48 / 52
第2章
ホットでスイートなナイトに占って
しおりを挟む
「どうしたの? 廊下なんか覗いて」
「ちょっとあれ見てよ」
俺が壁を指差しながら言うと、ウルは部屋に入り、カップをテーブルに置いてから、壁に視線を向けた。
「なんか汚れてる?」
じっと壁を見つめたウルは、ゆっくりと腰を下ろし、カップを手に取ると、ホットミルクを1口飲んでから、そう言った。
「汚れなんだけどさ、顔に見えない?」
俺はウルに問いかけ、カップを手に取り、ホットココアを1口啜った。
「うーん………………」
「ほら、あの黒いシミ3箇所が目と口に。見えるでしょ」
「まぁ……見えなくはないかなぁ……?」
「そんな感じ? 見れば見る程顔だけどな」
ホットミルクを飲みながら、壁を見つめるウルの横顔が、いつも以上に可愛く見えた。
「何? なんか付いてる?」
「いや、可愛いなと思って」
「なにそれ」
「あ、ごめん」
何故こんな事を言ってしまったのか、自分でも分からない。
だけどウルの反応は、真顔で呆れたような口調の反面、頬を赤らめ、それを隠すかのように、両手を頬に当てる。
俺はそんなウルも可愛いと思うし、不思議と自分の発言に後悔はない。
ただ、少しだけ顔が熱いのは、ホットココアの所為だろう。
「もう3時過ぎてるし、そろそろ寝る?」
「うん、そうだな」
「じゃあ、カップ下げちゃうね」
「俺も行くよ、歯磨きたいし」
ウルが先に部屋から出ていき、カップに残った冷めたココアを飲み干し、俺も部屋を出て1階に下りた。
「いいよ、持ってくよ」
「おう、サンキュ」
廊下でウルにカップを渡し、俺は洗面所へ向かい歯を磨き、先に部屋へ戻ろうとした。
「先に戻ってるな」
「ちょっと待ってよ」
洗面所を出て声をかけると、何故か止められ、ウルが歯を磨き終わるのを待った。
「なんで俺は待ってんの?」
「顔とか言うからでしょ」
「顔? もしかして怖かったの?」
「悪い? ノーマだって怖くてドア開けてたくせに」
少し言い合いになったけど、お互い様という事で落ち着き、一緒に部屋へ戻った。
「じゃあ、寝ますか」
「そうだね。今布団敷くよ」
ウルがクローゼットから、布団を取り出してくれてる間に、俺はテーブルを折りたたんで部屋の端に置き、ウルに布団を敷いてもらった。
「はいどうぞ」
「ありがとう。電気消すよ?」
「うん、いいよ。おやすみ」
「おやすみ」
電気を消し横になると、窓から優しく差し込む月明かりに、部屋は包み込まれ、妙に心地よく感じた。
この心地よさは、月明かりに包まれているからなのか、はたまた布団は違えど、ウルと同じ部屋で寝ているからなのか。
答えは簡単だ。月明かりに包まれた部屋で、ウルと寝ているからだろう。
そんな馬鹿みたいな事を考えていると、目を瞑っていても、頭が冴えてくる。
1度目を開け、時計を確認すると、もうすぐ4時になろうとしていた。
けれど、焦って眠ろううとすればする程、眠れなくなる悪循環に陥る事を、俺は知っている。
ウルのほうに目をやると、こっちに背を向ける形で、横向きに寝ている。
「ウル……起きてるか……?」
「…………寝れないの?」
俺が小声で問いかけると、ウルは少し間を置いてから、返事をした。
「今ちょっと、寝たふりしようか迷っただろ」
「フッ……バレた?」
ウルは図星だったらしく、思わず笑ってしまった感じで笑ってしまったのか、あっさり白状した。
俺と同じように、ウルも目は瞑っているものの、眠れないみたいだから、どちらかが眠くなるまで、話をしようという事になった。
「なんの話する?」
「うーん……なんの話しようか考えて、話した事なんて無いからね……」
