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第2章
夢
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「ん……? サイキョー、これなんだ?」
「どれ?」
俺達が3人に追いつくと、モエルとサイキョーは2人して、壁に掲示してある貼り紙を、真剣に見つめていた。
「何か、気になるものでもあったのか?」
「闘技場と、そこで大会があるらしいです」
「闘えるんですか? 出られるんですか?」
闘技場の存在は、貼り紙に呆気なくばらされ、ゴウラクもこれは流石に、盲点だったに違いない。
「どうする? ゴウラク」
「仕方ありません」
俺達は隠す事を諦めた。闘技場は、闘技大会が開催される場所で、その闘技大会は、約1ヶ月程行われる。
月に1度、俺達のような旅行者が到着した、次の日から始まり、帰りの船が出る前日に終わり、それまで毎日続く。
参加人数は決まっておらず、上限も無い為、参加希望者は、老若男女問わず、一定数以上の勲章を所持している事のみを条件に、参加可能。
参加人数により、1日数試合から、数十試合行われる日もあり、参加者の数に合わせて、開催期間内に終わるように、調整される。
闘技者は、トーナメント方式、能力の使用可、武器の使用不可、対戦相手の死、もしくは行動不能にすれば勝利という、単純なルールで闘う。
闘技者は、自分が勝った相手の勲章が、自分のものとなるが、負ければ全て失い、例え勝ったとしても、大会終了までは、本人には与えられない。
これは、その場で勲章を与えれば、大会途中で換金される恐れがあり、それを避ける為、優勝者にまとめて支給される。
つまり優勝すれば、大会参加者全員分の勲章を、全て貰えるのに加え、別で、3位までの参加者に、大会主催者側からも、勲章が贈られる。
大会の観戦者は、ただ観戦するだけ、もしくは参加者に賭ける事も可能で、特定の人物1人にでは無く、1試合毎に、その試合どちらかの勝敗を予想する。
これがゴッドルックの、闘技場で開催される大会、神見闘技。
俺がゴッドルックに居た時は、神見闘技に出ては負け、毎日闘い勲章を貯め、修行しながら、神見闘技に出る。
この繰り返しの日々を、過ごしていた為、これがゴッドルックに、詳しく無い理由。
これらの事を、モエルとサイキョーに話し、答えは分かっていたが、出場するかを確かめた。
「絶対に参加します!」
「じゃあ、俺も出ます」
参加すると決まれば、今日中に手続きをしなければ、出場出来ない為、会場へと向かった。
会場に着き、受付で2人は名前を記入し、勲章の所持数を調べられ、出場に必要な分の勲章を預け、到着して5分も経たずに、出場が決まった。
受付の人から、口頭で簡単な説明を受け、最後に番号が書かれた札を渡された。
番号札は、名前を記入した順に渡される為、2人の番号を確認すると、モエルが049、サイキョーが050で、現時点での出場者は、全員合わせて50人という事になる。
受付終了まで、まだ時間があるので、ここから更に増えるが、出ない、もしくは出られなくなる者もいる為、何人が出場するかは、当日まで分からない。
「よっしゃぁ! 絶対優勝してやろうぜ! な、サイキョー!」
「もしお前と俺が残ったら、優勝は譲ってやるよ」
「いいのか? ありがとな!」
「ところで、イラフさんは優勝した事あるんですか?」
「昔にだが、1度だけあるな……」
優勝した事に変わりないが、俺の場合は、相手の棄権による優勝。その為、あまり堂々と言えたものでは無い。
「俺と同じく、ゴウラクが1回、ユウビは出場経験が無いから0回、アネシュは、確か5回だったか?」
「そうですね。まぁ、怪物がいるから、霞みますけど」
アネシュの言う怪物とは、ガンジョウさんの事で、神見闘技での、殿堂入りを果たしている。
殿堂入りするには、ただでさえ難しい優勝を、5回以上連続、且つ1年で10回以上が、条件。
つまり、例え1年で10回優勝しようと、5回連続優勝が出来なければ、殿堂入り出来ない。これをガンジョウさんは、12回連続優勝で、成し遂げた。
殿堂入りすると、ただ寝ているだけでも、毎月勲章が贈られ、夢の生活、ゴッドルックドリームを掴める。
