かみさまコネクト

辻 欽一

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4章 コネクト転生

07 転生

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「まったく……。今わの際(きわ)に『有り難う』かね。
 これは、自分が絶命したことに気付いてないな。
 私としては龍成に何か一言と思ったのだが……」

「なあ、龍成―――」
 言って龍成を見ると、梨華の手を握りしめたまま悔しそうに目を閉じて言った。
「ちくしょう!! なんで梨華が死ななきゃいけない……」

「そう言ってくれるな。どちらかと言えば私とお前の方が失う物が多いのだぞ?」
「でもよー、ハイそうですかって諦められるかよ!!」
「………。あのな、梨華を神として転生させるのは今すぐ出来る。
 だがそれで私の存在は消え、お前は梨華と繋がる。
 お前は梨華を守護する者となり梨華が時渡りをすれば、
 お前も其れに随伴することになる。
 今の両親といつまで一緒に暮らせるか分からぬのだから」
「だからさ―――。此が両親に別れを告げる最後の機会だ。親は大事にしな」

「分かったよ。少し時間をくれ……」
 そう言って龍成は親の元にいった。
 龍成は十分もしないで戻ってきた。
「もういいのかい?」
「ああ、一緒に茶を飲んで世間話をしたからいいよ……」
「了解。では梨華を転生させるから梨華の左手を握っていてくれ」

 すると、さっきまでゴロゴロしていた小梅が梨華の足下にきて正座する。
そして桃華に言った。
「本当によいのだな?」
「ああ、そもそも梨華が死んだのは私の責任だし、
 それにだ、神の代替わりなどいつ出来るか分からぬし」
「そうじゃな。特にお主の場合は特殊だし、代替わりは奇跡に近い確率じゃ。
 では始めるか? あまり死後時間がたつと激しく節々が痛むからな。
 蘇生は死後直ぐに限る」

 言って小梅は両手をパン、パーンと二回合わせる。
すると桃華の体は白く光り胸元から輝く大きな真珠のような霊(たま)が出てきた。
 その霊は梨華の胸の真ん中へスッと動いた――。
 そしてもう一度小梅が静かに手を合わせる。
すると、鈴を鳴らした高音と激しい光とともに霊は梨華に吸い込まれた――。
 同時に梨華の全身が激しく光り、部屋がゴゴゴっと振動した。
その状態が暫く続き、部屋が真っ白になるくらい明るくなる。
目がくらみ、視界が白一色になったと思った刹那、
テレビの電源を切った時のようにパシュンと真っ暗になった。

 さっきまでの明るさに慣れていたせいか、視界が黒く奪われた。

 そして、ようやく目が慣れると見知らぬ部屋に転移していた。
部屋を見渡すと大きな液晶テレビ、ベッド、
テーブル、床はフローリングで冷蔵庫のような物があった。

 ここは完璧に桃華の部屋とは別の場所。
ただ転移前と違うのは桃華が残像のように透けて存在はとても希薄に感じられた。

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