Children Of The God's

鈴木ヨイチ

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第2章

神の住む島

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ここは、神の視る、住む島カミミール。この島に住む俺の名前は、ノーマ。あれから4年が経って、現在20歳。

 この島は……なんて事は置いといて、まだ修行は終わって無い。今日の夜、最終段階の修行が終わる予定。

 正直な所、こんなに長い間修行してるのもそうだけど、まさか4年間の内、3年も第1段階をやるなんて、流石に思ってなかった。

 だけど、俺達の名誉の為に言い訳すると、最初の2年は学校とかもあったから、毎日休まず修行って訳にはいかなくて長くなった。

 18で学校を卒業して、本格的に打ち込んだのは、実質1年だけだから、決して上達が遅い訳では無い。と思ってる。

 その第1段階から俺は剣のままだけど、ウルは銃に加えて剣、ゴカイは短剣を薙刀に変えて、今は使ってる。

 修行は全部で5段階あって、第2段階の内容が1番簡で、それぞれの相手、俺だったらゴウラク師匠に一撃当てるだけ。しかも、無防備な状態の相手に。能力の使用は無し。

 俺とウルとゴカイ、別々の場所に移動してから、1人でも不合格になれば、全員次に進めない、それぞれを見れないように行う、という説明をされた。

 始まって、ガン爺から銃を渡され、何故なのか聞く為にゴウラク師匠に話しかけても、一切返事をしてくれないから、まずは銃が本物なのかを考えてみた。

 当然銃なんか触った事も無いから、考えようと銃を見ようと、分からず時間だけが過ぎていく中、銃声が1発だけ聞こえてきた。

 その銃声が聞こえてから、すぐにガン爺が来て、ウルが撃ったとだけ俺に伝え、何処かへ立ち去った。

 俺に不合格と言わないって事は、ウルは合格したと仮定して、そもそもこの修行になんの意味があるのかを、撃つ前に考えてみた。

 いつもは剣を使ってるのに、銃で無防備な相手を撃つのは何故なのか、ただ撃てばいいだけなのか。

 ただ撃てばいいだけなら、一撃当てるって言う必要が無いか、そう言ってるだけで、銃さえ撃てば当てなくても終わるのか。

 そもそも銃が偽物なのか、だとしたら撃っても大丈夫なのか。

 現にウルは撃ってる訳で、ゴウラク師匠なら、たとえ銃が本物だとしても、弾を避けられると考え、俺は結論を出した。

 仲間の足を引っ張らない事と、ゴウラク師匠とは、これまでずっと師弟関係でやってきて、どのくらい信用出来てるか、それらを確かめる為の修行。

 そう考え、銃を構えて引き金を引くと、それを見たゴウラク師匠は、俺に背を向けた。

 その瞬間、弾を避ける気がない事が分かった。その理由が、ゴウラク師匠が教えてくれた、シナズから教わったと言う弾の避け方。

 確実な方法は無くて、基本的には経験と感と運だけど、避ける為の前提として、銃から目を離さない事だと言われてたから。

 そこでもう1度考え直してみると、俺の考えが合ってるのか、分からなくなった。

 その時、考えが予想の域を超えないのなら、現状で確信を持てる事だけで、判断と行動をしろ。ゴウラク師匠に言われた言葉を思い出した。

 これは、相手の能力が分からない時に、俺ならどうするか聞かれ、ゴカイとサイキョーと闘った時の話をして、それに対しての答え。

 そうなると、一撃当てる、ウルが撃った、分かってる事はそれしかないから、俺は撃つのを止めた。

 たとえ、この判断で第3段階に進めないとしても、ウルとゴカイなら納得してくれる。これは分かってた事だから。というか思い込んでた。

 だから俺は、ゴウラク師匠に撃たない意思を伝え、銃を置いた。

 ゴウラク師匠は背を向けたまま、何故なのか聞いてきたから、俺は理由を説明した。

 少し沈黙が流れた後に、笑みを浮かべて振り向き、合格だと言われて困惑してると、この修行の目的を教えてくれた。