「確かにそうだよな。いつも自然と喋ってるけどさ、何喋ってんだろ」
なんの話をするのか、いつもはなんの話をしているのか、こんなどうでもいい話をしていると、ウルが体勢を変えて、俺の方を向いた。
「ノーマ、左の手のひら見せて。占ってあげる」
「え? そんな事出来たっけ?」
「うん。知らなかった?」
「初めて聞いたよ。じゃあ、はい」
俺は体を起こして座り、言われた通り左の手のひらを、ウルの前に出す。
ウルも体を起こして座り、右の手のひらを、俺の手のひらに重ねた。
「手大きくなったね」
「まぁな。これで何が分かんの?」
ウルは黙って指を絡ませ、まるで恋人同士のように手を繋いだ。
「ノーマのことが好きな人」
「なるほどね……じゃあ、左手出して」
ウルが出した左の手のひらに、俺の右の手のひらを重ね、指を絡まさせて繋いだ。
「これは何が分かるの?」
「ウルのことが大好きな人かな」
両手を繋いだまま見つめ合い、ゆっくりと目を閉じたウルの唇に、俺は唇を重ねた。
――――
「ノーマ…………朝だよ」
「あぁ……うん……」
ウルに起こしてもらい、起き上がろうとするも、目が開かず、体に力が入らない。
「ノーマァ……起きないのぉ」
「起きるよ……」
少し目を閉じただけのつもりが、ウルに呼ばれて、眠っていたと気づく。
「もうお昼だよ」
「やっぱり後5分経ったら起こして……」
ウルに頼み、もう少しだけ寝かせてもらおうと、目を閉じた。
「ノーマッ! おはようだぞっ! 起きろ!」
目を閉じた瞬間、ノーテンとルテンが突然現われ、ノーテンの声の音量に驚き、一瞬で目が覚めた。
「おいっ! いきなりうるせーよっ! バカ天使が!」
「バカは酷いぞ! 起こすように言われたんだぞ!」
「誰に?」
「神様たちだぞ。ガン爺の家にいるぞ」
ファジー達は昨日からガン爺の家で、俺達の帰りを待っていて、イラフさんだけが帰って来た。
それで、イラフさんから俺達が無事だと聞き、待っていたけど来ないから、自分の家に帰ったと思い、今ノーテン達に起こしに来させたらしい。
「そういう事か。わざわざお前に頼まないで、自分が視たほうが早いのにな」
「神様が視れないって言ってたぞ」
「あ、そうだ。忘れてた」
「ウルちゃんごめんなさいです……いきなり」
「ううん、ありがとう、ルテンちゃん」
とりあえず支度をしようと、ベッドから降りて、床に敷いてある布団を畳み、クローゼットに仕舞った。
「支度したら行くから、戻ってていいよ。ありがと」
「ルテンちゃんもいいよ。ありがとね」
「どういたしましてだぞ!」
「はいです……」
ノーテンとルテンは1度天界に戻り、俺とウルが1階に下りようと、部屋のドアを開けると、ちょうどゴカイとシュンも出てきた。
「おはよ」
「おっはー」
「おはようございます」
「おはよう……」
シュンの服を掴みながら、眠たそうに出てくるゴカイを、シュンから引き離しその場に放置して、3人で1階に下りた。
洗面所で歯を磨き、支度をする為に、俺とウルは1度自分の部屋に戻り、シュンはシャワーを浴びた。
俺が支度を済ますと、そこにシュンも戻って来て、廊下で寝ているゴカイに印をつけてもらい、俺とシュンだけ先に1階に下りてリビングに入った。
シュンがゴカイをリビングに瞬間移動させ、あとはウルの支度が終わるのを待つだけ。
「シュンに聞きたい事があったんだよね」
「なんですか?」
俺が話しかけると、シュンの顔つきが険しくなったのが分かった。
「別に大した事じゃないんだけど、昨日の夜闘でさ、能力者はまだしも、依頼人が1人もいなかったのが気になって」
「それですか……それならノウソウの能力ですよ」
「能力? どういう事?」
