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4章 コネクト転生
06 篠突く雨―――。
しおりを挟む九月一三日、篠突(しのつ)く雨―――。
前日まで残暑だったのに、その日は冷え込む。その日に私の様態は急変した。
もうあまり音が聞こえない……。
ただ、雨が激しく地面を叩く音だけ聞こえていた―――。
そして姉が「もう時間がない……日が変わるまでもつかどうか……?」と私に告げる。
「龍成も間もなく戻る。アレには私が事情を説明しておいた。安心しなさい……」
「ありがとう………。」私の声は痰(たん)で酷く擦れていた。
姉はそんな私を見て―――。
「水は飲めるか? 少し飲んで痰を吐き出せば楽になる。
でないと、痰で窒息してしまうからな」
私は二口ほど水を飲み全身に力を込めて咳払いをした――。
何度かすると団子状の痰がでてくる。少し楽になって横になっていると、
玄関が乱暴に開きドッドッと階段を上る音。部屋のドアが静かに開く―――。
「梨華は―――?」
「まだ大丈夫だ……」
「そうか、よかった……」
「龍成、今のうちに両親に会っておきなさい。次に出会う両親は同じ性格、
容姿だが別次元の別人だ。未練があるなら会いなさい……」
「分かった、直ぐに戻るから梨華をたのむ――」
私は龍成の帰宅を確認すると安心してしまったのだろうか、そのまま意識を失った。
「ザァ―――!!」
最悪の目覚めだった。全身は痛み高熱。視界はかすみ、声もまともに出せない。
私は辺りを見渡す。右手に姉、左手に龍成、小梅様は足下にいた。
今日は激しい雨音しか聞いてない。時計は夜の九時を回っていて、
目覚めてからは、雨音と激しい心臓の鼓動だけが耳に響く―――。
すると姉が私の体を起こして「何か話せるか?」と聞く。
「今日は有り難う……」
私は蚊の泣くような声で言う。そして深呼吸を一つ、体が羽のように軽く感じた。
「あれ……? 目の前が薄暗くて、とても眠い……。少し眠ろう……」
その時、私の命は燃え尽きた―――。
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