異世界創治〜女神がやられて崩壊した治世をMMOシステムで治します~

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第5話「小金井彰人Ⅳ」

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 イースの街から北東へ。道中穏やかな街道になってて草原を走り回るっていうことはなかった。街道の左右は農耕地だったり整備されていない丘に緑の三角アイコンが表示されたモンスターなどがちらほら確認できた。モンスターにも区分があるようで。

 緑=非活性ノンアクティブ 黄=警戒アラート 赤=活性アクティブ

 なので道中で警戒することなくスタットの森と呼ばれるフィールドに着いた。入り口付近は木々の間から木漏れ陽が射し込んでいて、地面に群生する草花も盛況のようだ。奥の方はやめたほうがいいとのことだからそこは冒険せずに地道にこなすか。大抵のプレイヤーはレベルの低いモンスターはドロップだけ回収して強いモンスターに挑んでリスポーンするようなサイクルを繰り返して粘り強くなるんだろうが、自称精神老成してる俺としてはのんびりしつつたまに冒険ぐらいがちょうどいい。俺に合わせてシルクもいるのだろうがソロになってるときは情報収集がてら冒険してるのかもしれない。
 「へぇ~ここがスタットの森かぁ。いかにも初心者におあつらえ向きな場所だ」
 「イースから近いのもあってドロップの納入とかも手頃なデイリーになってるぞ!!」
 シルクが言ったデイリーというのは日を跨いでもミッション欄に常駐しているタスクのこと。モンスターを討伐であったりドロップ品を拾得する等があり、経験値とそれに応じたアイテムが貰えるので気長にやるならこれをこなしてログインだけをしてもいいだろう。
 「今回はスライムを3体討伐って書いてるからギルドで受注した内容と相まってウハウハ、と」
 「そういうことだ!」
 話を進めていると草むらの陰でうごめく粘体生物を発見。ピンクの核が水色の粘液にくるまれており、いかにもスライムといったモンスターが居た。アイコンは赤を示しているが草をんでいるのかその場から動かない。これは奇襲するチャンスというやつか。だが、お互い得物は大剣だ......小さい獲物を相手に草むらで木が近くにあるとなると振り回すにも支障が出る。ステータスにもDEXがGだとTRPGとかであるファンブルが発動して大体的にMISS!!って表示されて反撃されかねないな。
 「そういうときは......」
 「ふむふむ、それ採用」
 シルクが耳打ちでした内容を実行。簡単な話だ、プレイヤーが持っているような武器はそれなりに重量がある。ので、スライムの頭上から俺の大剣をのせる。スライムが気が付いた時点で大剣の刀身に思い切り体重を乗せていたのでスライムにクリティカルダメージが刺さり、光粒子となった。
 「エフェクトで設定してなければスライムが飛び散ってから光の粒子になるぞ!!」
 「いらん知識を教えるな」
 経験値が表示されて、紙で包まれたドロップ品があるので手に取る。スライム水というもののようだ。

▼スライム水(青) スライムから抽出される液体。そのままでは飲めないが、ポーション等の材料になる。

 ふむふむ、ポーションの材料になるなら結構需要ありそうだ。ただ紙で包んであるだけだから取り出したらバッシャーンってなりそうだなぁと思ってたが、シルクによると瓶詰めされてるそうだ。ゲームあるあるだな。そんなこともありながら、道中でスライムを討伐していきレベルが1上がった。割り振れるポイントが5獲得できたがまだとっておこう。
 「これが薬草か」
 スライム討伐が完了してるので今度は薬草採取のミッションをすることにした。ギルドで見た図鑑通りの特徴をした草の群生地っぽいとこに着いた。その時点で三角のアイコンが表示されたからここなんだろう。しゃがんで草を見る。青々とした葉に薄い紫をした茎。アサガオとかの茎に似てるが、別の植物で食用可なら気にしないで採取してもいいんだろう。...いいんだよな?
 「採る時は適当に採っても表記されるアイコンは変わんないんだけど、別で品質みたいなランクがあってそれに沿って買い取る額が変わるみたいなんだ」
 なんだその某アトリエみたいなシステムは。まぁそれに応じて額が変わるなら丁寧に採らなきゃならないか。丁寧に丁寧に。ある程度手で土を掻いてから茎を掴み、根を傷付けないように引き抜いた。

▼ドクダミ草 下級ポーションの材料となる。葉は煎じてお茶にすることも可能。 

 あぁ見たことあるなと思ったらドクダミか。庭の厄介ものだけどそういう使い道を見出した運営はすごいな。数十本を採取したあとでまた別の採取地に着いた。
 「ここは......もしも対策か?」
 「あぁ......初心者狩りなんてどこのゲームでも在り来りなイベントだろ?なら、そこでガッポリ経験値をもらおうじゃないか」
 採取したのは麻痺草と呼ばれる草。見た目こそ青々とした葉と茎だが、黄色い花が特徴的だ。

▼麻痺草 濃縮されたものは完全な麻痺薬となるので巷では麻痺の王様とも呼ばれる草。ポーションと掛け合わせることで麻痺治しのポーションにも変わる。

 「でも、ポーションが作れたとして口に入れないと効果でないぞ?」
「そこは試しにやってみるしかない。調合ってやつを!」
 調合というのはメニューの項目にもあり、調合師等の特化した職業じゃなくても調合はできるようだ。どっかのゲームで調合書を持ち運びながら調合してたらしいが、かさばらないか?
 「試しにスライム水とドクダミ草でポーションを作ってみるか」
 調合メニューを開いてスライム水とドクダミ草を枠内に入れる。
リアル設定なら草を摩ったり、水を釜とかで混ぜ合わせたりとかあるんだろうけど、ここは野外。そんなのは気にせずに枠内で混ぜられるエフェクトを見つめる。ポポンという音と共にポーションが出来上がったのを確認する。

▼下級ポーション 飲むと15%程回復する。切り傷状態なら塗ると回復する。

 おお、出来た。成功率とかは低いと思ったけど良かった。これをある程度作っておこう。スライム水を複数とドクダミ草を複数っと。
 「お、失敗した」
 「やっぱり失敗はするもんだな!」
 失敗したものをフィールドに表示すると、スライム水を詰めた瓶が割れて、その上にズタズタになったドクダミ草が振りかけられた状態で置かれた。ひどいもんだ。でもこの割れた瓶は使用用途がありそうだ。
 「マキビシにならね?これ」
 「......アキ、ナイス!!」

▼割れた瓶 調合で失敗した瓶。使用用途は多岐に渡るが、マキビシ程度にならなるだろう NEW!!

 「ん?なんだこの説明......」
 「アキが初めてアイテムを見出したことで説明が追加されたんだぞ!!」
 「うぇ?マキビシとか考えなかったのか先人達は」
 「そもそも調合失敗したものをフィールドに出さないでメニュー内で捨てる人が多いんだ。アキは結構こういうの好きっぽそうだからまさかアイテム化するなんて思わなかったぞ!!」
 背中をバシバシ叩いてホメてくれるシルク。誰も見てないが恥ずかしいからやめてくれ。
 「こういったアイテム化の情報とかも売れるから後でミリの店で売ろう!」
 「成る程な......ならこういうのも知らないか?」
 ポーションを作り始めたのは考えてたものを作る為だったからシルクにも尋ねてみた。すると、シルクは震えながら俺を抱きしめてきた。だぁからやめろっつの!
 「アキは天才だーー!!」
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