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2章
66話
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魔法披露会の準備が始まって、一週間が経っている。
私達のクラスは魔法による加工品の展示で、私は全力で取り組んでいた。
席が隣のレックス殿下がそれを眺めて、少し驚いた様子で私に尋ねる。
「材料を揃えたと聞いていたが、リリアンは何を作るつもりなんだ?」
「小さなぬいぐるみです……魔鉱石を中に入れて、大気の魔力で動くようにします」
魔鉱石を意志を籠めた魔力で加工して、綿を入れて動物の形にする。
大気の僅かな魔力を取り込んだ魔鉱石の力で動かすから、サイズは小さくなってしまう。
それでも――今まで学んできた魔法と魔力の知識から可能だと考えていると、ロイが唖然としていた。
「えぇっ……リリアンさん。今とんでもないことを言ったけど、可能なのかい?」
「魔鉱石に与える魔力調整が難しいと思いますけど、一ヵ月もあるのなら大丈夫です」
「いや……魔鉱石でそんなことができるって、とんでもなく凄い発見だと思うよ」
目立つかもしれないけど、私はカルドレス家が優秀だと評価されたいと思うようになっていた。
今まではゲームと逸脱した行動をとりたくなかったけど、結果が出るのはゲーム内容が大体終わってからだ。
ようやく気にしなくていいようになるのなら、実験の成果を評価されたくなっている。
審査する人は優秀な魔法士だから改善点が見つかるかもしれないし、そうなれば更なる魔力や魔法の発展に繋がるからだ。
「リリアンは着眼点が違う。完成すれば間違いなく最優秀賞間違いなしだ!」
「そうですね。リリアン様の闘牛の造形も素晴らしいです」
レックス殿下が嬉しそうに発言して、ルートも賛同している。
……最初、ユニコーンを作ろうとしたら太くなって、急遽闘牛に変えたのは黙っていよう。
角も二本にしたし、動くという点が重要だから大丈夫のはずだ。
そう考えていた時――教室に、先生が慌てた様子でやって来る。
「カレン様とラギル様! 今すぐに来てください!」
「えっ!?」
呼ばれたのがカレンとラギルで驚いていると、やって来た先生が説明する。
「作業中に魔道具の様子がおかしくなり、爆発寸前です……二人の力が必要です!」
これは、ゲームのイベントでもあったけど……カレンとラギルが指名されている。
カレンはゲーム通り、ラギルはゲームと違うけど、この状況に違和感があった。
どうして一番優秀な私ではないのかと考えたけど、二人は平民だから、もし負傷しても構わないと判断したのかもしれない。
「私も行きます」
「俺も行こう!」
カレンとラギルが教室を出ようとして、私が着いていく。
頼みに来た先生も「ここは平民に任せましょう」なんて言えないのか、引き留めようとはしなかった。
◇◆◇
私とレックス殿下は教室を出て、私達は先生に問題の場所へ案内される。
ロイとルートがいないのは、大人数で行くと混乱を招くと考えたのかもしれない。
「魔道具が爆弾にすり替わっていました……魔力で抑えるかしかありません」
カレンとラギルを呼びに来た辺り、先生の魔力では抑えきれなかったのかもしれない。
それとも、平民が犠牲になるのは構わないという判断なのだろうか。
広場で光っている球体の魔道具を発見して、魔力を感じ取った私が話す。
「これなら、私の魔力で問題ありません」
そう言って私が魔力で魔道具を包み解析し、爆発させなくする。
これはかなり複雑な魔道具で、魔法学園の先生でも無理そうだ。
確か……ゲームではレックス殿下が遠くに投げていた気がするけど、証拠として残しておきたかった。
無意味かもしれないけど先生達が魔道具を回収して、レックス殿下が広場で呟く。
「ダドリック……なぜ、貴様がここにいる?」
魔力からダドリックが近くにいたのは知っていたけど、気づいたレックス殿下が敵意を向ける。
今までずっとこの場所にいたのではなく、駆けつけてやって来たようだ。
「騒ぎになってたから飛んできたんですよ……まっ、全部終わってたみたいですけどね」
「シーマがいなければ素に戻るようだが、改心しているのか?」
「奴の名前を出すな」
「改心する気はなさそうだ」
あの枷は録音されてるって聞いたけど、恐らくダドリックの声だけのようだ。
シーマの名前を出さないことで記憶されても問題ないようにしているけど、聞けば誰のことか解りそうな気がする。
シーマは基本的に近くでダドリックを監視しているといったけど、常に傍にいるわけではないのかもしれない。
賢者としての仕事もあるだろうし仕方ないと思うけど、ダドリックがこの場にいることは気になってしまう。