ガンジョウさんは、夜間闘技でも殿堂入りしている為、カミミールドリームと合わせて、2つのドリームを掴んでいる。
「俺も掴んでみせますよ! ゴッドルックドリーム!」
「いや、1ヶ月で帰るんだからな。ですよね?」
「あぁ、今回はそうだな」
「そうだった…………」
「残念だったな」
モエルは落ち込んだが、これに関しては、滞在日数を伸ばせない為、諦めてもらうしかない。
「て言うか、今年はどの道無理だし」
「なんでだ? そうなのか? なら仕方ないか……」
「まぁ、今日はもう飯に行って、明日に備えるとするか」
「はい! そうしましょう!」
モエルはすぐに元気を取り戻し、時刻はまだ17前で少し早いが、食事をとる事にした。
「店は、2人で決めていいぞ」
「お前に任せるよ。さっきの肉も美味かったし」
「いいのか? じゃあ、行きましょう!」
俺達は歩き出し、歩きながら入る店を選んでいると、モエルが足を止めた。
「ここにしましょう!」
「え……?」
モエルは俺達に構う事無く、数時間前に来たばかりの、肉料理専門店へと、1人先に入って行った。
「普通同じ店来ますか? あいつバカですよ、ほんと」
「まぁ、そう言うな。行かないのか?」
「いや、行きますけど……」
サイキョーが乗り気では無い為、言えない雰囲気だが、俺はこの店を選んだモエルを、褒めたい。
そんなサイキョーも連れ、店に入ると、モエルは当然席に着いており、俺達も席に着くと、今回は料理まで、既に注文していた。
俺とモエルは、昼間と同じ料理を頼み、他の4人は違う料理を頼んだ。
全員が食べ終わり、少し休憩をしてから店を後にし、宿に戻った。
部屋割りは、俺とモエル、サイキョーとゴウラク、ユウビとアネシュの、2人1組で、3部屋を借りた。
神見闘技は、朝10時までに会場にいなければ、出られない為、朝食をとる時間も踏まえ、8時に玄関帳場に集合と決め、それぞれ部屋へ向かった。
部屋に入ると、モエルはすぐに横になり、いつの間にか眠りに落ち、俺も寝支度をして、眠りについた。
良い目覚めの朝を迎え、モエルを起こし、支度をして、8時前に部屋を出た。
既に4人も集まっており、宿で朝食を済ませ、会場へと向かった。
会場に着き、受付で番号札を見せると、改めて神見闘技の、簡単に言えば命の保証は無い、という説明を受けた。
説明を聞いた上で、それでも出場する意思がある者は、同意書に名前を記入し、控え室へ案内される。
2人は、考える素振りなど一切見せず、名前を記入し、控え室へ向かおうとした。
「それでは、行ってきます!」
「行ってきます」
「あぁ、気を抜く事無く、相手の動きをしっかり見る。モエル、特にお前は――」
「もう行け。気をつけてな」
「はい!」
アドバイスの途中でゴウラクが邪魔をし、2人も最後まで聞かず、行ってしまった。
「さあ、俺達も行きましょう」
「お前……まぁいい」
俺達も会場内を進み、飲食物を購入してから、闘技場へ行き、入り口で座席の番号が記された紙、それとは別に、紙とペンを受け取り、最前列の席に着いた。
ゴッドルックで、唯一安全な場所と言えるのが、この会場内で、出場者も含め、会場内での揉め事、試合以外の戦闘をした者は、死ぬ。
純粋に神見闘技を楽しむ為のルールで、例えこのルールを、知らなかろうと例外無く、死ぬ。
その為、ここにいる間は皆が気を休め、食べながら、飲みながら、話しながら、好きなように過ごす。
「間もなく、10時となります。会場内にいる方は、闘技場にお入り下さい」
席で開始を待っていると、放送が流れ、放送を聞いた観客が、次々と闘技場に集まり、疎らに空いていた席は、すぐに埋め尽くされた。
闘技場はほぼ満員となり、間もなく開始する事も重なって、熱気を帯びている。
「10時となりました。闘技場への出入りは、午前の部、第1試合が終わるまで出来ませんので、ご了承下さい」
闘技場の造りは円形で、中央が壁までの半径約50m、壁は高さ約10m程あり、その上に観客席が、中央を取り囲むように、傾斜をつけて、造られている。
出場者は観客席の下を通り、壁に造られた扉が、対極に2箇所だけある為、そこから入場する。
