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第1章
受け継がれゆく物
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「それならノーマ。君に誕生日プレゼントを渡すよ」
楽しみにしてたのに、すっかり忘れてた。
「あ、そうだ」
「シナズが、君に託した勲章だよ。私がシナズに渡そうとした分と、君が産まれてから今日まで貯めた分だ」
「まじ? ほんとにいいのか?」
「あぁ。この日のプレゼントにしようと、決めていたからね」
父ちゃんの遺産と、育成神の貯勲を貰い、大事に使おうと思ったけど、そしたらこっちに、ファジーは居なくなるのか気になった。
「ファジーはどうなる?」
「いや、それは関係ない。これからも定期課命は続けるからね」
「じゃあ、このままだな。これからは育成神の事、ファジーって呼ぶか」
「あぁ、よろしくね。ノーマ。それにゴカイ。君もファジーで構わないよ」
「え、あぁ、うん……よろしく、ファジー……」
これで、ゴカイにも育成神が就いた。
「なんかずるいなぁ……私も女神ちゃんに名前付けたいなぁ……」
「私は、付けてくれて構いませんよ」
「ほんと! じゃあ…………ルキちゃんね!」
「ルキ? 何故ですか?」
「ウルのルと、ビキョウさんのキで、ルキ。決まりだからね!」
「素晴らしい名前です。ありがとう」
「いいえ! じゃあ天使ちゃんは……ウルのルと……天使のテンで、ルテンちゃん! ルキちゃんとルテンちゃん、よろしくね!」
「よろしくお願いします」
「はい……ありがとです……よろしくです……」
ウルも女神も天使も、名前を着けただけなのに、なんだか皆楽しそうだし、嬉しそうだった。
「ノ~マ~名前ほしいぞ~! 付けるんだぞ~!」
当然、天使も欲しがった。
「やっぱりな……分かったよ。じゃあ…………ノーマの天使で……ノーテンな」
「ノーテン…………いい名前だぞ! ありがとだぞ!」
「おぉ!」
天使はやっぱり、簡単な奴だ。
「ゴカイの天使は、もう少し待ってね」
「うん。名前はどうしようかな…………ゴカイのエンジェルで……ゴエン……どうかな?」
「いい名前だね。きっと良いご縁があるよ。天使、来てくれ」
「はい」
ファジーは上手いこと言って、照れくさそうに天使を呼んだ。
「ゴカイの天使を探してくれないか」
「畏まりました。明日には来るように手配します」
「ありがとう。よろしく頼むよ」
「よろしくねぇ」
「はい。それでは」
「今の天使は、ノーテンの父親で、マーザの夫だよ」
またも知らなかった、というより気づかなかった。
「家族だったのか」
「そうなんでーす! ちなみに私も残るわよ!」
「私が変わっても、構いませんよ」
マーザが残ると言うと、ルキが突然割り込んできた。
「え、女神様がですか? 創造神様が許せばいいですけど……」
「冗談ですよ……! マーザ……あなた……」
「はっ!」
「今、創造神って言ったよな?」
「言ってたね」
「言ったねぇ」
「もう構わないよ。私は創造神の1人なんだ」
ファジーは、育成神で創造神だったけど、特にもう驚きは無かった。
「へぇー、そうなんだ」
「ふーん、そうなんだ」
「凄いねぇ」
ウルとゴカイも、驚いた様子はない。
「思ったより反応が薄いわね……」
「今更この程度では、この子達は驚かないよ」
「そうですね」
「そういえば、ノーマ。夜闘の時、私に聞きたかった事があった筈だけど」
「あぁ、あれはいいや。その代わりに、色について教えてくれ」
「いいよ。色は『白』『茶』『銀』『金』『虹』『黒』の6種類で、白から順に珍しさが、上がるんだ」
色はこの6種類で、白から虹までは勲章を使って覚醒すれば、成れるらしい。
シナズとビキョウも、最初は俺と同じ白だったみたいだから、俺も確実に強くなれるけど、黒だけはずっと黒で、最初から強いらしい。
「ちなみにウルが黒だよ」
「え……」
ウルが黒だった事も、今初めて聞いた。
「あれ、言ってなかったっけ?」
