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第1章
ノーマの日常
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リビングを出て、ゴカイと一緒に部屋に戻った。
「そういえばさ、ファジーとの話しってなんだった?」
「え、それは…………まだ言えないんだよねぇ」
「なんで? いつなら言えんの?」
「うーん……言ってもいいんだけど、言わないほうがいいんだよねぇ」
全く意味が分からなかった。
「じゃあ、どういう話しかだけ教えろよ」
「どういうねぇ……悪い話しではないよ」
「良い話って訳でもない?」
「まだ分からないけど、悪くはないねぇ」
話しの内容を当てようと思ったけど、面倒くさくなって諦めた。
考えてみたら、ゴカイだけに話した訳で、俺が真剣に考える必要も無いし。
「ベッドの上と下どっちか決めようぜ」
「え? もう終わり?」
「話しの事? それなら終わりだよ。お前が話さないって言ってるのに、俺がもし当てたら言うのか?」
「うーん……それは言わないねぇ……」
この話しは、呆気なく終わった。
「だろ。じゃあベッド決めようぜ」
「そうだねぇ。僕は上がいいかな」
「仕方ない。イシカミバサミだな」
「やっぱりそうなるよねぇ」
「じゃあ行くぞ」
「いいよ」
「イシカミバーサミっ」
ゴカイは右手のカミ、俺は右手のバサミで、俺の勝ち。
「よっしゃ、俺が上な」
「今日の所はねぇ」
「え? 毎日やるつもり?」
「違うの?」
そんなに上が良いのか聞くと、ゴカイはまた施設での話しを始めた。
施設は2段ベッドで、本当は上が良かったけど、他の子達に譲ってきたから、上で寝た事が無い。だから、ずっと寝てみたかったと。
「ダメだな。俺も初めてだし、毎日もやらないし、上は譲らない」
「え……? 今の話しを聞いて……」
「譲ってきたなら俺にも譲れ。そもそも俺が勝ったし」
俺は下でも良かったけど、ゴカイを甘やかす事無く、勝負とはこういう物だと、教えてあげた。
ゴカイは不貞腐れてるのか、何も言わずにゆっくりと、下に寝転がった。
「怒ってんのか?」
「…………」
俺が聞いたら、顔を横に振ってはいるけど、喋らないから怒ってるのが分かった。
よっぽど上が良かったんだなと思いながら、俺は階段を登って、上に寝転がった。
その時、部屋のドアがノックされて、ウルが入って来た。
「入りまーす」
「おう、出たのか」
「うん、ゴカイは寝ちゃったの?」
「いや、多分起きてるよ」
さっきの事をウルに話した。
「そんな事で……」
ウルは呆れた様子で、ゴカイを軽く揺すって、起きてるか確認した。
「もう寝てるみたいだよ」
「え、もう寝たのかよ」
ベッドの上から覗くと、本当に寝てるようだったから、1度階段を下りて、再度確認してみた。
「寝たな」
「寝たね」
「じゃあ、俺も風呂入ってくるかな」
「出たらもう寝る?」
「なんで? すぐは寝ないと思うけど」
「それなら、暇だから出たら教えて。部屋にいるから」
そう言って、ウルは部屋から出てったから、俺も寝間着を準備して、風呂に向かった。
1階に降りて、リビングの前を通ると、マーザとファザエルの声が聞こえた。
楽しそうに話す声を聞きながら、風呂に行って入り、今日はシャワーだけで済ませて出て、寝る準備をしてから、ウルの部屋に行った。
だけど、ウルも疲れてたのか、もう眠ってたから、自分の部屋に戻って、俺も寝る事にした。
次の日の朝、いつも通り7時に、マーザが起こしてくれて、支度をしてから朝食を食べに、ゴカイと1階に下りた。
リビングに入ると、ウルがもういて、ウルの前にファジーも座ってた。
「おはよう、2人とも」
「おはよう……」
ファジーがいつもと変わらない挨拶をしてきて、普通に返したけど、昨日の事があるから、少し気まずかった。
すぐに朝食を済ませて、歯を磨きに、洗面所に行こうとした。
「そうだ、ノーマとゴカイ。これからは天使を名前で呼べるよ」
「え、あ、ありがとう……」
「ありがとねぇ」
昨日の事を気にしてたのが分かったけど、加えて、名前を変更しに行ってくれてたのも分かって、嬉しかった。
