初めての彼女を目の前で寝取られたので◯殺したら死神と契約したので1億倍でやり返します

エリーゼ

文字の大きさ
2 / 8

攻略レベル1「幼馴染」I

しおりを挟む
桜坂綾乃には好きな人がいた。その人は幼い頃から何をするにも一緒で、互いの両親からはいつか結婚するんじゃない?とまで揶揄われるほどだった。

 ただ綾乃にとってそれは嫌なものでない。むしろ気分を高揚させ、自分達の将来を想像させた。

 だからこそ私は将来彼と結婚し、幸せな家庭を持つとものだと思っていた。

——————あの人と出会い、この快感を知ってしまうまでは。


———————————————————————

 玉川高校二年、桐谷京太は今日も極々普通の平凡な高校生として学校生活を謳歌していた。

 まぁ謳歌しているといってもとりわけ楽しいことをしているというわけではない。いつも通り授業を受けて、いつも通り親に作ってもらった弁当を食べ、いつも通り帰宅する。そんな毎日。

 みんなが憧れるスクールライフとは程遠い。俺はあくまで生徒A。ネームドの高校生になるつもりは毛頭ない。

 クラスメイトのみんなが部活動や生徒会、恋愛に花を咲かせる中、1人俺はさっさと家に帰る。  

 そして自分の部屋に入ると、俺はいつも通り仕事を始める。そう、全ては俺の夢のためにな。

「おかえりなさいませ京太様。鞄お預かり致します」

 俺の部屋は自動ドアではない。だが家の階段を登り、2階に上がって部屋の前に立つと自然に扉が開くのだ。どうしてそんなことが起きるのか?そんなの決まっている。最近俺が救った雇人、鈴木蘭の仕業だからだ

「やめろ。自分のことは自分でやる。それよりウサギ。いつもの定例報告を聞かせろ」

「かしこまりました」

 蘭は俺に一瞥し、最高級の銘柄ワインをグラスに注ぐ。
 
「兼ねてより進めていた一件に関することで、京太様に報告する情報は全部で2点ございます。まず1つ目は—————」

 早々と本題を切り出そうとする蘭、俺は手に持ったグラスをわざと音を立ててテーブルに置くと、やり直すよう暗黙の命令を立てた。

「申し訳ございません京太様やり直させていただきます」

 蘭は一度咳払いをすると、再び赤いマッサージチェアに座る京太に一礼する。

「この度京太様に報告する情報は全部で2点ございます。いい情報と悪い情報2つございますがどちらからお聞きなさいますか?」

「そうだな、まずは悪い情報から聞こうか」

「はい、コードネーム:サルより報告が入りました。内容は今回のターゲットである伊藤弘樹が桜坂綾乃に接触しました。現在桜坂の心は未だ男の快楽に屈服していないものの、時間の問題とのことです」
 
「なるほど。それで?いい情報とは?」

 蘭は俺の耳にそっと近づくと、この場に2人しかいないのにもかかわらず囁き声で呟いた。

「現在人気絶賛中の漫画スコッチマン、今日発売です」

「ほぅ」

 溢れそうになる笑みを抑えながら、俺は平静を装う。

「ならば後で本屋に」

「既に仕入れてあります」

「流石だ」

 蘭より一冊の単行本を手に取ると口にワインを含んだ。そしてなんとも魅惑に飾れた表紙を見ながらうっとり頰を緩ませる。

「この書物は後で解読する。第4の本棚にしまっておけ。今日の夜は多忙なため、時間が充てられないからな」

「かしこまりました京太様。夜と申し上げられましたが、何か予定が入っていましたでしょうか?」

「昨日貴様が作ったネット掲示板、見事であった」

「え、あ、ありがとうございます。京太様‥‥」

 急のお褒めな言葉に蘭は反射的に頭を下げた。京太様からのお言葉などそう滅多に貰えるものではないからだ。こんな自分に貰えるなど光栄の極みでしかない。

「恐らくいや———確実に今日その掲示板にて我らに救いの手を差し伸べようとする者が現れる」

タイミング的に今日だよな?多分。

「まさか——————ッ!」

え?なになに?そんなオーバーなリアクション取られても。

「感服致しました京太様。やはり貴方は全てを見切っていらしたのですね。実は昨夜掲示板にて私ウサギの元に連絡を受けておりました。内容は彼女である桜坂綾乃を鈴木弘樹という男に寝取られたため仕返しをして欲しい。金ならいくらでも払うと」

え?なにその今日一番の特大情報。全然知らなかったんですけど?

「何故それを報告しなかった?」

「すみません、依頼主のところに名無しとだけ書かれていましたので。そんな曖昧な情報で京太様を振り回したくないと思い。昨日から今まで放置しておりました」

 まさかの業務放棄!?しかも今一番の側近であるこいつが!?何やってんの!?

「そ、そうか。まぁいい。では後で掲示板を用いて返信を頼んだ。返事は”請け負ってやる”とな」

「かしこまりました。では話し合いの場はいつもの場所よろしいでしょうか?」

 振り向かず、優雅に手のひらを舞わせると、蘭は丁寧なお辞儀を返して部屋を去った

 俺は本棚から調達してもらった漫画本を手に取ると、ワイングラスをその手にメリエンダおやつの時間を楽しむ。

—————だが、その一時も簡単に瓦解する。

「きょーちゃんどうしてこんなに部屋を暗くしてるの?それより知らない?昨日スーパーで買った葡萄ジュース。冷蔵庫に入れといたはずなんだけど知らない?」

「‥‥‥知らない」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

女性が少ない世界に転移しちゃったぁ!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比40:1の世界に転移した主人公 人のようで人ではなかった主人公が様々な人と触れ合い交流し、人になる話 温かい目で読んでいただけたら嬉しいですm(__)m  ※わかりにくい話かもです 

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

処理中です...