Children Of The God's

鈴木ヨイチ

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第2章

共闘

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 とりあえず俺は、1度そこで未来視止め、避ける事だけに集中して、確実に避けた後すぐに、再び能力を使った。

 すると相手も走り出し、俺の方に向かって来ながら、左の掌を俺に向けてきた。

 その掌に電気を纏うと、次の瞬間、その電気は俺の腹部を貫通した。

 相手の能力が電気なのは分かってたし、速い事も理解してたつもりだけど、いざ攻撃をされて、それが全く目で追えないとなると、流石に焦った。

 とはいえ、俺が冷静な状態を保てれば、どんなに速い攻撃だろうと、未来を視る力の前では、全く問題無い。

 飛んで来る電撃を避ける未来を視て、実際に攻撃を避けてから、またすぐに能力を使った。

 そして、次の攻撃が来るから、それを避ける未来を視て、実際に避けてから、またすぐに能力を使う。

 俺は、このやり方を繰り返した。理由は、10秒通して視る事も出来るけど、少しでもタイミングがズレたら、待ち受けてる未来が全て死だから。

 俺は避ける事だけを考えて、ただひたすらに、このやり方だけを繰り返し、攻撃を避け続けた。

 そして、どのくらいの時間が経ったか、突然相手からの攻撃が止まり、それを見て俺も、距離を置いて立ち止まった。

「どうした……? ハァ……もうへばったかよ」
「後ろを見てみろ。お前達の負けだ」

 そう言われて、この状況で目を離せる程、俺に余裕なんか無いから、まずは能力を使い、相手の意図を確かめた。

 俺は相手から目を離さない未来、言われた通りに後方を見る未来、それぞれ10秒ずつを視て、何もしてこない事は確認出来た。

 ついでに、後方を見る未来を視た時に、イラフが俺達の方に向かい、飛んで来てた。

「イラフか、それがどうした?」
「そうか、何処まで見たのか知らないが、イラフは関係ない」

 その言葉を聞き、すぐに能力を使って、振り返る未来を視ると、地面すれすれを低空飛行するイラフの背中に、シュンが乗ってた。

 それを視て、シュンが乗ってるのは驚いたけど、それ以上に、イラフの飛行速度が、こんなに速い事に驚いた。

 100m以上は離れてる距離から、約1秒程で俺の横を通過し、その風圧で、俺は吹き飛ばされた。

 俺は未来視を止め、後方を確認する動作は省き、その場でうつ伏せになり、風圧で飛ばされないようにした。

 うつ伏せになったのと同時に、イラフが真横を通過したが、俺は間一髪で吹き飛ばされずに済み、俺の相手が吹き飛ばされていた。

 俺はすぐに立ち上がり、イラフを探すと、今度は俺が居る場所とは違う方向に向かっていて、その先にはウルが居る。

 それを見て、咄嗟に走りだしたけど、イラフがウルの真上で止まり、シュンが背中から飛び降りるのを、ただ見つめる事しか出来なかった。

 ウルはシュンの存在に気づいてないのか、気づいてるけど構ってられないのか、見向きもしない。

 そんなウルが、相手の攻撃を避ける為に、1歩後ろに下がった時、地上に降り立ったシュンが、ウルの背中に手を伸ばし、触れた。

「僕達の勝ちです」

 シュンがそう言った次の瞬間、俺の視界からウルが消えた。

 俺は止まらずに、走り続けながら、どうするべきかを考えた。

 もし電気の奴が、こっちに来たら4対1だし、ゴカイの方に行っても、恐らくゴカイに勝ち目は無い。

 だとしたら、俺がゴカイの元に行き、2人で協力して5人を相手にするか。

 逃げるという選択肢が、イラフがいる以上不可能になり、ウルもいなくなった今、俺達に残された選択肢はこの2つだけ。

 俺は時計台で時間を確認すると、時刻は22時30分で、夜間闘技終了まで、残り1時間半。

 その1時間半の間、協力して闘おう思い、ゴカイの方に向かう為に、方向転換した。