「ノーマさん達が来る前に、ノウソウを街中に飛ばして、能力者や依頼人問わず、記憶操作して遠ざけてただけです」
俺が質問の内容を言うと、シュンの表情は緩み、安心した様子で、教えてくれた。
「それってルール違反だよな?」
「はい。でも記憶が戻らなければバレませんし、記憶が戻っても顔を隠してますからね」
「ずるい能力だな」
「ウルさんの能力程ではないと思いますよ。触っただけでずっと支配出来るんですから」
「ごめん、おまたせ。あたしが何?」
「なんでもないよ。すげーって話」
他愛もない会話をしていると、ウルが支度を終え、リビングに下りてきたから、シュンはゴカイに印をつけ、玄関に向かった。
「流石にガン爺の家までは飛ばせないよな?」
「それは無理ですね」
「だよな。ちょっとずつ飛ばしながら行くか」
「あの、僕がゴカイさん乗せるんで、ノーマさんはウルさんを乗せて、飛んで行きましょう」
シュンに言われるまで、すっかり忘れていたが、イラフさんに与えてもらった飛行能力があった。
1度3人で外に出て、ゴカイを外に瞬間移動させ、玄関の鍵を閉める。
「よし行くか」
「ねぇ、ほんとに平気? 落ちたりしない? 歩きじゃダメなの?」
「ウル、俺を信じろ」
「分かった……」
俺はウル、シュンはゴカイをおぶって浮き、歩くよりも少しだけ速く飛び、ガン爺の家に向かい、歩くよりも少しだけ速く着いた。
「着いたぞ」
「え、着いた? ふぅ……」
「怖かった?」
「うん。ずっと目閉じてたもん」
ウルもゴカイも、着くまで目を閉じていて、ゴカイは着いても目を開けない。
「飛んで来るのは構わんが、庭に降りんと、門から入らんか」
「やべ、まぁいいでしょ。とりあえず、飯にしようよ」
庭から家の中に入れてもらい、料理が並ぶテーブル前に、俺とウルとシュンは座り、ゴカイは寝た。
「ちょっとあれ見てよ」
俺が壁を指差しながら言うと、ウルは部屋に入り、カップをテーブルに置いてから、壁に視線を向けた。
「なんか汚れてる?」
じっと壁を見つめたウルは、ゆっくりと腰を下ろし、カップを手に取ると、ホットミルクを1口飲んでから、そう言った。
「汚れなんだけどさ、顔に見えない?」
俺はウルに問いかけ、カップを手に取り、ホットココアを1口啜った。
「うーん………………」
「ほら、あの黒いシミ3箇所が目と口に。見えるでしょ」
「まぁ……見えなくはないかなぁ……?」
「そんな感じ? 見れば見る程顔だけどな」
ホットミルクを飲みながら、壁を見つめるウルの横顔が、いつも以上に可愛く見えた。
「何? なんか付いてる?」
「いや、可愛いなと思って」
「なにそれ」
「あ、ごめん」
何故こんな事を言ってしまったのか、自分でも分からない。
だけどウルの反応は、真顔で呆れたような口調の反面、頬を赤らめ、それを隠すかのように、両手を頬に当てる。
俺はそんなウルも可愛いと思うし、不思議と自分の発言に後悔はない。
ただ、少しだけ顔が熱いのは、ホットココアの所為だろう。
「もう3時過ぎてるし、そろそろ寝る?」
「うん、そうだな」
「じゃあ、カップ下げちゃうね」
「俺も行くよ、歯磨きたいし」
ウルが先に部屋から出ていき、カップに残った冷めたココアを飲み干し、俺も部屋を出て1階に下りた。
「いいよ、持ってくよ」
「おう、サンキュ」
廊下でウルにカップを渡し、俺は洗面所へ向かい歯を磨き、先に部屋へ戻ろうとした。
「先に戻ってるな」
「ちょっと待ってよ」
洗面所を出て声をかけると、何故か止められ、ウルが歯を磨き終わるのを待った。
「なんで俺は待ってんの?」
「顔とか言うからでしょ」
「顔? もしかして怖かったの?」