「間もなく、神見闘技、午前の部、第1試合を開始します。番号札10番、番号札49番、入場です」
「どれ?」
俺達が3人に追いつくと、モエルとサイキョーは2人して、壁に掲示してある貼り紙を、真剣に見つめていた。
「何か、気になるものでもあったのか?」
「闘技場と、そこで大会があるらしいです」
「闘えるんですか? 出られるんですか?」
闘技場の存在は、貼り紙に呆気なくばらされ、ゴウラクもこれは流石に、盲点だったに違いない。
「どうする? ゴウラク」
「仕方ありません」
俺達は隠す事を諦めた。闘技場は、闘技大会が開催される場所で、その闘技大会は、約1ヶ月程行われる。
月に1度、俺達のような旅行者が到着した、次の日から始まり、帰りの船が出る前日に終わり、それまで毎日続く。
参加人数は決まっておらず、上限も無い為、参加希望者は、老若男女問わず、一定数以上の勲章を所持している事のみを条件に、参加可能。
参加人数により、1日数試合から、数十試合行われる日もあり、参加者の数に合わせて、開催期間内に終わるように、調整される。
闘技者は、トーナメント方式、能力の使用可、武器の使用不可、対戦相手の死、もしくは行動不能にすれば勝利という、単純なルールで闘う。
闘技者は、自分が勝った相手の勲章が、自分のものとなるが、負ければ全て失い、例え勝ったとしても、大会終了までは、本人には与えられない。
これは、その場で勲章を与えれば、大会途中で換金される恐れがあり、それを避ける為、優勝者にまとめて支給される。
つまり優勝すれば、大会参加者全員分の勲章を、全て貰えるのに加え、別で、3位までの参加者に、大会主催者側からも、勲章が贈られる。
大会の観戦者は、ただ観戦するだけ、もしくは参加者に賭ける事も可能で、特定の人物1人にでは無く、1試合毎に、その試合どちらかの勝敗を予想する。
これがゴッドルックの、闘技場で開催される大会、神見闘技。
俺がゴッドルックに居た時は、神見闘技に出ては負け、毎日闘い勲章を貯め、修行しながら、神見闘技に出る。
この繰り返しの日々を、過ごしていた為、これがゴッドルックに、詳しく無い理由。
これらの事を、モエルとサイキョーに話し、答えは分かっていたが、出場するかを確かめた。
「絶対に参加します!」
「じゃあ、俺も出ます」
参加すると決まれば、今日中に手続きをしなければ、出場出来ない為、会場へと向かった。
会場に着き、受付で2人は名前を記入し、勲章の所持数を調べられ、出場に必要な分の勲章を預け、到着して5分も経たずに、出場が決まった。
受付の人から、口頭で簡単な説明を受け、最後に番号が書かれた札を渡された。
番号札は、名前を記入した順に渡される為、2人の番号を確認すると、モエルが049、サイキョーが050で、現時点での出場者は、全員合わせて50人という事になる。
受付終了まで、まだ時間があるので、ここから更に増えるが、出ない、もしくは出られなくなる者もいる為、何人が出場するかは、当日まで分からない。
「よっしゃぁ! 絶対優勝してやろうぜ! な、サイキョー!」
「もしお前と俺が残ったら、優勝は譲ってやるよ」
「いいのか? ありがとな!」
「ところで、イラフさんは優勝した事あるんですか?」
「昔にだが、1度だけあるな……」
優勝した事に変わりないが、俺の場合は、相手の棄権による優勝。その為、あまり堂々と言えたものでは無い。
「俺と同じく、ゴウラクが1回、ユウビは出場経験が無いから0回、アネシュは、確か5回だったか?」
「そうですね。まぁ、怪物がいるから、霞みますけど」
アネシュの言う怪物とは、ガンジョウさんの事で、神見闘技での、殿堂入りを果たしている。
殿堂入りするには、ただでさえ難しい優勝を、5回以上連続、且つ1年で10回以上が、条件。
つまり、例え1年で10回優勝しようと、5回連続優勝が出来なければ、殿堂入り出来ない。これをガンジョウさんは、12回連続優勝で、成し遂げた。
殿堂入りすると、ただ寝ているだけでも、毎月勲章が贈られ、夢の生活、ゴッドルックドリームを掴める。
ガンジョウさんは、夜間闘技でも殿堂入りしている為、カミミールドリームと合わせて、2つのドリームを掴んでいる。
「俺も掴んでみせますよ! ゴッドルックドリーム!」
