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〈四〉
しおりを挟む熱く灼けるようなのにその感覚は体の奥に作用した。がくがくと腰が跳ねる。
――体が、変……!
太ももの間に顔を押しつけるルシアンと目が合った。
――魔狼。
上品な顔立ちをしているのにぎらぎらと欲望を滾らせる男の目は魔狼と呼ばれるにふさわしい。快楽に呑まれかかったシーラの脳裏を
――何のためにこんなこと、してるんだっけ、私……。
ひんやりとよぎった疑問で目が覚めた。そうだ、ニョルンくんだ。
「駄目!」
「――ん? どうした?」
「こんなんじゃ、駄目!」
シーラは力いっぱい、男の体を押し戻した。
「前任の赤ずきんちゃんは、えっ――ちないたずらをしたんですよね?」
「そんなこといったかな。――やや、いった。前の赤ずきんちゃんはすごかったよ、うん」
「私もえ、――えっちないたずらをします!」
「無理しなくていいんだよ」
「します! やります! できます!」
赤いケープひとつのほかはすっぽんぽんの裸のままシーラはきゅ、と拳を握った。
「じゃあ、――お願いしようかな、えっちないたずら」
「はいっ」
持ち込んだ籠からボトルを取り出し、シーラは後ろ向きでルシアンの腹にまたがった。
「ぬるっとしますよ」
「ほう。悪くない趣向だね」
ルシアンの手がシーラの尻を撫でまわす。不埒な指がまだひくひくしている秘所に潜り込もうとするのでシーラは振り向いた。
「駄目!」
「きみのここは駄目とはいってないようだが」
「勝手に通訳しないで!」
このままではまたぐずぐずのとろとろにされてしまう。ぐずぐずのとろとろは悪くないがシーラにはルシアンを駄目駄目にしてニョルンくんの有用性を証明するという使命がある。こっちが駄目駄目になっている場合ではない。研究者としての成功とうはうはの老後がかかっているのだ。気を引き締めろ。
シーラは脱がされた紐パンツを掴んだ。研究所の給金をあらかた貯蓄にまわしていたシーラには手の届かないかわいらしくもえっちなデザインの紐パンツだったが背に腹は替えられない。ルシアンの両手をえい、と束ね
「いい子にしてください!」
ぐいいい、と頭の上に上げさせてひねって紐と化したパンツで縛った。ぴろぴろと飛び出ている横っちょの紐を念のためきゅっきゅと結ぶ。両手の自由を奪われてもルシアンは慌てることなくのんびりしている。
美丈夫が頭の上で両手を縛られた無防備な姿はなかなかにぐっときた。逞しくて色っぽい。
「俺もシーラをぬるぬるのびちょびちょにしたい」
「後で! 今度は私がえっちないたずらをする番ですっ」
ふたたびシーラはルシアンに背を向け、座り直した。目の前にルシアンのきれいな顔立ちにそぐわない太く大きな肉塊が屹立している。
きゅ、ぽ。
籠から取り出したボトルの蓋をとった。利き手に
ぶ、……ん。
集めた魔力をボトルの中へ通す。中で
ぬぷぷ。
眠っていたものが身動ぎした。よし、イケる。シーラがルシアンの肉棒の上でボトルを傾けるとぬろろ、と粘液がこぼれてきた。その粘液を片手でがちがちの肉棒に塗りたくる。
「ああ、気持ちいいよ……」
ルシアンののんびりした声が聞こえてきた。今に見てろ。ひんひんいわしてやる。
ボトルからさらに
ぽ、と。
魔力を与えられ目覚めたニョルンくんがボトルから出てきた。粘液ごと掌で受けとめる。
ああ、ニョルンくん。
中指より少し長く細く透き通ったものが掌の上でゆっくりとのたうっている。水晶の棒に似た見た目なのにまるで生きもののようだ。ニョルンくんの開発はシーラがこれまで数多手がけた生体魔導機械の中でも抜きんでて難しかった。うっとり眺めている暇はない。ボトル越しに通した魔力を動力源にするニョルンくんの活動時間はそう長くない。シーラの魔力が低いからだ。
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