「悪い? ノーマだって怖くてドア開けてたくせに」
少し言い合いになったけど、お互い様という事で落ち着き、一緒に部屋へ戻った。
「じゃあ、寝ますか」
「そうだね。今布団敷くよ」
ウルがクローゼットから、布団を取り出してくれてる間に、俺はテーブルを折りたたんで部屋の端に置き、ウルに布団を敷いてもらった。
「はいどうぞ」
「ありがとう。電気消すよ?」
「うん、いいよ。おやすみ」
「おやすみ」
電気を消し横になると、窓から優しく差し込む月明かりに、部屋は包み込まれ、妙に心地よく感じた。
この心地よさは、月明かりに包まれているからなのか、はたまた布団は違えど、ウルと同じ部屋で寝ているからなのか。
答えは簡単だ。月明かりに包まれた部屋で、ウルと寝ているからだろう。
そんな馬鹿みたいな事を考えていると、目を瞑っていても、頭が冴えてくる。
1度目を開け、時計を確認すると、もうすぐ4時になろうとしていた。
けれど、焦って眠ろううとすればする程、眠れなくなる悪循環に陥る事を、俺は知っている。
ウルのほうに目をやると、こっちに背を向ける形で、横向きに寝ている。
「ウル……起きてるか……?」
「…………寝れないの?」
俺が小声で問いかけると、ウルは少し間を置いてから、返事をした。
「今ちょっと、寝たふりしようか迷っただろ」
「フッ……バレた?」
ウルは図星だったらしく、思わず笑ってしまった感じで笑ってしまったのか、あっさり白状した。
俺と同じように、ウルも目は瞑っているものの、眠れないみたいだから、どちらかが眠くなるまで、話をしようという事になった。
「なんの話する?」
「うーん……なんの話しようか考えて、話した事なんて無いからね……」
「確かにそうだよな。いつも自然と喋ってるけどさ、何喋ってんだろ」
なんの話をするのか、いつもはなんの話をしているのか、こんなどうでもいい話をしていると、ウルが体勢を変えて、俺の方を向いた。
「ノーマ、左の手のひら見せて。占ってあげる」
「え? そんな事出来たっけ?」
「うん。知らなかった?」
「初めて聞いたよ。じゃあ、はい」
俺は体を起こして座り、言われた通り左の手のひらを、ウルの前に出す。
ウルも体を起こして座り、右の手のひらを、俺の手のひらに重ねた。
「手大きくなったね」
「まぁな。これで何が分かんの?」
ウルは黙って指を絡ませ、まるで恋人同士のように手を繋いだ。
「ノーマのことが好きな人」
「なるほどね……じゃあ、左手出して」
ウルが出した左の手のひらに、俺の右の手のひらを重ね、指を絡まさせて繋いだ。
「これは何が分かるの?」
「ウルのことが大好きな人かな」
両手を繋いだまま見つめ合い、ゆっくりと目を閉じたウルの唇に、俺は唇を重ねた。
――――
「ノーマ…………朝だよ」
「あぁ……うん……」
ウルに起こしてもらい、起き上がろうとするも、目が開かず、体に力が入らない。
「ノーマァ……起きないのぉ」
「起きるよ……」
少し目を閉じただけのつもりが、ウルに呼ばれて、眠っていたと気づく。
「もうお昼だよ」
「やっぱり後5分経ったら起こして……」
ウルに頼み、もう少しだけ寝かせてもらおうと、目を閉じた。
「ノーマッ! おはようだぞっ! 起きろ!」
目を閉じた瞬間、ノーテンとルテンが突然現われ、ノーテンの声の音量に驚き、一瞬で目が覚めた。
「おいっ! いきなりうるせーよっ! バカ天使が!」
「バカは酷いぞ! 起こすように言われたんだぞ!」
「誰に?」
「神様たちだぞ。ガン爺の家にいるぞ」
ファジー達は昨日からガン爺の家で、俺達の帰りを待っていて、イラフさんだけが帰って来た。
