上 下
23 / 28

20話

しおりを挟む
 料理人と間違えられて、手伝わされる羽目になった。

 間違いは正すが、厨房は使いたいので手伝う。トマトがこの世界にはあるので今度はトマトケチャップでも作ってやろう。

 トマトケチャップはトマトを湯剥きして、ヘタを取り、ざく切りにする。カットトマトのトマト缶が使えると便利だ。
 ざく切りトマトを鍋に入れて焦がさない様に煮詰めながら、ハーブソルトを入れて味を整えれば完成だ。本当なら、酢とか、砂糖とか、ブイヨンとかあると味に深みが出るけど……。無いものねだりしてもしょうがない。

 味見にフライドポテトを作って渡す。ケチャップにみんなが喜んでいる。こんなドロドロの真っ赤な汁は、あんまり使われなかったのかな?

 次はいつ来てくれる?って料理人に聞かれたから、ケチャップが受け入れられたら、トマトとパスタの他にソーセージ、無ければ肉。玉ねぎ、ピーマンを準備してくれたら行くよと言っておいた。(ぐれ子、通訳)次はナポリタンか、ミートソースパスタで良いだろう。

「お前は一体、何がしたいんだ?」

 お料理教室の帰りにぐれ子に聞かれる。確かに何がしたいんだろう……。困った質問だ。

「だって、あんまりにもご飯のレパートリーが同じ過ぎて、飽きて来るんだもん!しょうがないでしょ!」

「旅には出ないのか?」

「他の奴らに便乗して出ていこうと思ってる、って前にも言ったけど、しっぽ達以外は何しているのか分からないんだよね。レベル上げでもしているのかな?」

「準備はしなくて良いのか?」

「まずはお金だけど、料理人にレシピ売っているから、まあまあ稼げてる。
 あとはぐれ子のレベルが上がってキャンプ用品か、弓が買えると嬉しいなぁ。どっちも買えるとなお良い。
 他には奴隷が買いたい。裏切れなくなっているんでしょ?護衛役をつけないと。」

「一応は考えているんだな……。」

 失礼な!!
しおりを挟む

処理中です...