「いや、1ヶ月で帰るんだからな。ですよね?」
「あぁ、今回はそうだな」
「そうだった…………」
「残念だったな」
モエルは落ち込んだが、これに関しては、滞在日数を伸ばせない為、諦めてもらうしかない。
「て言うか、今年はどの道無理だし」
「なんでだ? そうなのか? なら仕方ないか……」
「まぁ、今日はもう飯に行って、明日に備えるとするか」
「はい! そうしましょう!」
モエルはすぐに元気を取り戻し、時刻はまだ17前で少し早いが、食事をとる事にした。
「店は、2人で決めていいぞ」
「お前に任せるよ。さっきの肉も美味かったし」
「いいのか? じゃあ、行きましょう!」
俺達は歩き出し、歩きながら入る店を選んでいると、モエルが足を止めた。
「ここにしましょう!」
「え……?」
モエルは俺達に構う事無く、数時間前に来たばかりの、肉料理専門店へと、1人先に入って行った。
「普通同じ店来ますか? あいつバカですよ、ほんと」
「まぁ、そう言うな。行かないのか?」
「いや、行きますけど……」
サイキョーが乗り気では無い為、言えない雰囲気だが、俺はこの店を選んだモエルを、褒めたい。
そんなサイキョーも連れ、店に入ると、モエルは当然席に着いており、俺達も席に着くと、今回は料理まで、既に注文していた。
俺とモエルは、昼間と同じ料理を頼み、他の4人は違う料理を頼んだ。
全員が食べ終わり、少し休憩をしてから店を後にし、宿に戻った。
部屋割りは、俺とモエル、サイキョーとゴウラク、ユウビとアネシュの、2人1組で、3部屋を借りた。
神見闘技は、朝10時までに会場にいなければ、出られない為、朝食をとる時間も踏まえ、8時に玄関帳場に集合と決め、それぞれ部屋へ向かった。
部屋に入ると、モエルはすぐに横になり、いつの間にか眠りに落ち、俺も寝支度をして、眠りについた。
良い目覚めの朝を迎え、モエルを起こし、支度をして、8時前に部屋を出た。
既に4人も集まっており、宿で朝食を済ませ、会場へと向かった。
会場に着き、受付で番号札を見せると、改めて神見闘技の、簡単に言えば命の保証は無い、という説明を受けた。
説明を聞いた上で、それでも出場する意思がある者は、同意書に名前を記入し、控え室へ案内される。
2人は、考える素振りなど一切見せず、名前を記入し、控え室へ向かおうとした。
「それでは、行ってきます!」
「行ってきます」
「あぁ、気を抜く事無く、相手の動きをしっかり見る。モエル、特にお前は――」
「もう行け。気をつけてな」
「はい!」
アドバイスの途中でゴウラクが邪魔をし、2人も最後まで聞かず、行ってしまった。
「さあ、俺達も行きましょう」
「お前……まぁいい」
俺達も会場内を進み、飲食物を購入してから、闘技場へ行き、入り口で座席の番号が記された紙、それとは別に、紙とペンを受け取り、最前列の席に着いた。
ゴッドルックで、唯一安全な場所と言えるのが、この会場内で、出場者も含め、会場内での揉め事、試合以外の戦闘をした者は、死ぬ。
純粋に神見闘技を楽しむ為のルールで、例えこのルールを、知らなかろうと例外無く、死ぬ。
その為、ここにいる間は皆が気を休め、食べながら、飲みながら、話しながら、好きなように過ごす。
「間もなく、10時となります。会場内にいる方は、闘技場にお入り下さい」
席で開始を待っていると、放送が流れ、放送を聞いた観客が、次々と闘技場に集まり、疎らに空いていた席は、すぐに埋め尽くされた。
闘技場はほぼ満員となり、間もなく開始する事も重なって、熱気を帯びている。
「10時となりました。闘技場への出入りは、午前の部、第1試合が終わるまで出来ませんので、ご了承下さい」
闘技場の造りは円形で、中央が壁までの半径約50m、壁は高さ約10m程あり、その上に観客席が、中央を取り囲むように、傾斜をつけて、造られている。
出場者は観客席の下を通り、壁に造られた扉が、対極に2箇所だけある為、そこから入場する。
「間もなく、神見闘技、午前の部、第1試合を開始します。番号札10番、番号札49番、入場です」
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