Children Of The God's

鈴木ヨイチ

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第2章

麺やカミノ

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 ゴウラクに揺すられて目を覚まし、辺りを見回すと、アネシュとユウビの姿はあるが、サイキョーの姿はなく、当然、モエルの姿も無い。

「すみません、俺のせいで……」
「お前のせいでは無い。全て俺の責任だ」

 今回、ゼロとシナズさんの存在は、完全に想定外ではあった。

 それに加え、俺の在籍時にはいないムカ、位置を入れ替える者と眠らせる者、他の3人も更に強くなっている。

 だが、どんな理由があろうと、俺の責任に変わりなく、全てが言い訳にしかならない。

「イラフさん、1度カミミールへ戻りましょう」
「私も、アネシュに賛成です」

「俺も必ず戻る。だから、1度先に戻ってくれ」
「何を言ってるんですか?」

 俺はこのままゴッドルックに残り、再びシークに戻る事、その理由を3人に説明し、強引に納得させた。

「それじゃあ、またな」
 3人をその場に残し、俺はシークの本拠地へと、1人向かった。

 着くなりすぐに、地下の一室に閉じ込められ、それに反抗する事なく従い、半年が経った頃、シークに戻る許しをゼロからもらった。

 ――――






「ブォーーーン……ブォーーーン……」

 夜間闘技の終了を告げるサイレンが、街中に鳴り響いた。

「ちょうど終わったな。俺の話もここまでだ」
「ガン爺って、本当に強いんだな」

「あぁ、あの人は強い。だが、まず気になるのが、そこなんだな」
「他にもあるけどさ、ありすぎてよく分かんないし」

 俺は、サイキョー、シナズ、ゼロ、ゴッドルック、森、海、聞きたい事はまだまだある。

「それなら、俺は先に戻る。怒られる所を、見られたくないからな」

「じゃあ、ゆっくり戻るよ」
「僕も、ノーマさん達と行きます」

 イラフさんは飛び立ち、一瞬で姿は見えなくなったが、一応見送った。

「ノーマ、何か食べて帰ろうよ。お腹空いた」
「僕はラーメンがいいねぇ」

「ラーメンありだな。シュンもそれでいいか?」
「はい、僕はなんでも」

 俺達は、この時間に開いているラーメン屋、麺やカミノへと向かった。

「そう言えばさ、なんでウルはデンバーチに触れて、ゴカイはノウソウに触られた?」

「シュンのおかげで、背後に移動出来た……から?」
「僕は……騙された……から?」

 ゴカイが触られた理由は、詳しく分からないけど、騙されたとだけ聞けば、後は想像がつくし、納得出来る。

「いや、そうじゃなくてさ。電気なのに、どうして触れんのかが、気になるのよ」

「ん? どゆこと?」
「恐らく、ノーマさんは勘違いしてますよ」

「俺が? なんでだよ。あいつの腕を切ったのに、元通りにくっついたんだぞ? それって……あれ」

 俺は自分で説明している途中で、気づいた。ウルに気を取られて、デンバーチに蹴られた後、俺も蹴り返した事に。

 それに、そもそも蹴られ、服も着れていて、武器も持っているという事は、体が電気では無い。という事にも、考えながら気づいた。

 だが、切断された腕が再生する理由は、やはり体が電気でなければ、説明がつかない。

「いや、腕がくっつくのは、どういう理屈?」

「左腕ですよね? あれは義手で、相手に切らせて、くっついたように見せる。それで、攻撃が効かないと思い込ませるんです」

 俺はデンバーチの思惑通り、腕がくっついたのを見て、完全に攻撃が効かないと思い込み、蹴った事すら、今まで忘れていた。

「だよな。やっぱ思った通りか」
「止めなよ、そういうの。バレバレだから」

「へ? 何が?」
「へ、って言っちゃってんじゃん。動揺してんじゃん」

 ウルの何かを見抜く力が、この数時間で更に増し、俺のちょっとした冗談を、見抜いてきたが、冗談だとは見抜けないのか、本気のトーンで返してきた。

「まぁ、2人とも喧嘩は止めてさ。次は、僕が騙された話をするから」
「おっ、着いた。今日は、俺が奢るよ」

「やったぁ! いいの? ありがとう!」
「ありがとうございます」