洗面所に行って、顔を洗って、歯を磨いて、全部済ませて、リビングに戻った。
「ゴカイ、学校終わったら、じいちゃん家そのまま向かうから、先に行ってて」
「うん、分かったよ」
ゴカイに伝えて、ウルと一緒に家を出た。
ウルと一緒だけど、いつも一緒に学校に行ってるから、別に違和感は無かった。
いつも通り話しながら、学校について、授業を受けて、朝から帰りまで、同棲1日目の事を皆にいじられて、ウルと2人で、じいちゃん家に向かった。
じいちゃん家に着くと、ゴカイがもう居て、じいちゃんに、ゴウラク師匠、ユウビさんの他に、知らない女の人が居た。
「おう、来おったな」
「おっす」
「こんにちは」
挨拶を済ませて、とりあえずお茶をもらって座ると、女の人が誰なのか、じいちゃんが紹介してくれた。
「ガンジョウさんの弟子で、ゴカイの相手の『アネシュ』です。よろしくね」
「私の弟なのよ。私より強いけど」
「俺よりも強いからな」
最近で、1番見た目で判断したらいけないと、思った人だった。
言われてみたら、ユウビさんに似てるのに、男の人だし、ゴウラク師匠よりも、細くて小さいし、前の俺だったら確実に、勝てると思ってた。
「よろしく……お願いします……」
「よろしくお願いします」
ウルは普段通りだけど、この人が強いって考えたら、少し怯んでしまった。
「そろそろ始めるかのぉ」
じいちゃんの言葉に、皆立ち上がったから、俺もお茶を飲み干して、立ち上がった。
庭に出て、修行が始める前に、昨日来れなかった事を一応、ゴウラク師匠に謝った。
ゴウラク師匠は、じいちゃんから理由を聞いてたから、気にして無かった。それで、今日からの修行は、前回とは違う事を説明してくれた。
今回からは、武器の使い方、体の使い方、相手の見極め方、闘い方を、それぞれ1対1で、教えるから、一撃決めるのは無しって事。
これは、前回俺達が帰った後に、ゴウラク師匠がじいちゃんに言って、こうなった。
闘ってる中で、しっかりと基礎から教えた方が、良いと思ったから。元々は、顔を明かすつもりも無かったらしい。
「なるほどね」
「そうだ。では早速始めようか」
「よろしくお願いします」
こうして、俺とゴウラク師匠、ウルとユウビさん、ゴカイとアネシュさんの、それぞれ修行生活となった。
――――
修行を始めてから、1ヶ月が過ぎて、その間は学校と修行の日々だった。
最初に、ゴカイが入学して来て、クラスメイトになった。
ゴカイが内緒にしてた事がこれで、驚かせたかったから、ファジーも一緒になって、黙ってたらしい。
正直、家に居るはずのゴカイが、教室に入って来た時は、まんまと驚かされて、ウルも呆然としてた。
でも次の日には慣れたし、ゴカイ自身も、俺とウルがいるからか、クラスの皆ともすぐに、馴染んでる様に見えた。
あと、ゴカイも一緒に住んでるから、俺とウルの誤解も、ゴカイのおかげで解けた。
そんな事は置いといて、夜間闘技も1度開催されたけど、修行が終わるまでは禁止されてるから、参加しなかった。
でも、7月に開催される別のイベント、『星祭り』には参加した。
星祭りは、日にちは決まって無いけど、7月に土曜日と日曜日の、1年に2日間だけ開催されるイベントの事。
内容は2日間とも同じで、朝の7時7分から、夜の18時までは、屋台が街中に並んで、食べ物とか玩具とかを買える。これはファジー曰く、地上にもあるらしい。
ここまでが星祭りの『前祭』で、夜の19時7分から、21時までの約2時間が『本番』。
その本番を簡単に説明すると、夫婦神、『ギュウケン』と『ジョショク』が、街のどこかに別々で現れるから、2神を出逢わせる。
出逢わせる事に成功すれば、勲章が貰える。
1人で成功すれば、10000勲章貰えて、2人なら7000ずつ、3人なら5000ずつ、4人なら3000ずつ、5人から10人までは、1人1000ずつで、11人以上になると、終了。
貰える勲章は、色々なイベントの中でも最高クラスだけど、1人だけでの成功は、まず不可能に近い。その理由を、詳しく説明しようと思う。
まず、2神が街の何処に現れるか分からないから、探さないといけないし、1神を見つけても、もう1神見つけないといけないから。
