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「死」の足音 2

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「知ってると思うけどここ最近の土地の大量死については知っているかい?」

「ああ、もちろんそちらでも起こっているのか?」

「もちろん、しかもこのような現象は世界中あちこちで発生している、症状は様々で、森一帯が枯れたり、海が干上がってしまった所もある」

他国でも起きているのか、しかも俺達よりも症状が重い所もある。
だがその症状どこかで聞いたことがあるような。

「ウチの天文学者が言うには、もうじき『血月』が近いからからとか言っているけどね」

「⁈この世界には月があるのか⁈」

「そうだよ?変なことを言うなぁ君は…」

血月は地球の時で言えばブラッドムーン、空が赤く染まる、森が枯れ、海が干からびる…
話は繋がった…

「なぁ、この文献に目を通したことはあるか?」

と俺は前読んだとある文献を取り出す。

「随分と古いねぇ、タイトルは…かすれて分
からないなぁ…この詩織のところかな?えっと…『海は枯れ、草木が滅び、世界が赤く染まるとき、王の使いが現れん。その者王に仇成す者なり』…今起きている現象とそっくりじゃないか!しかもこの世界が赤く染まる時、間違いなく血月のことだろう!けど、こ
の王に仇成す者とは…」

興奮気味でラゼリカ王は聞いてくる。

「さぁ、俺にもさっぱり分からん」

すると

「四魔」
俺とラゼリカ王は咄嗟にアインの方を向く。

「一連の現象で消滅した魔力は、そこの魔王100人分、そんな魔力を持つ存在は、四魔しかいない」

「なるほど…けど四魔って神話の話じゃなかったっけ?本当に存在するとは考えられない
なあ」

ラゼリカ王はどうも納得がいかないらしく腕を組んで唸っていた。

「四魔はかつて極魔という王に仕えていた、しかし極魔が死ぬと四魔はそれぞれ自我を持ち始めた、長い戦いの末、四魔を封印できた、しかし永久的に封印は保たない、最初に封印から目覚めたのは、『慾魔デゼオ』、デゼオは人々を煽動し第二次人魔大戦を引き起こした。その後デゼオは国数百余りを滅ぼし、先代三大勇者と各国の魔王によって打ち滅ぼされた。その時に残ったのが『慾魔の剣』…デゼオは四魔の中でも最弱、人のココロを操ることに特化した悪魔、残り3体は、単騎で直接この世界を滅しかねない存在、カテゴリー外の存在、四魔の話は神話となったけど、この先順当に行けば、世界は終わりを迎える」

俺たちはただ唖然としてその話を聞くしかなかった…
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