 麺やカミノへ入るが、ゴカイが入って来ないから、外を見に戻ると、1人立ち尽くしている。

「どうした? 早く来いよ。奢ってやるから」
「うん……」

 ゴカイは拗ねていて、その理由は、ゴカイの話を無視するように、店に入ったからだと思う。

 これは勝手な推測だけど、それ以外に店に入らない理由は無いから、外で話すと長くなると考え、一声かけて、すぐに店内へ戻った。

「2人は、もう決めた?」

「あたしは、かみのしょうゆラーメンかなぁ」
「僕は……かみのしおラーメンで」

 席に戻ると、ゴカイもすぐに来て、2人はラーメンを決めていて、俺もウルと同じ、かみのしょうゆラーメンに決めて、後はゴカイを待った。

「ゴカイ、決まった?」
「うん、決まったかな」

「すみませーん。ゴカイから、先に頼んでいいよ」
「うーんと、かみのみそラーメンに、煮玉子とチャーシューで、ヤサイ増し、あとチャーハン大盛りで」

 ゴカイは、純粋に腹が減っているのか、俺の奢りだからか、無視された腹いせか、はたまたこれら全てか。

 真実は分からないが、俺が奢ると言った以上、逆に遠慮されたら、気持ち良く奢れないから、これぐらい頼んでくれると、奢りがいがある。

「じゃあ俺は、同じやつをしょうゆ味で」

「じゃあ僕も、同じやつで、味はしおでお願いします」
「えぇ~、じゃああたしも……しょうゆ味でもう1つ」

「かしこまりました!」

 シュンは遠慮していたが、ゴカイの注文を聞き、俺もゴカイに合わせた事で、自分も同じやつにして、遠慮せずに行こうと、なったのは分かる。

 分からないのはウルで、見る限り、最初は遠慮していて、シュンと同じように、遠慮しなくなった訳でも無い。

 本当は、最初に頼もうとしていた、かみのしょうゆラーメンだけでいいのに、皆同じの頼むなら、同じにするしかないじゃん。

 みたいな反応をしているが、もしそうだとしたら、その思考に至る意味も、俺には分からない。

「ねぇ、ノーマ。ギョーザも頼んでいい?」
「え? まぁ、いいけど、食えるなら……」

 余計に理解出来なくなった。絶対に食べ切れないと、分かっている量を頼み、来る前に違う料理、単純に食べたい料理を頼むウルは、正直イカれてる。

 だがしかし、ここで俺が、頼んだらダメと言おうものなら、奢ると言ってしまった以上、何を言われるか、どんな事を言われるか、分かりきっている。

 それに、文句を言われるだけ言われ、結局料理は頼む事も、分かりきっている。

 それなら、ウルが食べたい物を食べ、食べ切れない物は俺が食べれば、何事も無く、皆で楽しく食事が出来る。

 俺はそう考え、強くは言わず、かと言って、全く何も言わない訳でも無い、絶妙な加減の、食えるなら……と発した。

「ありがとう! すみませーん、ギョーザ4人前お願いします」
「あの、ギョーザ1人前で」

「4でいいよ。食べれなかったら、あたし食べるし」
「お前さ…………分かったよ」

 言いたい事はあったが、何も言わず4人前に頼み直し、料理が来るのを、微妙な空気間の流れる席で、待つ事になった。

「あ、そうだ。ウルさんに聞きたい事があったんです」
「あたしに? 何?」

「どうして、僕が力を使えるように、してくれたんですか?」
「うーん……特に理由は無いかな。弱いからいいやと思って」

 ウルは理由が無いと言っているが、シュンの元に1人行き、黙って手を置き、ゴカイを信じてると言っていた。

 だから理由を知っているけど、ここで俺が言えば、ウルは怒る筈だから、俺は言わないけど、言ってやりたい気持ちもある。

「そうですか……」
「気にすんな、シュン。照れ隠しだよ」

「もういいって。はい、この話終わり」

 無理やり話を終わらせたウルは、そこから黙り込み、沈黙の時間が流れた。

「そうだ、料理が来るまでさ、僕の話――」
「お待たせしましたー!」

 ゴカイが何かを話し始めた、ちょうどその時、店の人が料理を運んできてくれた。

 料理をテーブルに並べてくれてる間、ゴカイはその人の顔をじっと見つめていたが、あまり気には留めず、全員分の料理が揃うのを待つ。

「いただきます」
「……いただきます」

 俺達は一斉に食べ始めたが、ゴカイだけ1人遅れて、静かに食べ始めた。
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