ルールとして、闘う事と能力の使用が禁止で、育成神は視れるけど、口出しも禁止な上に、夜間闘技と違って、建物も解放されてる所がある。
ここまでなら、探せばいいだけだから簡単。
夜間闘技同様に、非能力者の住人も参加してて、服の背中部分に、☆のマークを付けてる住人が1人だけいて、『シラホシ』と呼ばれてる。
シラホシは、ギュウケンかジョショクの、どちらかの居場所を教えてくれる。
何もマークがないのが、『ムボシ』と呼ばれてて、ムボシは何人もいるけど、何もしない。
その中に紛れて、服の背中部分に、★のマークを付けてる住人が『クロボシ』と呼ばれてて、何人いるかは明かされてない。
このクロボシは、ギュウケンか、ジョショクのどちらかと、能力者が一緒に居るのを見つけると、居場所を皆に知らせる為に、大声で叫ぶ。
ギュウケンとジョショクは、能力者が見つけるまでは動かないけど、住人はみんな歩き回ってる。
1人だけでの成功が、不可能に近い理由がこれ。
1人での成功を諦めて、周りと協力するか。能力者、非能力者、全員から隠れながらやるか。完全に諦めて終了させるか、どれを選ぶかは俺達次第。
ちなみに、ファジーとマーザは、非能力者として参加してる。その場合、ファジーは俺の事を視ると、居場所が分かっちゃうから失格で、永遠に参加出来なくなる。
天使は呼べるけど、喋ったり、ジェスチャーで協力も失格だから、見てるだけは出来るけど、ノーテンを呼ぶのはリスクでしかないから、呼んでない。
こんな感じのイベントで、今回の結果は、2日間とも出逢えずに終わった。
そうすると、『ドナリカミノ』とメジルカミノのイベントが、同時に開催される。
ドナリカミノは雷で、怒ってる神がいる時に、開催されると言われてる。
出逢えなかった事で、ギュウケンは怒り、ジョショクは悲しみ、この雷雨は7日間も続く。
でも、もう雷雨は止んでるし、何より明日から8月だから、学校が9月までの長期休みに入る。それは嬉しいけど、多分修行の毎日で終わる気がする。
だけど、ウルとゴカイも一緒だから、協力しながらも負けないように、これからも、学校に、修行に、イベントに、色々あるけど、程々に頑張ろうと思う。俺の日常を。
「そういえばさ、ファジーとの話しってなんだった?」
「え、それは…………まだ言えないんだよねぇ」
「なんで? いつなら言えんの?」
「うーん……言ってもいいんだけど、言わないほうがいいんだよねぇ」
全く意味が分からなかった。
「じゃあ、どういう話しかだけ教えろよ」
「どういうねぇ……悪い話しではないよ」
「良い話って訳でもない?」
「まだ分からないけど、悪くはないねぇ」
話しの内容を当てようと思ったけど、面倒くさくなって諦めた。
考えてみたら、ゴカイだけに話した訳で、俺が真剣に考える必要も無いし。
「ベッドの上と下どっちか決めようぜ」
「え? もう終わり?」
「話しの事? それなら終わりだよ。お前が話さないって言ってるのに、俺がもし当てたら言うのか?」
「うーん……それは言わないねぇ……」
この話しは、呆気なく終わった。
「だろ。じゃあベッド決めようぜ」
「そうだねぇ。僕は上がいいかな」
「仕方ない。イシカミバサミだな」
「やっぱりそうなるよねぇ」
「じゃあ行くぞ」
「いいよ」
「イシカミバーサミっ」
ゴカイは右手のカミ、俺は右手のバサミで、俺の勝ち。
「よっしゃ、俺が上な」
「今日の所はねぇ」
「え? 毎日やるつもり?」
「違うの?」
そんなに上が良いのか聞くと、ゴカイはまた施設での話しを始めた。
施設は2段ベッドで、本当は上が良かったけど、他の子達に譲ってきたから、上で寝た事が無い。だから、ずっと寝てみたかったと。
「ダメだな。俺も初めてだし、毎日もやらないし、上は譲らない」
「え……? 今の話しを聞いて……」
「譲ってきたなら俺にも譲れ。そもそも俺が勝ったし」
俺は下でも良かったけど、ゴカイを甘やかす事無く、勝負とはこういう物だと、教えてあげた。
ゴカイは不貞腐れてるのか、何も言わずにゆっくりと、下に寝転がった。
「怒ってんのか?」
「…………」
俺が聞いたら、顔を横に振ってはいるけど、喋らないから怒ってるのが分かった。
