最高天使に恋をして~忘却の河のほとりには~

壱度木里乃(イッチー☆ドッキリーノ)

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屈辱 そして・・・

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 あるじからの注文に、感情を伴わない顔の下僕が、ズッ・・・と腰を引いた。

 びゅっ・・・と先走りの液を奥に向かって吐き出す。

 「!!」

 ぶわっと広がる、邪淫に満ちた、汚辱の印がまかれたその体感。意識がある状態で、中に出されたその感覚。琥珀色の瞳が大きく見開かれ、あぁ・・・と苦痛を宿した。

 (いやだ、いやだ、いやだ!!)

 抑えきれない嫌悪感と屈辱。許せない。悔しい。ギリリと唇を噛みしめて、首を振る。だが、怒りで震える内面とは違って、身体は別の震えを走らせた。

 「ハァアァァ・・・」

 艶めいた吐息が勝手に漏れる。舌を出して、ペロリと上唇を舐め、ねだるように腰を揺らした。

 (もっと、もっと、染みこませて・・・)

 身体の奥から聞こえた欲求の声に、自身の意志とは関係なく取られた真逆の反応。打ちのめされる。

 (ま、まずい・・・)

 確実に成長していく胞子。

 その気配におののくのも束の間、魔液で汚された身体へ、最高天使の肉体を象ったまがい物が、いよいよ猛烈な突き入れを開始した。

 「おぉふっ、おぅふっ、おぉふっ、おぅふっ・・・」

 腰を大きく振った獣の雄叫びに、

 ぐちっ、ぬちっ、ぐちゅっ、ぬちゅっ・・・

 と淫猥な音がかぶるようにして鳴り響く。その雄の律動に激しく揺さぶられながら、

 「アァッ!! ンンッ!! ハァアッ!!」

 犯されている側の唇も、あからさまに感じている声で応じ始める。

 (いやだ・・・こんなのはいやだ・・・いやだ!!)

 そうは思っていても抑えきれない。ジュクジュクとした魔液の中、容赦なく擦られて、うごめくのだ、性感帯に根付いた闇の胞子が。

 根底から揺さぶられ、持って行かれるような快感。冷ややかに分析できていた今までとは次元が違う。立て続けに襲ってくるジンジンとした熱い疼き。気持ちがいい。翻弄される。

 (いやだ・・・やだ・・・あぁ・・・)

 悔しさと不快さと、抑えきれない嫌悪感があるというのに。乱れてしまうなんて――――だが、そんな心の底での想いとは別に、

 「アァッ!! ゥンッ!! ハァアッ!!」

 ジャラジャラと鎖をならして、身が応じる。爛々と目が赤く光り、唇から歯牙が伸び始めた。

 「おぉう、おぉう、よいではないか、よいではないか・・・ずいぶんと感じておるのぅ、ん~? そのように締めつけて・・・来るぞ、来るぞ・・・我のところにもその感覚が・・・フフフ・・・」

 同調している魔王もまた、ハッ、ハッと息を荒くしながら、自身の陰茎を扱く。

 「今、アレも見ておるかものぅ・・・例のあの・・・ハッ、ハッ・・・天の眼を使ってのぅ・・・ハッ、ハッ・・・我が作った・・・最高天使に・・・ハッ、ハッ・・・犯されて悦ぶ・・・ハッ、ハッ・・・そなたのその恥ずかしい痴態をのぅ・・・」

 (ッ!!)

 恥辱的な言葉。悔しくて悔しくて、たまらない。いやだ、いやだ、いやだ!! と心が叫ぶ。それなのに、どうにもならない。こんなことになるなんて・・・自分で自分の身体が抑制できない。
 
 「アァッ!! アァンッ!! ンンーーッ!!」

 ゾクゾクと走り抜ける快感に、身体が一層高い声を上げた。

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