「いや……聞いてないけど」
「そっかぁ。言ったつもりだったけどなぁ」
「まぁ、色だけじゃないしな……要は使い方だろ」
「その通り。ちなみにゴカイも、白だね」
「まぁねぇ……リストでみたよ……」
「リスト? それはどんなのかな?」
ルキ同様に、ファジーもゴカイのリストに食いついた。
「え、うん。突然届いたんだけど、色の種類とか、他にも色々書いてあるやつだねぇ」
「なるほど…………それは『シーク』という組織が、育成神のいない者に、贈るリストだね」
このリストは、危ない組織の物らしく、育成神のいない能力者に送って、組織へ入る条件が、リストを持ってる事。
送る対象を徹底的に調べるから、ヨンカイの息子って事で届いたけど、ヨンカイは誘いを断ってたみたい。
だけど、リストを持ってるって分かると、シークに入りたい奴が結構いるから、そういう奴に狙われる。
だからルキは、ゴカイにリストの事を隠すように言ったらしい。
「じゃあ、捨てた方がいいよねぇ」
「私が預かるよ。シークは謎が多いから、見てみたいしね」
「じゃあ、明日持ってくるよ……助かったねぇ……」
俺には良く分かんないけど、解決したみたいだから、昨日出来なかった誕生日会をやりたかった。
「そろそろ、俺の誕生日会やる?」
「いいね! マーザさん、私料理手伝うよ!」
「ほんと! ありがとう、ウルちゃん! それと、もうマーザでいいのよ?」
「それは大丈夫。なんか今更だしね」
「そう? じゃあ美味しい料理作りましょ!」
「うん!」
マーザとウルが、料理を作ってくれるみたいだから、出来るまで、走りに行こうと思った。
「よし、行くぞゴカイ」
「え! どこに?」
「走りにだよ。早くしろ」
「ちょっと待ってよ……じゃあ、行ってきますねぇ……」
ゴカイを強引に連れ出した。
すぐに帰る予定だったけど、思ったより遠くまで行ってしまい、帰ったらこっ酷く叱られた。当然ゴカイも一緒に。
でも、楽しく食事をして、ウルがケーキも作ってくれてて、全部美味かった。そのあとも夜まで盛り上がり、最高の誕生日だった。
皆が帰って、ファジーとマーザと3人になった時、聞いてみた。
「なぁ、ファジー。昨日の夜闘は仕組んだのか」
「あぁ、そういう事になるね。でも、私が間違っていたよ」
ファジーは、真実を話すのに、1度俺に夜闘を経験してほしかったから、誕生日の昨日を言い訳に、早く帰って来ないように言った。
あくまで強制したく無かったから、そうしたけど、昨日からの俺を視てて、必要無かったと感じたらしい。
途中で視るのを止めて、天使を連れてったのは、ゴカイの事を調べたかったのと、単純に天使を残すのが心配だったから。
もう1つ思った事を言って、快諾してもらったけど、そこで寝てしまい、起きたらウルとゴカイがもう居て、急いで支度をして家を出た。
「3人とも気を付けて、頑張ってね!」
「行ってらっしゃい。頑張るんだよ」
「私もここで待っています。頑張ってくださいね」
「頑張るんだぞ!」
「頑張ってくださいです……」
俺たちが、じいちゃんの所に行ってる間は、視る事も来る事もないからと、見送ってくれた。
「おう!」
「うん! 行ってきます!」
「行ってきますねぇ!」
家を出て、3人で歩きながら喋ってたら、じいちゃん家に着いた。
「でっか……」
「ノーマのおじいさんって、何者なの……」
「でかいねぇ……」
「おう。来よったな。さぁ入るんじゃ」
軽く挨拶を済まし、大きな門を抜けて、ものすごく広い庭に、途中に幾つもある離れ家を通り過ぎ、やっと母屋に着いた。
中に入り、お茶を出してもらって飲んでると、じいちゃんが、色んな武器を持って来た。
飛び道具に、色んな形、長さの刃物まで多種多様にあり、好きな物を選ぶように言われた。
俺は、武器なんか使った事がないから、とりあえず普通の剣で、ウルは銃、ゴカイは短剣を2本選んだ。
一応全て模造武具らしく、慣れてきたら本物を渡すと言われ、修行中は一切夜闘の出場を禁じられた。
こうしてついに、俺たちが強くなる為の修行が始まった。
