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2章
15話
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翌日――朝食を終えた私とカレンは、レックス殿下とロイのいる部屋にやって来ていた。
レックス殿下は、ロイとカレンを眺めながら。
「ロイとカレンは、まだ疲れが残っているようだな」
「そうだね……それでも、明日には全快になっていそうな辺り、流石は聖堂だよ」
「私も同意見です。今日はリリアン様と行動して、魔法について学ぼうと思っています」
昨日は同じ書庫にいたけど……私は今日以降、一部の人しか入れない書庫に行くつもりだった。
ロイとカレンでは理解できないほどだと聞いているけど、二人は興味がある様子だ。
今日は魔法を扱うことができないからこそ、この時に私が学ぶ扱いづらい魔法、恐らく上級の聖魔法を見ておきたいのでしょう。
「俺は昼までは訓練場で騎士に剣を学ぶこととなっている……選ばれし者を守る為に鍛えられているだけあって、非常に参考になるからな」
テンションが高いレックス殿下だけど……昨日私は、カレンと話をしていた。
本来ゲームでのレックス殿下は夏休みの間、アークス国で剣技の鍛錬をしていた。
そしてカレンはレックス殿下に招待されて、城で夏休みを送るイベントがあったけど、それはゲームでの話だ。
でも、もしかしたら……レックス殿下が昼まで鍛錬をしようとしているのは、ゲームでの鍛錬イベントも同時に発生しているからなのかもしれない。
そう考えてしまうのは、ゲームの知識があるせいね。
聖堂の騎士に戦い方を学ぶことで、レックス殿下は更に成長している様子だ。
それなら、レックス殿下も聖堂に来てよかったはず。
私が考え事をしていると、ロイが呟く。
「……僕はリリアンさんより魔力が遙かに少なくて、カレンさんのように聖魔力の素質があるわけじゃない。そんな僕でも……聖魔力が使える今ここで、頑張らないといけないよね」
ロイはやる気に満ちていて、私達は部屋を出て書庫に向かおうとしていた。
部屋の前にはアスファが待機していたけれど、レックス殿下と目を合わせていない気がする。
そしてレックス殿下は訓練場に向かい、私達は書庫に向かう。
途中で会った人達は私を見て驚いていたけど……昨日あれだけ魔法を使っていたのに、魔力が全快していることに驚いていそうだ。
私は歩きながら……ゲームでの、ロイの行動を思い返す。
本来は休みでロイとのイベントだけど、ロイはもう病が治ってるし……普通に、カレンと一緒に魔法を学んで試すだけになりそう。
ゲームだとロイがカレンに魔力の使いすぎだと心配するシーンが印象に残っているけど……それは主にロイの病を治すためという理由によって、ロイが負い目を感じていたから。
今のロイは病が治っているし、一緒に聖魔力を学んでいるのだから、気に病むも何もないはず。
それは気にしなくてもよさそうだと考えながら――私は今日も、聖魔力と魔法を学ぼうとしていた。
◇◆◇
私達は、一部の人しか入れない書庫にやって来る。
この部屋は許可が出た人しか入れない結界が張ってあるみたいだけど、私達は問題なく入ることができた。
「本来、私も入れないのですが……護衛ということで許可をもらいました」
アスファがそう言いながら先頭を歩くけど……部屋の中は昨日来た書庫とあまり変わっていない。
広場に繋がる通路もあるし、本棚と机がある。
前の書庫と同じ図書館の一室という感じがするけど、私は周囲の本に驚いていた。
「どの本にも魔力が感じ取れます……魔本が多いのですか!?」
私、ロイ、カレンが驚いていると、アスファが頷いて。
「はい……ゲオルグ様から聞いたことがあります。ここの魔本は、魔力や魔法を使って解読する本が多いようです」
魔本は魔力を宿した本で、普通の本よりも薄い。
結界を張る程度の小規模な部屋だけなのも、魔本が多いからこそなのでしょう。
レックス殿下が一冊所持して、魔法学園でも上級生になると数冊読めるみたいで楽しみにしていたけど……ここまで多く存在していることに驚くしかない。
これは盗まれたら相当な損失だからこそ、一部の人しか入れない結界が張られているのでしょう。
本来ゲームだと「カレンとロイでも入れない場所がある」の説明だけで、詳細は不明だったけど……それほどまでに、私は大賢者ゲオルグに認められているのかもしれない。
これはきっと、ネーゼが私について話をしたことも含まれているはず。
やらかしてしまったことは後悔が多いけど、こんな体験ができるのなら悪いことばかりでもなさそうね。
魔本を手に取ったロイは、困惑した表情を浮かべて。
「凄いなこの本は……読もうとするだけで魔力が減るし、魔法に関しても複雑で解らない……これは、僕には読めそうにないよ」
「そうですね……昨日と同じことをしていた方が、私とロイ様はよさそうです」
この書庫には魔本ではない本もあるから、ロイとカレンはひとまずそれを読むらしい。
私は魔本でも問題なく、むしろ今まで知り得なかった魔法を覚えることができている。
最初にゲオルグに見せた魔法を応用して、聖魔力の光を纏い、体の一部を強化することもできそうだ。