よっぽど上が良かったんだなと思いながら、俺は階段を登って、上に寝転がった。
その時、部屋のドアがノックされて、ウルが入って来た。
「入りまーす」
「おう、出たのか」
「うん、ゴカイは寝ちゃったの?」
「いや、多分起きてるよ」
さっきの事をウルに話した。
「そんな事で……」
ウルは呆れた様子で、ゴカイを軽く揺すって、起きてるか確認した。
「もう寝てるみたいだよ」
「え、もう寝たのかよ」
ベッドの上から覗くと、本当に寝てるようだったから、1度階段を下りて、再度確認してみた。
「寝たな」
「寝たね」
「じゃあ、俺も風呂入ってくるかな」
「出たらもう寝る?」
「なんで? すぐは寝ないと思うけど」
「それなら、暇だから出たら教えて。部屋にいるから」
そう言って、ウルは部屋から出てったから、俺も寝間着を準備して、風呂に向かった。
1階に降りて、リビングの前を通ると、マーザとファザエルの声が聞こえた。
楽しそうに話す声を聞きながら、風呂に行って入り、今日はシャワーだけで済ませて出て、寝る準備をしてから、ウルの部屋に行った。
だけど、ウルも疲れてたのか、もう眠ってたから、自分の部屋に戻って、俺も寝る事にした。
次の日の朝、いつも通り7時に、マーザが起こしてくれて、支度をしてから朝食を食べに、ゴカイと1階に下りた。
リビングに入ると、ウルがもういて、ウルの前にファジーも座ってた。
「おはよう、2人とも」
「おはよう……」
ファジーがいつもと変わらない挨拶をしてきて、普通に返したけど、昨日の事があるから、少し気まずかった。
すぐに朝食を済ませて、歯を磨きに、洗面所に行こうとした。
「そうだ、ノーマとゴカイ。これからは天使を名前で呼べるよ」
「え、あ、ありがとう……」
「ありがとねぇ」
昨日の事を気にしてたのが分かったけど、加えて、名前を変更しに行ってくれてたのも分かって、嬉しかった。
洗面所に行って、顔を洗って、歯を磨いて、全部済ませて、リビングに戻った。
「ゴカイ、学校終わったら、じいちゃん家そのまま向かうから、先に行ってて」
「うん、分かったよ」
ゴカイに伝えて、ウルと一緒に家を出た。
ウルと一緒だけど、いつも一緒に学校に行ってるから、別に違和感は無かった。
いつも通り話しながら、学校について、授業を受けて、朝から帰りまで、同棲1日目の事を皆にいじられて、ウルと2人で、じいちゃん家に向かった。
じいちゃん家に着くと、ゴカイがもう居て、じいちゃんに、ゴウラク師匠、ユウビさんの他に、知らない女の人が居た。
「おう、来おったな」
「おっす」
「こんにちは」
挨拶を済ませて、とりあえずお茶をもらって座ると、女の人が誰なのか、じいちゃんが紹介してくれた。
「ガンジョウさんの弟子で、ゴカイの相手の『アネシュ』です。よろしくね」
「私の弟なのよ。私より強いけど」
「俺よりも強いからな」
最近で、1番見た目で判断したらいけないと、思った人だった。
言われてみたら、ユウビさんに似てるのに、男の人だし、ゴウラク師匠よりも、細くて小さいし、前の俺だったら確実に、勝てると思ってた。
「よろしく……お願いします……」
「よろしくお願いします」
ウルは普段通りだけど、この人が強いって考えたら、少し怯んでしまった。
「そろそろ始めるかのぉ」
じいちゃんの言葉に、皆立ち上がったから、俺もお茶を飲み干して、立ち上がった。
庭に出て、修行が始める前に、昨日来れなかった事を一応、ゴウラク師匠に謝った。
ゴウラク師匠は、じいちゃんから理由を聞いてたから、気にして無かった。それで、今日からの修行は、前回とは違う事を説明してくれた。
今回からは、武器の使い方、体の使い方、相手の見極め方、闘い方を、それぞれ1対1で、教えるから、一撃決めるのは無しって事。
これは、前回俺達が帰った後に、ゴウラク師匠がじいちゃんに言って、こうなった。
闘ってる中で、しっかりと基礎から教えた方が、良いと思ったから。元々は、顔を明かすつもりも無かったらしい。
「なるほどね」
「そうだ。では早速始めようか」
「よろしくお願いします」
こうして、俺とゴウラク師匠、ウルとユウビさん、ゴカイとアネシュさんの、それぞれ修行生活となった。
――――
