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0.罪深き子
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僕は、五歳の時、自分が誰よりも罪深い人間だということを知った。
「お前はなんで前世の記憶を思い出さないんだ?」
「自分の犯した罪を覚えていないなんて」
初めて僕を責めたのは僕の両親だった。
普通の子どもは、成長して自我が芽生えるにつれ、前世のことを思い出すのが当たり前だ。前世の罪を子供のうちに思い出し、死ぬまで償っていく。それが正しい生き方だ。
それなのに、五歳になった僕には全くそんな兆しも無く、無邪気に遊ぶ日々が続いていた。
当時の僕は、同じ幼稚園の友達がどんどんおかしくなっていることに気づいていた。
いっしょに楽しく追いかけっこをしていたのに、急に涙を流し始めたさやちゃん。
なわとびの練習をしていたら、横で奇声を上げて失神したけんたくん。
次々におかしな行動をとるみんなを見て、僕はとても怖かった。
幼稚園から家への帰り道、母と手をつなぎながら、僕は「みんながおかしいよ。急に泣いたり大きな声を上げたりするんだ」と話した。母はそんな僕を諫めた。
「それが、前世を思い出すということなのよ。あなたも早く思い出してちょうだい」
どうしてだろう。どうして、みんなあんなにつらそうなのに、前世を思い出さないといけないの。僕は母にそう言いたかったけれど、母がとても真剣な目をしているものだから、言い出せなかった。
あれから三か月しかたっていないのに。手を確かにつないでいたはずなのに。
「あなたはよっぽど業の深い前世を送ったのでしょうね」
「おまえみたいな罪深い子どもは育てられない」
それが僕の覚えている家族との最後の記憶だった。
「お前はなんで前世の記憶を思い出さないんだ?」
「自分の犯した罪を覚えていないなんて」
初めて僕を責めたのは僕の両親だった。
普通の子どもは、成長して自我が芽生えるにつれ、前世のことを思い出すのが当たり前だ。前世の罪を子供のうちに思い出し、死ぬまで償っていく。それが正しい生き方だ。
それなのに、五歳になった僕には全くそんな兆しも無く、無邪気に遊ぶ日々が続いていた。
当時の僕は、同じ幼稚園の友達がどんどんおかしくなっていることに気づいていた。
いっしょに楽しく追いかけっこをしていたのに、急に涙を流し始めたさやちゃん。
なわとびの練習をしていたら、横で奇声を上げて失神したけんたくん。
次々におかしな行動をとるみんなを見て、僕はとても怖かった。
幼稚園から家への帰り道、母と手をつなぎながら、僕は「みんながおかしいよ。急に泣いたり大きな声を上げたりするんだ」と話した。母はそんな僕を諫めた。
「それが、前世を思い出すということなのよ。あなたも早く思い出してちょうだい」
どうしてだろう。どうして、みんなあんなにつらそうなのに、前世を思い出さないといけないの。僕は母にそう言いたかったけれど、母がとても真剣な目をしているものだから、言い出せなかった。
あれから三か月しかたっていないのに。手を確かにつないでいたはずなのに。
「あなたはよっぽど業の深い前世を送ったのでしょうね」
「おまえみたいな罪深い子どもは育てられない」
それが僕の覚えている家族との最後の記憶だった。
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