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第1章 ― 少女の決意 ―
第2話 通学路
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一方、治希は担任の推薦で学級委員にはなっていたが、
特に取り柄もなく部活もやっていないし成績も極普通だ。
周りからは真面目だとか努力家だとか言われるが、
治希自身に自覚はない。日々淡々と過ごしているだけだ。
だが、友人は多かった。そういう意味では信頼されていた。
「武田くん、今度、工藤静香のカセットテープ貸してくれない?」
突然声をかけられ、治希は少し動揺していた。
「えっ?あ、いいよ。いくつか持ってるけど・・・」
治希は工藤静香のシングル3つとアルバム1つを持っていた。
「武田くんのおススメは?」
「う~ん、そうだなぁ・・・。アルバムでよければ明日持って来るよ」
「うん。ありがとう。明日、楽しみにしてるね」
その日からふたりは次第に話すことが増え、
当時人気だったアイドルやミュージシャンのカセットテープの
貸し借りを何度か重ねた。
そして、治希は美奈が自分に好意を持っていると知るのに、
そう時間はかからなかった。
「武田くん、また明日ね。バイバイ」
美奈が治希に声をかけた日から1週間後の下校時、
角を曲ればあと50mほどで治希の自宅に到着するというところで、
美奈は背後から治希に声を掛けた。
「あれ?篠川さんの家ってこの辺?」
「ううん。違う、小学校の方だよ。じゃあね」
手を振りながらそう言い残し、
炎天下の中美奈は真っ直ぐに歩いて行った。
治希の自宅と小学校と中学校を線で結ぶと、ほぼ正三角形になる。
しかも、治希の自宅から美奈の自宅までは歩いて20分ほどかかる。
治希は今まで下校時に何度か美奈の姿をこの近くで見かけたが、
美奈がわざわざ遠回りして下校していたのだと、この時初めて気が付いた。
特に取り柄もなく部活もやっていないし成績も極普通だ。
周りからは真面目だとか努力家だとか言われるが、
治希自身に自覚はない。日々淡々と過ごしているだけだ。
だが、友人は多かった。そういう意味では信頼されていた。
「武田くん、今度、工藤静香のカセットテープ貸してくれない?」
突然声をかけられ、治希は少し動揺していた。
「えっ?あ、いいよ。いくつか持ってるけど・・・」
治希は工藤静香のシングル3つとアルバム1つを持っていた。
「武田くんのおススメは?」
「う~ん、そうだなぁ・・・。アルバムでよければ明日持って来るよ」
「うん。ありがとう。明日、楽しみにしてるね」
その日からふたりは次第に話すことが増え、
当時人気だったアイドルやミュージシャンのカセットテープの
貸し借りを何度か重ねた。
そして、治希は美奈が自分に好意を持っていると知るのに、
そう時間はかからなかった。
「武田くん、また明日ね。バイバイ」
美奈が治希に声をかけた日から1週間後の下校時、
角を曲ればあと50mほどで治希の自宅に到着するというところで、
美奈は背後から治希に声を掛けた。
「あれ?篠川さんの家ってこの辺?」
「ううん。違う、小学校の方だよ。じゃあね」
手を振りながらそう言い残し、
炎天下の中美奈は真っ直ぐに歩いて行った。
治希の自宅と小学校と中学校を線で結ぶと、ほぼ正三角形になる。
しかも、治希の自宅から美奈の自宅までは歩いて20分ほどかかる。
治希は今まで下校時に何度か美奈の姿をこの近くで見かけたが、
美奈がわざわざ遠回りして下校していたのだと、この時初めて気が付いた。
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