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1章
03 生徒会
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ギィィーーー・・・
やけに古ぼけた扉を押し開けると、木材が軋む音がした。
まだこの校舎が造られてから10年も経っていないはずなのに、そんなことあるんだろうか?
教子 「失礼しまーーーー・・・・す」
扉を開けてから教子は、
(あ、ノックし忘れた。)
と思った。
扉が古くさいので「入る前にノックをしましょう」という感じではなかったが。
かなり広めの室内。
しかし薄暗くて、中はよく見えない。
見た目からして倉庫のようなカビ臭さを想像していたが・・・そんな事はなく、甘い香りがただよっている。
濃密な花々を思わせる香りだ。
まるで熱帯の植物園のような・・・
・・・・・というより。
教子 「(この匂い・・・どこかで・・・・?)」
教子が目を細めて、匂いの正体を嗅ぎ分けようとすると-----------------
シャッ!
と不意にカーテンが引かれ、室内に日の光が満ちた。
そこには5つの人影があった。
? 「1年B組の調 教子さんね。ようこそ生徒会へ。」
その中でもひときわ長身の影が声を放つ。
目から鼻に抜けるような・・・といった感じの、いかにも理知的な声だ。
逆光で顔はよく見えない。
教子 「あ!・・・はい。」
教子 「1年の役員になりました。調です。」
教子 「よろしくお願いいたします。」
? 「はい。こんにちは。」
長身の影がゆっくりと近づいてきて・・・
顔が認識できる距離にきた。
美人だ。
声だけでも賢そうだったが、顔を見るとさらに冷徹な印象を受ける。
シュッとした切れ長の目が、細いフレームの眼鏡のおかげでよりシャープに見えた。
左の目尻にチョン、と乗っかった涙ぼくろがどことなく儚げだ。
教子 「あ、はい・・・」
教子は少し見とれてしまった。
眼鏡 「とりあえず、自己紹介からかしら?そんなに人数は多くないけれど。」
教子 「あ、えと・・・」
? 「ビビんなくっていいぞー、新人!♪」
と、いきなり教子の右横からあけすけな声がかかる。
? 「怖いのはその眼鏡の姉ちゃんだけだから。あとはみんなやさしーぞー♪」
眼鏡 「・・・こずえ。ちょっと静かにしなさい。」
教子の右手側の壁際にはソファがあり・・・"こずえ"と呼ばれた女子生徒が腕を頭の後ろに組んで、ふんぞり返るようにして座っていた。
こちらも美人だ。
ただ、目鼻立ちは大ぶりでなんとなくエキゾチックなアジアの美少女といった感じである。
鮮烈な印象を受ける赤い髪を、女の子にしてはかなり短めのショートにしており、それがさらに彼女のエネルギッシュさを感じさせていた。
そして、ガサツに組んだ足の間から白い下着が丸見えである。
こずえ「でも、なーんかパッとしないねー、今年の新人は。」
こずえが足をほどいて、グイっと立ち上がる。
教子 「・・っ・・」
こずえの体躯は教子の二回りほど大きく、勢いよく立ち上がっただけで教子は少しあとずさりしてしまった。
こずえ「体もちっちゃいし細いし・・ウチの生徒会のハードな仕事がもつのかねー?♪」
ニヒヒ、と屈託なく笑いながら近づいてくる。
すると、
? 「それを管理するのが我々の役目でしょう?」
いきなり教子の背後から声がして、
スッ・・と今度は左手側の壁際から人影が音もなく現れた。
例によってやはり美人である。
眼鏡の先輩と同じ黒髪ロングだが、いわゆる前髪ぱっつんの姫カットにしていて、古風な美人といった風情である。
体格は教子とさほど変わらないが・・・驚くことに、しずしずとこちらに歩み寄る姿は"こずえ"と変わらない迫力を持っている。
武道かなにかの嗜みがあるであろうことは、その方面に疎い教子でも察せられた。
古風 「新入生といえど我々の一員。大切に育てていかなければ。そうですよね。」
眼鏡 「・・・その通り。」
こずえ「わかってるってぇ・・・・そんな2人で挟み撃ちすんなってば。」
クチビルを「3」←こんな形にして、こずえがコミカルにうそぶく。
どうやらここのムードメーカーらしい。
こずえ「あっちの下っ端が働かないから、しょうがないんだよ。」
こずえが顎でグイ、と入り口側の隅を指し示す。
そこにも、人影がいた。
しかし・・・・光が届かないためよく見えない。
角っこのイスに、声も発さずに足を組んで・・腕も組んで、腰かけていた。
女子生徒のようだが、角の暗い場所にいるのでよく見えない。
彼女も生徒会の一員なのだろう。
眼鏡 「おいおい慣れてもらえばいいわ。とにかく、焦ったりしないこと。」