 その時、俺の視界に入ってきた光景に、思わず足を止めた。

 シュンに飛ばされた筈のウルがいて、その足元に倒れてたのが、電気の奴。

「ノーマさん、あなたはイートの相手をして下さい」
「これは……どういう事だ?」

「説明は後です。今は闘いに集中して下さい」

 俺の後を追って来てたシュンに、言われるがまま訳も分からず、とりあえず方向転換して、イートの元に向かった。

 イートの所に向かってる間も、色々と考えたけど、何も分からないから、今はシュンの言う通り、闘いに集中しようと思った。

「シュン、あいつがイートって事は、糸使いだよな」
「そうです。でも心配はいりません」

 シュンはそう言いながら俺に触れ、すると俺の手の甲に、印と浮かび上がってきた。

「僕がサポートするので、触られないようにだけ気を付けて下さい」
「了解、よろしくな、シュン」

 シュンが能力を使い、俺はイートの背後に瞬間移動したから、すぐさま剣を振り下ろした。

 イートは気配を察したのか、瞬時に体を捻り、両手で剣を持ち、俺の剣を防いだ。

 体勢が整ってない状態で、耐えられる筈も無く、イートはその場に倒れ、それを見て、俺は追い討ちをかけた。

 イートを目掛けて剣を突き刺したが、これは、横に転がり避けられたけど、間髪入れず、転がった方向に剣を降った。

 これは流石に当たったと思ったが、これも剣で防がれ、更に防いだ衝撃を利用して転がり、俺から離れて、すぐに立ち上がった。

 俺はシュンにアイコンタクトを送り、すぐにイートの背後に移動し、再び剣を振り下ろした。

 前方に跳んで避けようとしてたが、反応が少し遅れ、俺の剣が背中を捉えた。

 イートは振り返り、勢い任せに剣を降ってきたが、俺は冷静に間合いから外れ、一気に踏み込み、斬り掛かる。

 それを、後方に跳びながら剣で防ぐイート、これを何度か繰り返し、1度手を緩めた瞬間、そこを狙って反撃してきた。

 俺はそのタイミングで、シュンにアイコンタクトを送り、イートの背後に移動して、背中を斬る。

 完全に捉えたこの一撃で、イートは前のめりに倒れたが、まだ動いてるから、触られないように近づかず、立ち上がるのを待った。

「シュン…………今ならまだ赦そう」
「いりません……あなたの赦しなんか、必要ない」

「そうか……シークを敵に回すという事だな。必ず後悔するぞ」
「自分の気持ちに嘘ついて、後悔するよりはマシです」

 イートは静かに立ち上がり、両手を広げると、手のひらから糸を出し、2体の糸人間を創り出した。

「それなら、ここで死ね」

 イートがそう言った瞬間、糸人間が動き出し、それぞれが俺とシュンに向かって、走ってきた。

 糸人間は、両手を刃物状に変形させ、斬りかかってきたから、その攻撃を避け、逆に斬りかかると、腕で防いでくる。

 糸だから簡単に斬れると思ってたが、本物の剣と遜色無く、俺の剣は弾かれた。

 俺は1度糸人間と距離を取り、本体を倒す為に、イートの元に向かい走り出したが、イートが左腕を振ると、糸人間が俺を目掛けて飛んできた。

 勢い良く向かって来る糸人間を1体避け、そのまま走り続けると、イートが今度は右腕を振る。

 俺は能力を使い、シュンがいる方向を見ると、そっちにいたもう1体の糸人間が、俺を目掛けて飛んできた。

 そのもう1体の攻撃を防ぎ、闘わずにイートに向かって走り出す。

 イートは左腕を振り、また糸人間がきて、攻撃を避け、走り出す。

 未来視はここで終わり、ここまでの未来を実行に移すが、イート本体には一向に近づけない。

 ただ、糸人間は2体とも俺の所にいる。その事に気づきシュンを見ると、シュンも察したのか、俺をイート本体の背後に、瞬間移動させてくれた。

 イートの背中目掛けて、力任せに剣を突き出すと、剣はイートを貫いた。
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