いつまでとかは決まってないけど、じいちゃんが認めてくれるまで、必ずやり遂げて、強くなってから夜闘に出ることを、3人で誓った。
楽しみにしてたのに、すっかり忘れてた。
「あ、そうだ」
「シナズが、君に託した勲章だよ。私がシナズに渡そうとした分と、君が産まれてから今日まで貯めた分だ」
「まじ? ほんとにいいのか?」
「あぁ。この日のプレゼントにしようと、決めていたからね」
父ちゃんの遺産と、育成神の貯勲を貰い、大事に使おうと思ったけど、そしたらこっちに、ファジーは居なくなるのか気になった。
「ファジーはどうなる?」
「いや、それは関係ない。これからも定期課命は続けるからね」
「じゃあ、このままだな。これからは育成神の事、ファジーって呼ぶか」
「あぁ、よろしくね。ノーマ。それにゴカイ。君もファジーで構わないよ」
「え、あぁ、うん……よろしく、ファジー……」
これで、ゴカイにも育成神が就いた。
「なんかずるいなぁ……私も女神ちゃんに名前付けたいなぁ……」
「私は、付けてくれて構いませんよ」
「ほんと! じゃあ…………ルキちゃんね!」
「ルキ? 何故ですか?」
「ウルのルと、ビキョウさんのキで、ルキ。決まりだからね!」
「素晴らしい名前です。ありがとう」
「いいえ! じゃあ天使ちゃんは……ウルのルと……天使のテンで、ルテンちゃん! ルキちゃんとルテンちゃん、よろしくね!」
「よろしくお願いします」
「はい……ありがとです……よろしくです……」
ウルも女神も天使も、名前を着けただけなのに、なんだか皆楽しそうだし、嬉しそうだった。
「ノ~マ~名前ほしいぞ~! 付けるんだぞ~!」
当然、天使も欲しがった。
「やっぱりな……分かったよ。じゃあ…………ノーマの天使で……ノーテンな」
「ノーテン…………いい名前だぞ! ありがとだぞ!」
「おぉ!」
天使はやっぱり、簡単な奴だ。
「ゴカイの天使は、もう少し待ってね」
「うん。名前はどうしようかな…………ゴカイのエンジェルで……ゴエン……どうかな?」
「いい名前だね。きっと良いご縁があるよ。天使、来てくれ」
「はい」
ファジーは上手いこと言って、照れくさそうに天使を呼んだ。
「ゴカイの天使を探してくれないか」
「畏まりました。明日には来るように手配します」
「ありがとう。よろしく頼むよ」
「よろしくねぇ」
「はい。それでは」
「今の天使は、ノーテンの父親で、マーザの夫だよ」
またも知らなかった、というより気づかなかった。
「家族だったのか」
「そうなんでーす! ちなみに私も残るわよ!」
「私が変わっても、構いませんよ」
マーザが残ると言うと、ルキが突然割り込んできた。
「え、女神様がですか? 創造神様が許せばいいですけど……」
「冗談ですよ……! マーザ……あなた……」
「はっ!」
「今、創造神って言ったよな?」
「言ってたね」
「言ったねぇ」
「もう構わないよ。私は創造神の1人なんだ」
ファジーは、育成神で創造神だったけど、特にもう驚きは無かった。
「へぇー、そうなんだ」
「ふーん、そうなんだ」
「凄いねぇ」
ウルとゴカイも、驚いた様子はない。
「思ったより反応が薄いわね……」
「今更この程度では、この子達は驚かないよ」
「そうですね」
「そういえば、ノーマ。夜闘の時、私に聞きたかった事があった筈だけど」
「あぁ、あれはいいや。その代わりに、色について教えてくれ」
「いいよ。色は『白』『茶』『銀』『金』『虹』『黒』の6種類で、白から順に珍しさが、上がるんだ」
色はこの6種類で、白から虹までは勲章を使って覚醒すれば、成れるらしい。
シナズとビキョウも、最初は俺と同じ白だったみたいだから、俺も確実に強くなれるけど、黒だけはずっと黒で、最初から強いらしい。
「ちなみにウルが黒だよ」
「え……」
ウルが黒だった事も、今初めて聞いた。
「あれ、言ってなかったっけ?」
「いや……聞いてないけど」
「そっかぁ。言ったつもりだったけどなぁ」
「まぁ、色だけじゃないしな……要は使い方だろ」
「その通り。ちなみにゴカイも、白だね」
「まぁねぇ……リストでみたよ……」