修行を始めてから、1ヶ月が過ぎて、その間は学校と修行の日々だった。
最初に、ゴカイが入学して来て、クラスメイトになった。
ゴカイが内緒にしてた事がこれで、驚かせたかったから、ファジーも一緒になって、黙ってたらしい。
正直、家に居るはずのゴカイが、教室に入って来た時は、まんまと驚かされて、ウルも呆然としてた。
でも次の日には慣れたし、ゴカイ自身も、俺とウルがいるからか、クラスの皆ともすぐに、馴染んでる様に見えた。
あと、ゴカイも一緒に住んでるから、俺とウルの誤解も、ゴカイのおかげで解けた。
そんな事は置いといて、夜間闘技も1度開催されたけど、修行が終わるまでは禁止されてるから、参加しなかった。
でも、7月に開催される別のイベント、『星祭り』には参加した。
星祭りは、日にちは決まって無いけど、7月に土曜日と日曜日の、1年に2日間だけ開催されるイベントの事。
内容は2日間とも同じで、朝の7時7分から、夜の18時までは、屋台が街中に並んで、食べ物とか玩具とかを買える。これはファジー曰く、地上にもあるらしい。
ここまでが星祭りの『前祭』で、夜の19時7分から、21時までの約2時間が『本番』。
その本番を簡単に説明すると、夫婦神、『ギュウケン』と『ジョショク』が、街のどこかに別々で現れるから、2神を出逢わせる。
出逢わせる事に成功すれば、勲章が貰える。
1人で成功すれば、10000勲章貰えて、2人なら7000ずつ、3人なら5000ずつ、4人なら3000ずつ、5人から10人までは、1人1000ずつで、11人以上になると、終了。
貰える勲章は、色々なイベントの中でも最高クラスだけど、1人だけでの成功は、まず不可能に近い。その理由を、詳しく説明しようと思う。
まず、2神が街の何処に現れるか分からないから、探さないといけないし、1神を見つけても、もう1神見つけないといけないから。
ルールとして、闘う事と能力の使用が禁止で、育成神は視れるけど、口出しも禁止な上に、夜間闘技と違って、建物も解放されてる所がある。
ここまでなら、探せばいいだけだから簡単。
夜間闘技同様に、非能力者の住人も参加してて、服の背中部分に、☆のマークを付けてる住人が1人だけいて、『シラホシ』と呼ばれてる。
シラホシは、ギュウケンかジョショクの、どちらかの居場所を教えてくれる。
何もマークがないのが、『ムボシ』と呼ばれてて、ムボシは何人もいるけど、何もしない。
その中に紛れて、服の背中部分に、★のマークを付けてる住人が『クロボシ』と呼ばれてて、何人いるかは明かされてない。
このクロボシは、ギュウケンか、ジョショクのどちらかと、能力者が一緒に居るのを見つけると、居場所を皆に知らせる為に、大声で叫ぶ。
ギュウケンとジョショクは、能力者が見つけるまでは動かないけど、住人はみんな歩き回ってる。
1人だけでの成功が、不可能に近い理由がこれ。
1人での成功を諦めて、周りと協力するか。能力者、非能力者、全員から隠れながらやるか。完全に諦めて終了させるか、どれを選ぶかは俺達次第。
ちなみに、ファジーとマーザは、非能力者として参加してる。その場合、ファジーは俺の事を視ると、居場所が分かっちゃうから失格で、永遠に参加出来なくなる。
天使は呼べるけど、喋ったり、ジェスチャーで協力も失格だから、見てるだけは出来るけど、ノーテンを呼ぶのはリスクでしかないから、呼んでない。
こんな感じのイベントで、今回の結果は、2日間とも出逢えずに終わった。
そうすると、『ドナリカミノ』とメジルカミノのイベントが、同時に開催される。
ドナリカミノは雷で、怒ってる神がいる時に、開催されると言われてる。
出逢えなかった事で、ギュウケンは怒り、ジョショクは悲しみ、この雷雨は7日間も続く。
でも、もう雷雨は止んでるし、何より明日から8月だから、学校が9月までの長期休みに入る。それは嬉しいけど、多分修行の毎日で終わる気がする。
だけど、ウルとゴカイも一緒だから、協力しながらも負けないように、これからも、学校に、修行に、イベントに、色々あるけど、程々に頑張ろうと思う。俺の日常を。
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