きます。
 膝裏に両手を添えてヒクヒクした秘部を晒すと頬を染めながら口にしました。

「ルコ…ね…ここに…おねが…い…」
「…ったく、お前はよ」

 ほんっと、タチが悪いぜとワルコが吐き捨てながらのしかかりました。
 こちらも限界も限界、バッキバキだったのです。
 途端にパンパン、パンパンッと。
 すぐさま聞こえてきました。
 覗き見も前戯もそこそこの農家の納屋での挿入です。

「ひあぁぁっ!! ああぁあぁっ!! あああああっ!!」

 するとお隣さんも気づいたのでしょう。
 追いかけるようにしてパンパン、パンパンッと。
 猛烈に聞こえてきました。
 聞こえるならば、聞かせてやるよ、ホトトギスとばかりの農家の納屋型休憩処でのダブル挿入です。

「やだぁあああっ!! も、も、イクぅぅ、またイっちゃうぅぅ!!」
「あぁあああああぁぁっ…オレも…オレもイクぅぅーー……っ!!」

 こうなるとどっちがどっちの声だか、もうわかりません。
 誰が負けるかと。
 競い合うオスと化した相手にすっかり延々と泣かされる羽目となって。
 ワルオも殿さまもそれはそれは最終的には存分に堪能しましたとさ。

 めでたしめでたし。

 で終わるはずがなく。

 翌朝のことです。
 拉致された殿と拉致した東照宮の貫主かんしゅに任命された者を必死に捜しに来た家臣トノーズたちによって、兄弟たちの愛の逃避行は短くもあっさりと終わってしまいました。
 けれども、もう離れないと。
 そこには仲良く寄り添って城に帰る二人がいました。
 そして、ついでとばかりに。
 あられもない姿で隣室で寝ていたワルオとワルコもまた。
 あれよあれよと、国家の重要機密事項を盗み見した大罪人として連行されてしまいました。
 彼らはその後、口封じのためにネット環境完備の、だけど監視体制も万全の、それでいてぬくぬくとした塔の中に幽閉されてしまったとのことです。
 悪いことを企んだり便乗して儲けようとしたりしてはいけませんね。
 はい、今回の教訓です。

 ちなみに本家本元のおじいさんはというと、しばらくして雀のお宿に招かれて、例によって例のごとくスズメーズとつづらの中の妖怪たちをイチコロにしたそうです。
 さすがですね。

 おしまい

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