風と、海と、太陽と。 ~ Feel the Wind ~

清野 星弥

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第2章 ―始まり・・・そして終わり―

第3話  もうひとつの恋の行方

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 それから間もなく、インターハイ予選で敗退した3年生の引退後、
夏休みの間に告白した美奈の新たな恋は実らなかった。



   3年生が最後の練習に参加する日、美奈は以前から
  この日に先輩の田代に告白しようと決めていた。

   男女共に引退試合として、3年生対1・2年生の
  対戦が行われた。
   最初に女子の試合が行われ、美奈も1・2年生側の
  ウイングアタッカーとして第2セットで先発。
  このセットを取るなど善戦したが、セットカウント
  3-1で3年生の勝利となった。
   続いて男子の試合が行われた。
   美奈は3年生のミドルアタッカー、田代のことを
  ずっと見ていた。しかし、彼の姿を追いかける内に、
  なぜか告白してはいけないような気がしてきた。
   女のなのか、心に迷いがあるのか、美奈自身も
  それが何なのか解らずにいた。
   男子は1・2年生が全く歯が立たず、セットカウント
  3-0で終了した。
   最期の挨拶が終わり、部室に戻った美奈は着替えを
  済ませ、男子バレー部の部室から田代が出てくるのを
  待つことにした。

   部室の近くで待っている間、美奈は治希のことが
  頭に浮かんだ。
   「これでよかったのかな・・・。でも、治希だって祝福
  してくれるよね・・・きっと・・・」
   数分後、美奈は更衣室から出てきた田代に声をかけた。
   「田代先輩、ちょっといいですか?お話したいことが
  あるんですけど・・・」
   「え?オレに?」
   「はい。あ、あの・・・先輩は今、付き合ってる人とか
  いるんですか?」
   「う、うん。まあ、いるよ・・・」
   「そう・・・ですか・・・」
   「ごめん。オレ、ずっと川野が好きだったんだ」
   「川・・・。マネージャーの川野先輩ですか?」
   「そう・・・。その川野。実は、一昨日の予選が
  終わってから、その後すぐに川野から告白されて、
  付き合うことに・・・」
   田代が美奈の後方に目線を移したのを見て、
  美奈も後ろを振り返ると、その川野が自転車を押しながら
  こちらへ向かっていた。
   「じゃ、じゃあ先輩、お疲れさまでした・・・お幸せに」
   そう言い残し、美奈は逃げるようにその場から去った。



 その後、美奈が誰かと交際しているという噂は聞いていない。

 3年生が引退した夏休みの間は、どの運動部もそうだがバスケ部も
バレー部も例に漏れず、地獄の様な走り込みやフィジカルトレーニングが
行われていた。
 しかし、バレー部のコートに美奈の姿はなかった。
 夏休みが終わるとバレー部のコートに美奈は戻って来たが、自慢の黒髪を
バッサリと切っていた。

 治希は美奈とのことをずっと引きずり、高校1年の秋と高校2年の夏に
復縁を申し込んだ。
 2回目のチャレンジの際には、中学の同級生だった女友達にも一応相談は
してみたが、一様に「やめときなよ」と声を揃えた。
 その忠告は治希には届かず、結果は同じことの繰り返しだった・・・。

 治希は失恋をバネに更に誰よりもバスケの練習を重ね、中学からバスケを
始めたヤツらを退けて副キャプテンにも任命された。
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