古風 「あなたに言ってるのよ。こずえ。」
こずえ「へーへー、わかりましたよー」
教子 「あはは・・・・」
ここの生徒会はこんな美人たちしか入れないのだろうか・・
と、すれば・・
まさか新入生はこの華やかな雰囲気に圧倒されて自分に劣等感を感じて、精神的に不安定になってそれで・・
(・・・・そんなまさかね。)
教子 「はい。あの、まだ入学したてで、この学校のこと何もわからないんですが。」
教子 「よろしくお願いいたします。」
ペコリと教子は頭を下げて挨拶する。
とりあえず、先生が言ってた優秀な先輩方、というのは間違いなさそうだ。
生徒会の仕事ってどんなのだろう・・・
入室の際の驚きも落ち着いて、すこしワクワクし始めた教子。
教子 「あの、私の仕事って・・」
眼鏡 「はい。」
眼鏡 「・・会長。それじゃ今日は・・・・」
? 「・・・・・よろしい。」
ピシリ、とした声が部屋に響く。
恐らく、部屋の一番奥。
そこにいるであろう人。
入室した時から教子はうすうす感じていたが、、、
壁際の大きな採光窓に向かっている回転椅子がクルリンッ、と回ってこちらに向き直り・・・
人影がスックと立ち上がる。
キラキラとした金髪がふわぁと舞って陽光を反射し、室内がより一層明るくなった。
その人影は陽光を背に受けながら、両手を腰に当てて「えっへん」とでも言うようにしゃべりだす。
? 「はじめまして。私が生徒会長の姫ヶ咲 紫苑よ。生徒会にようこそ。」
会長の姿を見た瞬間なぜか、教子は、
(なるほど・・・・)
と思ってしまった。
みんな美人だが、「この人」はさらに格が違う。
どうみても日本人離れした顔立ちとスタイル。
なにか他の国の血が入っていることは間違いない。
しかし、ハーフの顔にありがちな大づくりなバタくささは感じない。
顔・スタイル・仕草・雰囲気・・全てが整いすぎるほどに整っていた。
人によっては威圧感か、さもなくば息苦しさを感じるほどの整い方である。
それは、教子も例外ではなかった。
紫苑 「また今年はずいぶんとおとなしそうな子ね。みんなから押し付けられたのかしら?(笑)」
教子 「あ・・えと・・その・・」
目つきの鋭さ、シュッと通った鼻柱。
キリッとした赤いクチビルが獲物を見つけたハンターの笑みを浮かべている。
それらすべてのパーツを、凛とした顔の輪郭がまとめ上げて、攻撃的で壮絶な美しさを放っていた。
この生徒会の雰囲気はこの人が作り出しているとしたら納得がいく。
やけに古ぼけた扉を押し開けると、木材が軋む音がした。
まだこの校舎が造られてから10年も経っていないはずなのに、そんなことあるんだろうか?
教子 「失礼しまーーーー・・・・す」
扉を開けてから教子は、
(あ、ノックし忘れた。)
と思った。
扉が古くさいので「入る前にノックをしましょう」という感じではなかったが。
かなり広めの室内。
しかし薄暗くて、中はよく見えない。
見た目からして倉庫のようなカビ臭さを想像していたが・・・そんな事はなく、甘い香りがただよっている。
濃密な花々を思わせる香りだ。
まるで熱帯の植物園のような・・・
・・・・・というより。
教子 「(この匂い・・・どこかで・・・・?)」
教子が目を細めて、匂いの正体を嗅ぎ分けようとすると-----------------
シャッ!
と不意にカーテンが引かれ、室内に日の光が満ちた。
そこには5つの人影があった。
? 「1年B組の調 教子さんね。ようこそ生徒会へ。」
その中でもひときわ長身の影が声を放つ。
目から鼻に抜けるような・・・といった感じの、いかにも理知的な声だ。
逆光で顔はよく見えない。
教子 「あ!・・・はい。」
教子 「1年の役員になりました。調です。」
教子 「よろしくお願いいたします。」
? 「はい。こんにちは。」
長身の影がゆっくりと近づいてきて・・・
顔が認識できる距離にきた。
美人だ。
声だけでも賢そうだったが、顔を見るとさらに冷徹な印象を受ける。
シュッとした切れ長の目が、細いフレームの眼鏡のおかげでよりシャープに見えた。
左の目尻にチョン、と乗っかった涙ぼくろがどことなく儚げだ。
教子 「あ、はい・・・」
教子は少し見とれてしまった。
眼鏡 「とりあえず、自己紹介からかしら?そんなに人数は多くないけれど。」
教子 「あ、えと・・・」
? 「ビビんなくっていいぞー、新人!♪」
と、いきなり教子の右横からあけすけな声がかかる。
? 「怖いのはその眼鏡の姉ちゃんだけだから。あとはみんなやさしーぞー♪」
眼鏡 「・・・こずえ。ちょっと静かにしなさい。」
教子の右手側の壁際にはソファがあり・・・"こずえ"と呼ばれた女子生徒が腕を頭の後ろに組んで、ふんぞり返るようにして座っていた。