「リスト? それはどんなのかな?」
ルキ同様に、ファジーもゴカイのリストに食いついた。
「え、うん。突然届いたんだけど、色の種類とか、他にも色々書いてあるやつだねぇ」
「なるほど…………それは『シーク』という組織が、育成神のいない者に、贈るリストだね」
このリストは、危ない組織の物らしく、育成神のいない能力者に送って、組織へ入る条件が、リストを持ってる事。
送る対象を徹底的に調べるから、ヨンカイの息子って事で届いたけど、ヨンカイは誘いを断ってたみたい。
だけど、リストを持ってるって分かると、シークに入りたい奴が結構いるから、そういう奴に狙われる。
だからルキは、ゴカイにリストの事を隠すように言ったらしい。
「じゃあ、捨てた方がいいよねぇ」
「私が預かるよ。シークは謎が多いから、見てみたいしね」
「じゃあ、明日持ってくるよ……助かったねぇ……」
俺には良く分かんないけど、解決したみたいだから、昨日出来なかった誕生日会をやりたかった。
「そろそろ、俺の誕生日会やる?」
「いいね! マーザさん、私料理手伝うよ!」
「ほんと! ありがとう、ウルちゃん! それと、もうマーザでいいのよ?」
「それは大丈夫。なんか今更だしね」
「そう? じゃあ美味しい料理作りましょ!」
「うん!」
マーザとウルが、料理を作ってくれるみたいだから、出来るまで、走りに行こうと思った。
「よし、行くぞゴカイ」
「え! どこに?」
「走りにだよ。早くしろ」
「ちょっと待ってよ……じゃあ、行ってきますねぇ……」
ゴカイを強引に連れ出した。
すぐに帰る予定だったけど、思ったより遠くまで行ってしまい、帰ったらこっ酷く叱られた。当然ゴカイも一緒に。
でも、楽しく食事をして、ウルがケーキも作ってくれてて、全部美味かった。そのあとも夜まで盛り上がり、最高の誕生日だった。
皆が帰って、ファジーとマーザと3人になった時、聞いてみた。
「なぁ、ファジー。昨日の夜闘は仕組んだのか」
「あぁ、そういう事になるね。でも、私が間違っていたよ」
ファジーは、真実を話すのに、1度俺に夜闘を経験してほしかったから、誕生日の昨日を言い訳に、早く帰って来ないように言った。
あくまで強制したく無かったから、そうしたけど、昨日からの俺を視てて、必要無かったと感じたらしい。
途中で視るのを止めて、天使を連れてったのは、ゴカイの事を調べたかったのと、単純に天使を残すのが心配だったから。
もう1つ思った事を言って、快諾してもらったけど、そこで寝てしまい、起きたらウルとゴカイがもう居て、急いで支度をして家を出た。
「3人とも気を付けて、頑張ってね!」
「行ってらっしゃい。頑張るんだよ」
「私もここで待っています。頑張ってくださいね」
「頑張るんだぞ!」
「頑張ってくださいです……」
俺たちが、じいちゃんの所に行ってる間は、視る事も来る事もないからと、見送ってくれた。
「おう!」
「うん! 行ってきます!」
「行ってきますねぇ!」
家を出て、3人で歩きながら喋ってたら、じいちゃん家に着いた。
「でっか……」
「ノーマのおじいさんって、何者なの……」
「でかいねぇ……」
「おう。来よったな。さぁ入るんじゃ」
軽く挨拶を済まし、大きな門を抜けて、ものすごく広い庭に、途中に幾つもある離れ家を通り過ぎ、やっと母屋に着いた。
中に入り、お茶を出してもらって飲んでると、じいちゃんが、色んな武器を持って来た。
飛び道具に、色んな形、長さの刃物まで多種多様にあり、好きな物を選ぶように言われた。
俺は、武器なんか使った事がないから、とりあえず普通の剣で、ウルは銃、ゴカイは短剣を2本選んだ。
一応全て模造武具らしく、慣れてきたら本物を渡すと言われ、修行中は一切夜闘の出場を禁じられた。
こうしてついに、俺たちが強くなる為の修行が始まった。
いつまでとかは決まってないけど、じいちゃんが認めてくれるまで、必ずやり遂げて、強くなってから夜闘に出ることを、3人で誓った。
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