とにかく昼までは魔本を読んで――昼からレックス殿下と再会して広場に行き、魔法を試してみよう。
レックス殿下は、ロイとカレンを眺めながら。
「ロイとカレンは、まだ疲れが残っているようだな」
「そうだね……それでも、明日には全快になっていそうな辺り、流石は聖堂だよ」
「私も同意見です。今日はリリアン様と行動して、魔法について学ぼうと思っています」
昨日は同じ書庫にいたけど……私は今日以降、一部の人しか入れない書庫に行くつもりだった。
ロイとカレンでは理解できないほどだと聞いているけど、二人は興味がある様子だ。
今日は魔法を扱うことができないからこそ、この時に私が学ぶ扱いづらい魔法、恐らく上級の聖魔法を見ておきたいのでしょう。
「俺は昼までは訓練場で騎士に剣を学ぶこととなっている……選ばれし者を守る為に鍛えられているだけあって、非常に参考になるからな」
テンションが高いレックス殿下だけど……昨日私は、カレンと話をしていた。
本来ゲームでのレックス殿下は夏休みの間、アークス国で剣技の鍛錬をしていた。
そしてカレンはレックス殿下に招待されて、城で夏休みを送るイベントがあったけど、それはゲームでの話だ。
でも、もしかしたら……レックス殿下が昼まで鍛錬をしようとしているのは、ゲームでの鍛錬イベントも同時に発生しているからなのかもしれない。
そう考えてしまうのは、ゲームの知識があるせいね。
聖堂の騎士に戦い方を学ぶことで、レックス殿下は更に成長している様子だ。
それなら、レックス殿下も聖堂に来てよかったはず。
私が考え事をしていると、ロイが呟く。
「……僕はリリアンさんより魔力が遙かに少なくて、カレンさんのように聖魔力の素質があるわけじゃない。そんな僕でも……聖魔力が使える今ここで、頑張らないといけないよね」
ロイはやる気に満ちていて、私達は部屋を出て書庫に向かおうとしていた。
部屋の前にはアスファが待機していたけれど、レックス殿下と目を合わせていない気がする。
そしてレックス殿下は訓練場に向かい、私達は書庫に向かう。
途中で会った人達は私を見て驚いていたけど……昨日あれだけ魔法を使っていたのに、魔力が全快していることに驚いていそうだ。
私は歩きながら……ゲームでの、ロイの行動を思い返す。
本来は休みでロイとのイベントだけど、ロイはもう病が治ってるし……普通に、カレンと一緒に魔法を学んで試すだけになりそう。
ゲームだとロイがカレンに魔力の使いすぎだと心配するシーンが印象に残っているけど……それは主にロイの病を治すためという理由によって、ロイが負い目を感じていたから。
今のロイは病が治っているし、一緒に聖魔力を学んでいるのだから、気に病むも何もないはず。
それは気にしなくてもよさそうだと考えながら――私は今日も、聖魔力と魔法を学ぼうとしていた。
◇◆◇
私達は、一部の人しか入れない書庫にやって来る。
この部屋は許可が出た人しか入れない結界が張ってあるみたいだけど、私達は問題なく入ることができた。
「本来、私も入れないのですが……護衛ということで許可をもらいました」
アスファがそう言いながら先頭を歩くけど……部屋の中は昨日来た書庫とあまり変わっていない。
広場に繋がる通路もあるし、本棚と机がある。
前の書庫と同じ図書館の一室という感じがするけど、私は周囲の本に驚いていた。
「どの本にも魔力が感じ取れます……魔本が多いのですか!?」
私、ロイ、カレンが驚いていると、アスファが頷いて。
「はい……ゲオルグ様から聞いたことがあります。ここの魔本は、魔力や魔法を使って解読する本が多いようです」
魔本は魔力を宿した本で、普通の本よりも薄い。
結界を張る程度の小規模な部屋だけなのも、魔本が多いからこそなのでしょう。
レックス殿下が一冊所持して、魔法学園でも上級生になると数冊読めるみたいで楽しみにしていたけど……ここまで多く存在していることに驚くしかない。
これは盗まれたら相当な損失だからこそ、一部の人しか入れない結界が張られているのでしょう。
本来ゲームだと「カレンとロイでも入れない場所がある」の説明だけで、詳細は不明だったけど……それほどまでに、私は大賢者ゲオルグに認められているのかもしれない。
これはきっと、ネーゼが私について話をしたことも含まれているはず。
やらかしてしまったことは後悔が多いけど、こんな体験ができるのなら悪いことばかりでもなさそうね。
魔本を手に取ったロイは、困惑した表情を浮かべて。
「凄いなこの本は……読もうとするだけで魔力が減るし、魔法に関しても複雑で解らない……これは、僕には読めそうにないよ」
「そうですね……昨日と同じことをしていた方が、私とロイ様はよさそうです」
この書庫には魔本ではない本もあるから、ロイとカレンはひとまずそれを読むらしい。
私は魔本でも問題なく、むしろ今まで知り得なかった魔法を覚えることができている。
最初にゲオルグに見せた魔法を応用して、聖魔力の光を纏い、体の一部を強化することもできそうだ。
とにかく昼までは魔本を読んで――昼からレックス殿下と再会して広場に行き、魔法を試してみよう。
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