 単純に、今まで教えてきた事に意味があったのか、それぞれの師匠が判断する為。

 俺の場合は撃たなければ、もしくは撃っても、ゴウラク師匠が避けられる状態なら合格。

 前提として理由は必要で、理由がなければ何をしても、不合格だったらしい。

 3人の修行内容も少しずつ違って、ウルは音が聞こえないようにされて、武器も剣で、説明は俺と一緒だったと、あとから聞いた。

 ゴカイは、銃声は聞こえたけど、誰が撃ったか教えてもらえなかったから、勝手にウルだと思ってたらしい。

 俺とウルは、一撃決めなくても合格だけど、ゴカイは違って、必ず決めないと不合格だった。

 俺が合格して、ゴカイの元に向かうよう言われて行くと、ウルも来て、ただ見てるようにと、アネシュさんに言われた。

 ゴカイは剣を使ってたけど、座り込んで武器を置いて、斬ろうとしてないのが分かった。

 俺が見に行った時点で、開始から1時間弱経ってて、そこから更に1時間経とうとしても、何も進展はない。

 更に1時間が経とうとした頃、ゴカイが口を開いて、不合格でいいとだけ言った。

 アネシュさんが理由を聞くと、まず俺とウルに謝ってから、敵でもないのに、人を斬る事は出来ない、と答えた。

 それを聞いたアネシュさんは、何故か俺達に、不合格でもいいか聞いてきた。

 何も考えてなかったのに、俺とウルは咄嗟に、それでもいいと答えて、言った後に少し後悔したのを覚えてる。

 でも結果は合格で、その理由が、誰かを傷付ける強さじゃなくて、守る強さを身につける事。その為には、時に誰かを傷付けなくてはいけない。

 ゴカイは強くなって、アネシュさんが隙を作ったとしても、偽物の武器ですら、斬ろうとしなかった。

 一貫して斬らないという信念も、確かに強さだけど、練習だから出来る事で、実戦においては、ただの綺麗事にしかならない。

 だから、斬らない闘い方を教えてきたけど、斬る事が必要になる時が来る、というのもずっと言ってきた。

 それでもゴカイは、強くなる事は望むけど、斬らないと言い続けてきたし、夜間闘技にも出たいと言ってたらしい。

 それなら、どうにか斬らせようと、斬らなければ不合格としてたけど、ゴカイの言う通り、敵ではない者を斬る事は教えてない。これが合格の理由。

 なんでそんなに斬らせたいのかは、ゴカイが斬らないと言ってたからで、理由はそれだけらしい。ゴカイの信念の強さに負けたとも、アネシュさんは言ってた。

 俺達に聞いてきたのも、まさか不合格でいいなんて、言うと思ってなかったから。それを聞いて、斬らせたいという意地が、凄く伝わってきた。

 第2段階が始まってから約3時間で、3人とも合格出来て、次に進めた。

 ちなみに2人が武器を変えた理由が、ウルは、遠距離から近距離まで、全てに対応出来るように。

 何より1番の理由は、片手に銃、片手に剣、このスタイルが格好いいからと言ってた。

 ゴカイは斬らない闘い方だから、短剣じゃなくて、長さのある薙刀を使うように、アネシュさんに言われて使ってる。

 最初は、自分の身長と同じぐらいあって、短剣よりも重い薙刀に手こずってたけど、今ではしっかり扱えてるし、ゴカイ自身が気に入ってる。

 そのゴカイが今日使う薙刀は、ヨンカイが持ってた物で、ゴカイと会ってから、ファジーが何処からか探してきて、ガン爺が保管してたらしい。

 ウルの剣は、フジミさんの使ってた刀が、保管してあったけど、刀より剣が良いらしいから、ガン爺から借りて使う予定。

 シナズの剣も一緒に保管してあったから、俺はそれを使う予定。

 修行が全て終わったら、それぞれの武器をモチーフにして、新しい武器を作って貰えるらしいから、使うのは今日だけ。合格したらだけど。

 今日初めて本物の武器を使うから、第2段階の修行で使った武器も全て偽物で、第3、第4段階も偽物の武器で行われた。
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