落ちこぼれ兵士の僕が女子高生の幽霊に助けてもらうのはダメですか?

エリーゼ

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国立魔法兵士学園編

第6話 始戦

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———15分後。

「頑張ろうね!カナタ!」

「‥‥‥なにこれ」

 とてもじゃないが現実を直視できない。嘘だ、これは流石に都合が良すぎる。どうして運というものはこうも都合よく嫌な方向に働いてしまうのだろうか。というか別に俺じゃなくても他にもいるでしょ?

「カナタ?ねぇねぇカナタ?聞こえてる?」

「‥‥聞こえてるよアカネ。ちゃんと」

「なんでそんなに落ち込んでるの?成績を上げるチャンスなんだよ!?一緒に頑張ろうよ!」

 アカネさん。僕はあなたみたいに何事も人生前向きに生きていくことはできません。そうして僕は肩を小さくすぼめると肩から深いため息を吐いた。

「ったくなんで無権能のコイツとなんだよ。しかも相手は龍平だろ?マジ最悪」

「それな。てかさ、もういっそ龍平を勝たせるのありじゃね?ここで必死こいてアイツと戦うより全然いいっしょ?」

 いつも学園で鈴鹿とつるんでいる2人組だ。そうか、アイツらが残りの選抜組なのか。我が身我身で他人のことなんて気にしてられなかったがどうやら彼達も同じく悪運を引いてしまったらしい。そんなことを考えていると、僕の隣にいたアカネが2人をジトっと見つめるとズカズカと大股で歩み寄った。

「ねぇねぇそれはないんじゃないの?あきらめるのはよくないよ!ね!?ガンバロ!」

 目を逸らさないように真っ直ぐ男2人組を見つめるアカネ。 他クラスの女子とかならともかく男がこんなにもクラスのマドンナに見つめられたら———

「そ、そうだな。それにうちのリーダーも結構強そうだし頑張ってみるか」

「だ‥だよな!てかアカネちゃんネタだってネタ!最初から勝負捨てるなんて男じゃねぇよ!なぁ!?」

「うんうん!一緒に頑張ろーう!」

1発KO、まぁアカネのおかげで士気は十分上がった。俺以外はだけど。まぁそろそろ俺も覚悟を決めようと握った左拳を胸に叩きつけ、己を鼓舞する。

「カナタ君もやる気満々だね!」

「や、やる気満々‥‥ね」

 すると金木犀のツンと刺激する匂いが鼻をくすぐると、長髪をなびかせながら彼女は僕達の前に歩み出た。

「楽しそうだね」

「あ、ペンドラゴンさん!」

 一番早く反応したのはアカネだった。ペンドラゴンさんはアカネよりも高身長で、目を輝かせながらを見上げていた。

「みんな準備はできてる?といってもあと5分くらいで始まっちゃうけど」

「私は大丈夫!みんなは?」

「もちろん」

「いつでも」

いつの間にか先ほどオロオロと喚いていた男二人組が少し乱れていた髪を整え、”やれる男”を演出していた。

「カナタ君は?」

「だ、大丈夫。です」

「そう。じゃあ早速だけど私の考えた作戦を話すね」

こちらがぎこちない返事を返したのに対し、ペンドラゴンさんは至って冷静な対応を見せる。

「まず陣形だけど、今回の模擬試合は狭い範囲内での戦闘になるからあまり気にしない自由な形で行きたいと思うの」

「え?でも確か連隊試合のルールって大将がやられちゃったら負けじゃないっけ?みんなが散らばっちゃったら不味いんじゃ」

 アカネの心配していることは俺たち兵隊が大将のペンドラゴンさんから離れることによって戦力が分散し、守りが薄くなるケースのことだろう。もし相手側による攻撃が飛び道具や遠距離魔法メインだった場合、それを防ぐ壁がいない大将は集中的に攻撃を受けてしまうことが考えられる。

「それは大丈夫。私も飛び道具系は技は持ってるから対抗できるし、みんなでごちゃごちゃ集まってるよりは効率的だと思う。それこそ相手にとっては絶好の的になるしね」

「な、なるほどです」

心強い言葉に2度頷くと

「それじゃあ、行くよ?」

 まとまって行動することが必要ない以上、複雑な作戦は無用だ。ただ攻めあるのみ。これに限るだろう。集合していた場から離れ、告知されていた通り僕たちは大広間の中央に集まる。どうやらも早く作戦を決め終えた鈴鹿チームは既に代表5人が揃い踏みしていた。

「さぁ、行こう」

 俺たちペンドラゴンチームもいざ戦いの地へ足を踏み入れた。






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