ゲーム通りの出来事が起きて――近くにダドリックがいたことは、カレンに相談しておきたかった。
私達のクラスは魔法による加工品の展示で、私は全力で取り組んでいた。
席が隣のレックス殿下がそれを眺めて、少し驚いた様子で私に尋ねる。
「材料を揃えたと聞いていたが、リリアンは何を作るつもりなんだ?」
「小さなぬいぐるみです……魔鉱石を中に入れて、大気の魔力で動くようにします」
魔鉱石を意志を籠めた魔力で加工して、綿を入れて動物の形にする。
大気の僅かな魔力を取り込んだ魔鉱石の力で動かすから、サイズは小さくなってしまう。
それでも――今まで学んできた魔法と魔力の知識から可能だと考えていると、ロイが唖然としていた。
「えぇっ……リリアンさん。今とんでもないことを言ったけど、可能なのかい?」
「魔鉱石に与える魔力調整が難しいと思いますけど、一ヵ月もあるのなら大丈夫です」
「いや……魔鉱石でそんなことができるって、とんでもなく凄い発見だと思うよ」
目立つかもしれないけど、私はカルドレス家が優秀だと評価されたいと思うようになっていた。
今まではゲームと逸脱した行動をとりたくなかったけど、結果が出るのはゲーム内容が大体終わってからだ。
ようやく気にしなくていいようになるのなら、実験の成果を評価されたくなっている。
審査する人は優秀な魔法士だから改善点が見つかるかもしれないし、そうなれば更なる魔力や魔法の発展に繋がるからだ。
「リリアンは着眼点が違う。完成すれば間違いなく最優秀賞間違いなしだ!」
「そうですね。リリアン様の闘牛の造形も素晴らしいです」
レックス殿下が嬉しそうに発言して、ルートも賛同している。
……最初、ユニコーンを作ろうとしたら太くなって、急遽闘牛に変えたのは黙っていよう。
角も二本にしたし、動くという点が重要だから大丈夫のはずだ。
そう考えていた時――教室に、先生が慌てた様子でやって来る。
「カレン様とラギル様! 今すぐに来てください!」
「えっ!?」
呼ばれたのがカレンとラギルで驚いていると、やって来た先生が説明する。
「作業中に魔道具の様子がおかしくなり、爆発寸前です……二人の力が必要です!」
これは、ゲームのイベントでもあったけど……カレンとラギルが指名されている。
カレンはゲーム通り、ラギルはゲームと違うけど、この状況に違和感があった。
どうして一番優秀な私ではないのかと考えたけど、二人は平民だから、もし負傷しても構わないと判断したのかもしれない。
「私も行きます」
「俺も行こう!」
カレンとラギルが教室を出ようとして、私が着いていく。
頼みに来た先生も「ここは平民に任せましょう」なんて言えないのか、引き留めようとはしなかった。
◇◆◇
私とレックス殿下は教室を出て、私達は先生に問題の場所へ案内される。
ロイとルートがいないのは、大人数で行くと混乱を招くと考えたのかもしれない。
「魔道具が爆弾にすり替わっていました……魔力で抑えるかしかありません」
カレンとラギルを呼びに来た辺り、先生の魔力では抑えきれなかったのかもしれない。
それとも、平民が犠牲になるのは構わないという判断なのだろうか。
広場で光っている球体の魔道具を発見して、魔力を感じ取った私が話す。
「これなら、私の魔力で問題ありません」
そう言って私が魔力で魔道具を包み解析し、爆発させなくする。
これはかなり複雑な魔道具で、魔法学園の先生でも無理そうだ。
確か……ゲームではレックス殿下が遠くに投げていた気がするけど、証拠として残しておきたかった。
無意味かもしれないけど先生達が魔道具を回収して、レックス殿下が広場で呟く。
「ダドリック……なぜ、貴様がここにいる?」
魔力からダドリックが近くにいたのは知っていたけど、気づいたレックス殿下が敵意を向ける。
今までずっとこの場所にいたのではなく、駆けつけてやって来たようだ。
「騒ぎになってたから飛んできたんですよ……まっ、全部終わってたみたいですけどね」
「シーマがいなければ素に戻るようだが、改心しているのか?」
「奴の名前を出すな」
「改心する気はなさそうだ」
あの枷は録音されてるって聞いたけど、恐らくダドリックの声だけのようだ。
シーマの名前を出さないことで記憶されても問題ないようにしているけど、聞けば誰のことか解りそうな気がする。
シーマは基本的に近くでダドリックを監視しているといったけど、常に傍にいるわけではないのかもしれない。
賢者としての仕事もあるだろうし仕方ないと思うけど、ダドリックがこの場にいることは気になってしまう。
ゲーム通りの出来事が起きて――近くにダドリックがいたことは、カレンに相談しておきたかった。
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