こちらも美人だ。
ただ、目鼻立ちは大ぶりでなんとなくエキゾチックなアジアの美少女といった感じである。
鮮烈な印象を受ける赤い髪を、女の子にしてはかなり短めのショートにしており、それがさらに彼女のエネルギッシュさを感じさせていた。
そして、ガサツに組んだ足の間から白い下着が丸見えである。
こずえ「でも、なーんかパッとしないねー、今年の新人は。」
こずえが足をほどいて、グイっと立ち上がる。
教子 「・・っ・・」
こずえの体躯は教子の二回りほど大きく、勢いよく立ち上がっただけで教子は少しあとずさりしてしまった。
こずえ「体もちっちゃいし細いし・・ウチの生徒会のハードな仕事がもつのかねー?♪」
ニヒヒ、と屈託なく笑いながら近づいてくる。
すると、
? 「それを管理するのが我々の役目でしょう?」
いきなり教子の背後から声がして、
スッ・・と今度は左手側の壁際から人影が音もなく現れた。
例によってやはり美人である。
眼鏡の先輩と同じ黒髪ロングだが、いわゆる前髪ぱっつんの姫カットにしていて、古風な美人といった風情である。
体格は教子とさほど変わらないが・・・驚くことに、しずしずとこちらに歩み寄る姿は"こずえ"と変わらない迫力を持っている。
武道かなにかの嗜みがあるであろうことは、その方面に疎い教子でも察せられた。
古風 「新入生といえど我々の一員。大切に育てていかなければ。そうですよね。」
眼鏡 「・・・その通り。」
こずえ「わかってるってぇ・・・・そんな2人で挟み撃ちすんなってば。」
クチビルを「3」←こんな形にして、こずえがコミカルにうそぶく。
どうやらここのムードメーカーらしい。
こずえ「あっちの下っ端が働かないから、しょうがないんだよ。」
こずえが顎でグイ、と入り口側の隅を指し示す。
そこにも、人影がいた。
しかし・・・・光が届かないためよく見えない。
角っこのイスに、声も発さずに足を組んで・・腕も組んで、腰かけていた。
女子生徒のようだが、角の暗い場所にいるのでよく見えない。
彼女も生徒会の一員なのだろう。
眼鏡 「おいおい慣れてもらえばいいわ。とにかく、焦ったりしないこと。」
古風 「あなたに言ってるのよ。こずえ。」
こずえ「へーへー、わかりましたよー」
教子 「あはは・・・・」
ここの生徒会はこんな美人たちしか入れないのだろうか・・
と、すれば・・
まさか新入生はこの華やかな雰囲気に圧倒されて自分に劣等感を感じて、精神的に不安定になってそれで・・
(・・・・そんなまさかね。)
教子 「はい。あの、まだ入学したてで、この学校のこと何もわからないんですが。」
教子 「よろしくお願いいたします。」
ペコリと教子は頭を下げて挨拶する。
とりあえず、先生が言ってた優秀な先輩方、というのは間違いなさそうだ。
生徒会の仕事ってどんなのだろう・・・
入室の際の驚きも落ち着いて、すこしワクワクし始めた教子。
教子 「あの、私の仕事って・・」
眼鏡 「はい。」
眼鏡 「・・会長。それじゃ今日は・・・・」
? 「・・・・・よろしい。」
ピシリ、とした声が部屋に響く。
恐らく、部屋の一番奥。
そこにいるであろう人。
入室した時から教子はうすうす感じていたが、、、
壁際の大きな採光窓に向かっている回転椅子がクルリンッ、と回ってこちらに向き直り・・・
人影がスックと立ち上がる。
キラキラとした金髪がふわぁと舞って陽光を反射し、室内がより一層明るくなった。
その人影は陽光を背に受けながら、両手を腰に当てて「えっへん」とでも言うようにしゃべりだす。
? 「はじめまして。私が生徒会長の姫ヶ咲 紫苑よ。生徒会にようこそ。」
会長の姿を見た瞬間なぜか、教子は、
(なるほど・・・・)
と思ってしまった。
みんな美人だが、「この人」はさらに格が違う。
どうみても日本人離れした顔立ちとスタイル。
なにか他の国の血が入っていることは間違いない。
しかし、ハーフの顔にありがちな大づくりなバタくささは感じない。
顔・スタイル・仕草・雰囲気・・全てが整いすぎるほどに整っていた。
人によっては威圧感か、さもなくば息苦しさを感じるほどの整い方である。
それは、教子も例外ではなかった。
紫苑 「また今年はずいぶんとおとなしそうな子ね。みんなから押し付けられたのかしら?(笑)」
教子 「あ・・えと・・その・・」
目つきの鋭さ、シュッと通った鼻柱。
キリッとした赤いクチビルが獲物を見つけたハンターの笑みを浮かべている。
それらすべてのパーツを、凛とした顔の輪郭がまとめ上げて、攻撃的で壮絶な美しさを放っていた。
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