かみさまコネクト

４章 コネクト転生

03 夏休みまで……

「そうだねー、まあ、医者の見立てとたいして変わらないよ。
　多分、八月中旬くらいまでは動き回れるだろうけど、
　その後は、多臓器不全や肺炎が併発してかなりしんどいと思う。
　そこまで体調が悪くなったら私の部屋に居なさい。
　通力でお前を守るから、入院するよりましになるよ。
　それに、危篤状態になったら龍成を呼ばなきゃいけないし。
　アレには私から事情を説明しておく。
　一番大事なのは、お前の死後、龍成が居ること。
　でないと、四人揃って転生出来ないのさ――」

「なるほどね。私としては、余命宣告されて、
　しかも死後に神として転生するとか言われて、とても複雑な気分だよ。
　この状況を龍成が納得すると思うの？」

「其れは大丈夫だろう。小梅が見える訳だから神社にでもつれてって、
　神の力を見せつければ自分が何者なのか、それとなく気づくだろうよ」

「問題は――。お前が神になってからの初仕事だろうな。
　私が何をすれば良いか解っているが、相当に難しい。
　其れをお前は時渡りして、解決してこなければならぬ。
　小梅は時渡りの手伝いでついて行くが、私と龍成はついて行けない」

「それにだ、私の存在が消えた世界は恐らく大変なことになっているはず。
　ともあれ私と小梅と龍成で力押しができる。
　ここは龍成に龍神の力の使い方を覚えてもらういい機会だと思う」

「お姉ちゃん私は何をすれば？」
「うーん、お前の場合はどんな力が使えるか分からないし。
　戦って死んだら生き返れないぞ、だからお前は不参加だ」

　姉はそこまで話すと塩大福をパクっと食べ、
冷たくて甘い冷やし飴で美味しそうに流し込んだ。私も同じ物を口にする。
体が熱で火照っているせいか甘くて冷たい物を食べるとスッキリした。
こんな自由もあとどれだけあるのか……。今日は七月十日あと少しで夏休み。
姉の話だと私が病で動けなくなるのは八月中旬……。

　まだやりたいことあったのに……な。
　そして、姉は唐突に話を切り出した。

「そうだ――。元気なうちにやりたいことはあるか？」
　まるで私の心を読んでいたかのような発言。私は無理かもしれないが聞いた。

「うーん、そうだね……。晴れた日に海へ行ってみたいかな。
　カキ氷や微妙な海の家の食べ物を食べて、ちょっとでいいから波際で遊んでみたいかな」
「………。いいんじゃないか海。晴れたら早速いくぞ。龍成も連れて、
　学校は気にするな。わざわざ勉強することも無いだろう。
　病気の事を担任に話して夏休みまで休んでしまえ。
　白血病患者に出てこいとは言わないだろう」

　私は翌日、担任に休校届をだした。担任は病名を見ると即了承してくれた。
　あと十日程度、できれば終業式には行って友達に別れを告げたいところだ。
　二学期は間違いなく体の自由がきかないだろうから……。