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【第三章】竜を想いし永遠に
27.竜を想いし永遠に(8)
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私は薬の入った小瓶を手にとった。中には赤色の錠剤が入っている。
これが、毒?
「マルクがダリアに毒を盛っていたってこと?」
「話を聞く限りじゃ、そういうことだな」
あの日、マルクを保護した時、彼は酷く青ざめた顔をしていた。
そして、医者に行くことを拒んでいた。
これはダリアに薬を盛ったことに関係しているのだろうか。
「薬の成分は?」
「正直全部はわかってねぇ。ただ……」
「ただ?」
ホーエンハイムが言いよどむ。
「……混ざってたんだよ。水銀が」
少し前、イヴァンとサーシャが飲んでいた薬のことを思い出す。
あれにも水銀が混ざっていた。
「また水銀なの? ホーエンハイム。お前、水銀の流通を止めさせなさい」
「無茶言うなよ。俺はただの町医者だ。学会まで乗り込んで止めることはできやしねぇ。そもそも薬に使ってる医者がおかしいだけだ。つぅか、今回は特に悪質だな。錠剤に混ぜ込んでやがる。よく入れれたことで」
「……そもそも、それを作ったのは医者かしら」
「そうだな、医者なら――って、おい、嬢さん、どこに――」
ここでホーエンハイムで話を続けていても仕方がない。
私は病床のある部屋に行って、そこで眠っている患者の男――マルクの上に馬乗りになって、ビンタで殴り起こした。
「……ま、魔女殿」
「何度も訂正いたしますが、魔女ではございません。そして貴方に聞きたいことがあります」
私のビンタを見ていたカンパネラとホーエンハイムは
「さすがアーさん!」
「嬢さん、さすが、怖いもの知らず」
と、湧き立っていたが、そんなものは今は無視だ。
「……マルク、貴方はダリアに毒を盛っていたの?」
「ど、毒? そんなものは盛っておりません」
「じゃあ、これは一体何?」
私は薬の入った小瓶を彼に見せた。すると彼の顔がさらに真っ青に染まった。
「なぜ、それを――」
「それはこちらが聞きたいわ。何故これをダリアに盛っていたの? この『毒薬』を」
ダリアの顔を思い出す。
――ええ。是非とも。魔女殿。どうか、マルクを助けてください。
彼女は彼――マルクの身を案じていた。
それなのにマルクは、ダリアに毒薬を盛っていた。睡眠薬だと嘘をついて誤魔化して。赦せない。
「毒薬……? いや、そんな、そんなはずが……」
マルクの反応は、私が思っていたものとは、全く違っていた。
これでも長い間、人の表情を見ていたからよくわかる。彼の瞳は嘘をついていない。
「毒薬と知らずに?」
「ええ、そんな……違う、違うんだ。私は賢者の石を貰ったはずなのに」
「……賢者の石?」
これはまた昔の話が出てきた。
魔法の力を持つとされている『賢者の石』は、飲んだ者の寿命を遥かに延ばすと言われている。
確かに賢者の石には水銀が用いられているという一節はあるけれど――そもそも賢者の石が実在しているという話は訊いたことがない。
このままでは埒が明かない。
私は拳を握りしめた。
「ミスター・マルク? お話を整理したいので、最初からお伺いしてもよろしくて?」
私は笑顔でそう訊ねた。
あとあとホーエンハイムから話を聞くと『あの時の嬢さんは恐ろしい魔女様だったぜ』と言われた。
◆
「まず、俺は彼女と出会った時から、ダリアに惹かれていました。だから彼女の願いを叶えたいとずっと思っていたのです」
「ダリアの願いというのは『時が止まってしまえばいい』という願いね」
「ええ、そうです。だから……俺は、探し続けたんです。そして、出会ったんです。願いを叶えてくれる存在に」
『時を止める』
そんな技術はこの世界に存在していない。――と思う。
はっきりと断言できないのは、それは『悪魔の証明』だからだ。
時を止めることができない――無いものの証明をするためには、世界中をくまなく探し回って、ないことを証明しなければいけない。
もしかしたら誰かが『時を止める』技術を発明しているかもしれない。
そしてこっそり隠しているかもしれない。
「……貴方は、これをその人から賢者の石だと言ってもらったのね」
「はい。そうです……そうです、魔女殿」
彼は怯えきっていた。私に怯えきっているわけではない。
恐らくダリアに毒を盛ってしまったという真実に怯えているのだろう。
「……その人は、どんな人だった? どこで出会ったの?」
「おい、嬢さん。一応そいつは病人だ。あんまり精神的にショックを受けさせる――あ、はい。すみません。黙ります」
マルクを質問攻めする私を、ホーエンハイムは止めようとしたけれど、睨み返してやったら黙った。
「その人と出会ったのは、なんといえばいいのでしょう。この場所、というところではないのです。東にあるとか、東にあるとか、そういうところではなく――願ったから現れた森でした」
「願ったから……現れた?」
「そうです。そこは夢の中のような世界でした。森の中は真っ暗で、光る花と月に導かれて、私は森の奥に進んだのです」
「……」
「そんな抽象的な……」
ホーエンハイムが口を挟む。
けれど――私には覚えがあった。
数百年前、私が迷い込んだ呪いの森。
そこは地図のどこにも載っていない場所で、マルクの言うように光る花と月が輝いていて。夢のような世界だった。
背筋に寒気が走る。
やっと、この呪いを解く手がかりを掴めたかもしれない。
これが、毒?
「マルクがダリアに毒を盛っていたってこと?」
「話を聞く限りじゃ、そういうことだな」
あの日、マルクを保護した時、彼は酷く青ざめた顔をしていた。
そして、医者に行くことを拒んでいた。
これはダリアに薬を盛ったことに関係しているのだろうか。
「薬の成分は?」
「正直全部はわかってねぇ。ただ……」
「ただ?」
ホーエンハイムが言いよどむ。
「……混ざってたんだよ。水銀が」
少し前、イヴァンとサーシャが飲んでいた薬のことを思い出す。
あれにも水銀が混ざっていた。
「また水銀なの? ホーエンハイム。お前、水銀の流通を止めさせなさい」
「無茶言うなよ。俺はただの町医者だ。学会まで乗り込んで止めることはできやしねぇ。そもそも薬に使ってる医者がおかしいだけだ。つぅか、今回は特に悪質だな。錠剤に混ぜ込んでやがる。よく入れれたことで」
「……そもそも、それを作ったのは医者かしら」
「そうだな、医者なら――って、おい、嬢さん、どこに――」
ここでホーエンハイムで話を続けていても仕方がない。
私は病床のある部屋に行って、そこで眠っている患者の男――マルクの上に馬乗りになって、ビンタで殴り起こした。
「……ま、魔女殿」
「何度も訂正いたしますが、魔女ではございません。そして貴方に聞きたいことがあります」
私のビンタを見ていたカンパネラとホーエンハイムは
「さすがアーさん!」
「嬢さん、さすが、怖いもの知らず」
と、湧き立っていたが、そんなものは今は無視だ。
「……マルク、貴方はダリアに毒を盛っていたの?」
「ど、毒? そんなものは盛っておりません」
「じゃあ、これは一体何?」
私は薬の入った小瓶を彼に見せた。すると彼の顔がさらに真っ青に染まった。
「なぜ、それを――」
「それはこちらが聞きたいわ。何故これをダリアに盛っていたの? この『毒薬』を」
ダリアの顔を思い出す。
――ええ。是非とも。魔女殿。どうか、マルクを助けてください。
彼女は彼――マルクの身を案じていた。
それなのにマルクは、ダリアに毒薬を盛っていた。睡眠薬だと嘘をついて誤魔化して。赦せない。
「毒薬……? いや、そんな、そんなはずが……」
マルクの反応は、私が思っていたものとは、全く違っていた。
これでも長い間、人の表情を見ていたからよくわかる。彼の瞳は嘘をついていない。
「毒薬と知らずに?」
「ええ、そんな……違う、違うんだ。私は賢者の石を貰ったはずなのに」
「……賢者の石?」
これはまた昔の話が出てきた。
魔法の力を持つとされている『賢者の石』は、飲んだ者の寿命を遥かに延ばすと言われている。
確かに賢者の石には水銀が用いられているという一節はあるけれど――そもそも賢者の石が実在しているという話は訊いたことがない。
このままでは埒が明かない。
私は拳を握りしめた。
「ミスター・マルク? お話を整理したいので、最初からお伺いしてもよろしくて?」
私は笑顔でそう訊ねた。
あとあとホーエンハイムから話を聞くと『あの時の嬢さんは恐ろしい魔女様だったぜ』と言われた。
◆
「まず、俺は彼女と出会った時から、ダリアに惹かれていました。だから彼女の願いを叶えたいとずっと思っていたのです」
「ダリアの願いというのは『時が止まってしまえばいい』という願いね」
「ええ、そうです。だから……俺は、探し続けたんです。そして、出会ったんです。願いを叶えてくれる存在に」
『時を止める』
そんな技術はこの世界に存在していない。――と思う。
はっきりと断言できないのは、それは『悪魔の証明』だからだ。
時を止めることができない――無いものの証明をするためには、世界中をくまなく探し回って、ないことを証明しなければいけない。
もしかしたら誰かが『時を止める』技術を発明しているかもしれない。
そしてこっそり隠しているかもしれない。
「……貴方は、これをその人から賢者の石だと言ってもらったのね」
「はい。そうです……そうです、魔女殿」
彼は怯えきっていた。私に怯えきっているわけではない。
恐らくダリアに毒を盛ってしまったという真実に怯えているのだろう。
「……その人は、どんな人だった? どこで出会ったの?」
「おい、嬢さん。一応そいつは病人だ。あんまり精神的にショックを受けさせる――あ、はい。すみません。黙ります」
マルクを質問攻めする私を、ホーエンハイムは止めようとしたけれど、睨み返してやったら黙った。
「その人と出会ったのは、なんといえばいいのでしょう。この場所、というところではないのです。東にあるとか、東にあるとか、そういうところではなく――願ったから現れた森でした」
「願ったから……現れた?」
「そうです。そこは夢の中のような世界でした。森の中は真っ暗で、光る花と月に導かれて、私は森の奥に進んだのです」
「……」
「そんな抽象的な……」
ホーエンハイムが口を挟む。
けれど――私には覚えがあった。
数百年前、私が迷い込んだ呪いの森。
そこは地図のどこにも載っていない場所で、マルクの言うように光る花と月が輝いていて。夢のような世界だった。
背筋に寒気が走る。
やっと、この呪いを解く手がかりを掴めたかもしれない。
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