それで、イラフさんから俺達が無事だと聞き、待っていたけど来ないから、自分の家に帰ったと思い、今ノーテン達に起こしに来させたらしい。
「そういう事か。わざわざお前に頼まないで、自分が視たほうが早いのにな」
「神様が視れないって言ってたぞ」
「あ、そうだ。忘れてた」
「ウルちゃんごめんなさいです……いきなり」
「ううん、ありがとう、ルテンちゃん」
とりあえず支度をしようと、ベッドから降りて、床に敷いてある布団を畳み、クローゼットに仕舞った。
「支度したら行くから、戻ってていいよ。ありがと」
「ルテンちゃんもいいよ。ありがとね」
「どういたしましてだぞ!」
「はいです……」
ノーテンとルテンは1度天界に戻り、俺とウルが1階に下りようと、部屋のドアを開けると、ちょうどゴカイとシュンも出てきた。
「おはよ」
「おっはー」
「おはようございます」
「おはよう……」
シュンの服を掴みながら、眠たそうに出てくるゴカイを、シュンから引き離しその場に放置して、3人で1階に下りた。
洗面所で歯を磨き、支度をする為に、俺とウルは1度自分の部屋に戻り、シュンはシャワーを浴びた。
俺が支度を済ますと、そこにシュンも戻って来て、廊下で寝ているゴカイに印をつけてもらい、俺とシュンだけ先に1階に下りてリビングに入った。
シュンがゴカイをリビングに瞬間移動させ、あとはウルの支度が終わるのを待つだけ。
「シュンに聞きたい事があったんだよね」
「なんですか?」
俺が話しかけると、シュンの顔つきが険しくなったのが分かった。
「別に大した事じゃないんだけど、昨日の夜闘でさ、能力者はまだしも、依頼人が1人もいなかったのが気になって」
「それですか……それならノウソウの能力ですよ」
「能力? どういう事?」
「ノーマさん達が来る前に、ノウソウを街中に飛ばして、能力者や依頼人問わず、記憶操作して遠ざけてただけです」
俺が質問の内容を言うと、シュンの表情は緩み、安心した様子で、教えてくれた。
「それってルール違反だよな?」
「はい。でも記憶が戻らなければバレませんし、記憶が戻っても顔を隠してますからね」
「ずるい能力だな」
「ウルさんの能力程ではないと思いますよ。触っただけでずっと支配出来るんですから」
「ごめん、おまたせ。あたしが何?」
「なんでもないよ。すげーって話」
他愛もない会話をしていると、ウルが支度を終え、リビングに下りてきたから、シュンはゴカイに印をつけ、玄関に向かった。
「流石にガン爺の家までは飛ばせないよな?」
「それは無理ですね」
「だよな。ちょっとずつ飛ばしながら行くか」
「あの、僕がゴカイさん乗せるんで、ノーマさんはウルさんを乗せて、飛んで行きましょう」
シュンに言われるまで、すっかり忘れていたが、イラフさんに与えてもらった飛行能力があった。
1度3人で外に出て、ゴカイを外に瞬間移動させ、玄関の鍵を閉める。
「よし行くか」
「ねぇ、ほんとに平気? 落ちたりしない? 歩きじゃダメなの?」
「ウル、俺を信じろ」
「分かった……」
俺はウル、シュンはゴカイをおぶって浮き、歩くよりも少しだけ速く飛び、ガン爺の家に向かい、歩くよりも少しだけ速く着いた。
「着いたぞ」
「え、着いた? ふぅ……」
「怖かった?」
「うん。ずっと目閉じてたもん」
ウルもゴカイも、着くまで目を閉じていて、ゴカイは着いても目を開けない。
「飛んで来るのは構わんが、庭に降りんと、門から入らんか」
「やべ、まぁいいでしょ。とりあえず、飯にしようよ」
庭から家の中に入れてもらい、料理が並ぶテーブル前に、俺とウルとシュンは座り、ゴカイは寝た。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる